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50代以上エルダー・シニア層のYouTube利用時間が1年半で1.5倍に

2021.03.09

「Windows95」が発売され、日本国内におけるインターネット利用者が爆発的に増加したのがおよそ26年前のこと。今やインターネットは、若者だけのものではない。エルダー・シニア層にとっても身近な情報収集およびコミュニケーションツールとなっている。

ネットの利用率は近年大きく増加しており、特に60代以上の利用率増加によって引き上げられている。年代別に見ると、2019年の時点で60代は9割に達し50代以下とほぼ変わらない利用率となった。また、70代でも7割、80代以上も6割と過半数が利用しており、シニア間でもネットの利用が広く普及している(図1-1)。

さらに、50代以上を中心にスマホでのネット利用が伸長しており、市場におけるネット利用率の伸長は、50代以上のスマホユーザーが後押ししていると言える(図1-2)。

このようなネット利用者の変化を踏まえ、50歳以上をエルダー層、65歳以上をシニア層と定義し、マクロミルが保有するスマホの「アプリログデータ」とインターネットリサーチによる「アンケートデータ」を使用して、最新のエルダー・シニア層におけるネット利用状況の詳細を分析した。

「ネット」利用時間が「テレビ」をわずかに超える、ネットは3.3時間・テレビは3.2時間/日(アンケートデータより)

2020年下半期におけるエルダー・シニア層のメディア利用頻度は、テレビ(6.6日/週)、ネット(5.3日/週)、新聞(4.2日/週)、ラジオ(2.0日/週)で、テレビとネットの利用が定常的であることが分かる。また、ネット利用についてパソコンからの利用が5.4日/週、スマホから利用が5.3日/週だった。

一日当たりの利用時間は、ネット(3.3時間/日)が、テレビ(3.2時間/日)をわずかに上回った。この半年で利用が増えたか減ったかを尋ねると、「ネット利用が増えた」3割、「テレビ利用が増えた」2割半で、ネットの利用が増えたと答えた人が多い結果となった。

「VOD」「SNS」のアプリ利用率が伸長、「YouTube」の利用時間が1年半で1.5倍(アプリログデータより)

アプリログデータを使って、アプリの利用率と利用時間を見ていく。アプリのカテゴリーごとに利用率を見ると、高いものから「Movie」「SNS」「News」「Music」「VOD」となっており、いずれも2019年7月~2020年12月の1年半で増加した。特に、「VOD」と「SNS」は直近1年以内もまだ伸長を続けている(図2-1)。

「VOD」と「SNS」における直近1年の利用率増加を後押ししたアプリは、VODでは「Netflix(+1.0Pt)」「Amazon Prime(+0.9Pt)」、SNSでは「Instagram(+4.2Pt)」「LINE(+2.6Pt)」「Twitter(+0.9Pt)」だった。(図2-2)。

利用時間は、「YouTube」の伸長が目立ち、2019年7月時点では179分/月、2020年12月では280分/月と、1年半で約1.5倍に増えてる。2020年下半期では、「LINE」の利用時間に迫る勢いで伸長したことからも、エルダー・シニア層が「YouTube」を定常的に利用するようになった様子がうかがえる。

さらに、「TikTok」や「ABEMA」は新型コロナウイルスの感染が広がり始めた2020年3月前後から利用時間の上昇が見られた。一方、「SmartNews」や「Twitter」、「Facebook」は、2020年3~5月に上昇が見られたが、その後、以前の水準に戻っている(図2-3)。

利用率、利用日数、利用時間の3つの指標で各アプリのポジションをまとめると、利用率により大きく3つのグループに分かれる(図2-4)。利用率高グループの「LINE」「YouTube」は、この1年の伸長を鑑みると、まだまだ頭打ちとは言えない様子。

利用率が中・低のグループでは、エルダー・シニア層に受け入れられるアプリが二極化している。間口(利用率)も奥行(利用日数や時間)も増加している「Instagram」や「TVer」は、エルダー・シニア層のスマホ利用増に伴い、今後も利用が拡大していくと推察される。

 ネットメディアの利用目的は「情報収集」。「娯楽」の要素は薄い(アンケートデータより)

主要ネットメディアの利用目的をアンケートで質問した。エルダー・シニア層における利用時間の増加が顕著だったYouTubeの利用目的は、1位「自分の趣味や興味に合う情報を得るため(48.8%)」、2位「暇つぶし(43.4%)」、3位「特定の分野で専門的な知識を持つ人の情報を得るため(20.3%)」だった。

一方、比較のために20~40代の結果を見ると、1位「暇つぶし(58.3%)」、2位「自分の趣味や興味に合う情報を得るため(39.9%)」、3位「ストレス発散・癒しとして(31.8%)」だった。

20~40代は「娯楽目的」が多いのに対し、エルダー・シニア層は「情報収集目的」が多い点が特徴。なお、この傾向はFacebookやTwitter、Instagramでも同様に見られ、情報収集という明確な目的を持ったSNSの活用が、それぞれのアプリ、およびネット全体の利用増に繋がっていると考えられる。

「ネット」の必要度が「テレビ」に迫る、今後の利用意向が高いサービスは「LINE」「YouTube」(アンケートデータより)

メディアごとの必要度を質問したところ、「テレビ」の8割強に対し「ネット」は8割弱、「新聞」は6割を下回った。「ネット」は「テレビ」と同程度に必要とされ、メディアの中でも高く位置付けられている。

ネット利用が今後増加するかをデバイス別に尋ねると、「パソコン」は3割、「スマホ」は4割が増えると回答。スマホの保有率やスマホアプリの利用率は、引き続き増加することが予想される。また、主要ネットメディアについても同様に、今後の利用が増えるかと尋ねると、「LINE」と「YouTube」がともに最も高く、エルダー・シニア層の4人に1人は増えるとしている。

<データ概要>
(1)アプリログデータ
マクロミルのアプリログデータ「A³(Acube)」を使用。自社で保有するパーミッション取得済みの約6万人(2021年1月1日時点)のスマホ保有モニター(アプリログパネル)から、スマホの行動ログを収集したデータベース。
サービスページURL:https://www.macromill.com/service/database_research/acube.html

<本分析の対象アプリ>
Movie :YouTube、ABEMA、TVer、TikTok
SNS :LINE、Facebook、Instagram、Twitter
News :SmartNews、Gunosy、Yahoo!ニュース、日経電子版、NewsPicks
Music :Amazon Music、Spotify、Apple Music、LINE MUSIC、YouTube Music、AWA、Google Playミュージック
VOD :Hulu、Netflix、Amazon Prime、U-NEXT

<本分析概要>
分析対象 :Androidデバイスを保有するスマートフォンアプリモニタ 全国50~69歳の男女
有効回答人数:2020年12月 15,509名
割付 :性別・年代・エリアで割付し、スマートデバイスインターネット利用人口にウエイトバック

(2)アンケートデータ
調査主体 :マクロミル
調査手法 :インターネットリサーチ
調査対象 :全国20歳以上の男女(マクロミルモニタ会員)
有効回答人数:1,974名(エルダー・シニア層907名、一般層1,067名)
割付 :性別・年代・エリアで人口構成比に合わせて割付 ※分析対象は、一般層に含有するエルダー・シニア層も含めた1,489名
調査期間 :2020年12月4日(金)~12月8日(火)

出典元:株式会社マクロミル

構成/こじへい

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