
世界的ベストセラー「サピエンス全史」「ホモ・デウス」などの著書で知られる歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏が、3月16日~20日(米テキサス州オースティン現地時間)にオンライン開催される、世界最大級の複合カンファレンスイベント「SXSW Online 2021」に登壇。「なぜ人類は革新的な技術や進歩に対して恐怖心を持つのか?」などついて、人類の歴史とともに考える講演を行う。
世界中からクリエイティブな人々が集まり、解決すべき課題を話し合う同イベントでは、各年の世相を表す象徴的なセッションが行われてきた。新型コロナウイルスや、アメリカ大統領選などによる混乱と変化の一年を経て、2021年はどのようなセッションが行われるのか注目が集まる。
この度登壇が発表されたユヴァル・ノア・ハラリ氏は、著書「サピエンス全史」「ホモ・デウス」など、世界的なベストセラーで知られるイスラエルの歴史学者。
人類史の研究から未来への危機感について語る同氏は、特にこのコロナ禍で分断に向かう世界へのメッセージで注目を集めた。彼が登壇するセッションのタイトルは「Why Do We Fear Innovation?」と名付けられ、ワクチンから人工知能まで、歴史の中で一度は恐れられたイノベーションをもたらす技術が人類に受け入れられてきた過程を紐解く。近年のSXSWではテクノロジーと倫理観の問題がホットなトピックとなっており、ユヴァル氏がSXSWに集うイノベーター達に向けてどのようなメッセージを発するのか関心が高まっている。
また、「タイタニック」「アバター」などで知られるジェームズ・キャメロン監督もSXSWに登場。4月22日からDisney+で配信される新作ドキュメンタリー「Secrets of the Whales」についてのセッションを行う。
ナショナルジオグラフィックと協力して撮影されたこの作品は、5種のクジラの内面世界に入り込み、クジラの感情や文化、複雑な社会構造、コミュニケーションについて、新しい科学技術を用いて探究している。3年間に及ぶ撮影の裏話や、監督自身の探究心と深海への深い愛情についての話が聞けることが期待される。
今年のSXSWでは、様々な社会問題を取り上げるドキュメンタリー作品が社会に対する問題提起として数多く発表されている。クジラの視点から見える新しい世界について、深く掘り下げられる、とても興味深いセッションだ。
関連情報
https://www.sxsw.com/news/
構成/こじへい