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経済活動再開への期待を受けて2021~22年の企業業績は米国、中国に加えて日本も好調の見通し

2021.03.05

三井住友DSアセットマネジメントではこのほど、「グローバル株式市場の見通し」に関する最新のマーケットレポートを発表した。

これによると、グローバル株式市場は2月中旬以降から変化し始め、実質金利が上昇したものの歴史的に低水準であるとのこと。また、2021~22年の企業業績としては、米国、中国に加え、日本、新興国アジアでも一部増益が予想されるという。

詳細は以下の通り。

2月中旬以降、次第に変化し始めたグローバル株式市場

今年2月までのグローバル株式市場の動きを整理した。

グローバル株式市場は、1月下旬まで、中国の上昇が際立った。中国の20年10-12月期の実質GDP成長率が前年同期比+6.5%と、市場予想を上回ったことで、景気敏感株が上昇をけん引した。

ただ、1月末にかけて、人民銀行が公開市場操作において4日間連続で実質的な資金吸収を行ったことで短期金利が急騰し、グローバル株式市場は全体的に調整を余儀なくされた。

2月に入るとグローバル株式市場は中国、日本を中心に再び上昇基調を強めた。中国では人民銀行による資金供給で流動性の逼迫懸念が後退したことなどが好感され、日本は好調な決算を背景に堅調に推移した。米国で追加経済対策への期待が続いたこと、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が緩和的な金融政策の長期化を示唆したことなどから、安心感が広がった。

2月中旬以降、グローバル株式市場の期待形成は次第に変化し始めた。中国が調整し、日本も上値が重くなった。背景には米長期金利の上昇傾向があげられる。景気の回復に対する期待の高まりが、将来の利上げ観測につながり、長期金利が押し上げられる展開となった。特に2月25日の金利上昇を、株式市場は嫌気した。

主要セクターでは、原油価格が堅調に上昇しており、エネルギーが大きく上昇している。一方、昨年のけん引役であったコミュニケーション・サービスや情報技術は下落に転じ、2月中旬以降はエネルギーとそれ以外のセクターで株価水準の2極化が進んだ。

上昇した実質金利。しかし歴史的には依然低水準

2月末に起きた実質金利の上昇と株式市場の調整は、これまで株式市場を支えてきた緩和的な金融環境と未曽有の財政政策といった期待形成を改めて検討する機会となるだろう。

年後半以降の景気回復に対する期待は、新型コロナウイルスのワクチンの普及が拡大しつつあることで、より確かなものとなりつつある。ワクチンの効果が確認され、また、各国・地域で部分的に実施されているロックダウンが順次解除されるようになれば、景気回復は消費の飛躍的な拡大を背景にその確度は一段と高まると思われる。株式市場はそうした景気拡大をプラスとして捉えていた。

それは、市場が緩和的な政策を背景に低インフレを前提としていたためであり、景気の拡大による将来の利上げ観測をやや過小に評価していた可能性がある。

1月以降の世界的な名目金利の上昇は、景気拡大見通しを背景にインフレ期待の改善を受けたものだった。米国やドイツでは名目金利が上昇している。これはインフレ期待が回復していることが背景だ。

さらに足元では、実質金利が上昇していることが市場の期待形成に影響を与えている。実質金利(10年国債利回りーインフレ期待)は、2月中旬以降、反発する展開となった。ただ、米国の実質金利は▲1.1%から▲0.6%に反発したが、引き続き歴史的な低水準となっている。

低水準の実質金利が景気やリスク資産市場にとって、重要なサポート要因となっている点を否定するほど景気が過熱しているわけではない。主要中銀の証券購入を通じた潤沢な流動性供給も引き続き高水準を継続する見通し。こうした過剰流動性は世界株式市場の堅調な推移をサポートすると期待される。

なお、パウエル議長は、1月に株式市場の上昇はワクチンや財政拡張への期待によるもので、金融政策によるところは小さいと弁明した。また、パウエル議長は焦点である資産買取ペースの減額(テーパリング)について議論するのは時期尚早とし、早期のテーパリング観測を牽制した。テーパリングに対しての懸念は当面は抑えられそうだ。

今後の見通し~21、22年と好調な米国、中国、日本の企業業績

2021年の世界経済は、金融緩和政策と大型の財政政策が継続する環境を維持しつつ、経済活動再開への期待が一段と高まる方向になるだろう。グローバル株式市場は、景気、金融政策の正常化を背景とした長期金利、実質金利の動きを睨みながらの展開になりそうだ。

実質金利の上昇には注意が必要だが、先にみたように、実質金利は極端に上昇しているわけではなく、歴史的に低水準である点が、グローバル株式市場を下支えすると考えられる。

今後は、金融財政政策の下支えを前提に、企業業績の回復が重要なドライバーになると思われる。足元の株式市場は21年の企業業績の回復をほぼ織り込んでいると思われ、当面、上値の重い展開となる可能性はある。それでも、ワクチンの効果が確認され、部分的なロックダウンが順次解除されることや米国の大型景気対策が決定されることなどは、長期金利の上昇要因であると同時に、業績見通しにとって明るいニュースでもある。

2021~22年の企業業績は大幅な増益となる見通し。引き続き、米国、中国が大きな増益見通しだが、日本、新興国アジアの一部も増益が予想されている。

以上から、2021年のグローバル株式市場は、経済・金融市場の正常化が進む中、業績に軸足を置いた展開になると想定される。米国、中国、日本の企業業績は堅調に推移する見通し。

テーマとしては脱炭素化が新たな成長分野として注目される流れが続くと思わる。景気回復はデジタルトランスフォーメーション(DX)をさらに加速させる見通し。経済活動の本格的な再開が現実となれば、これまで厳しい環境に置かれてきた対面型のサービス業を中心に非製造業の業績が大きく巻き返すと期待できる。グローバル株式市場は、IT技術の更なる高度化、経済活動の再開本格化を背景とした非製造業の業績回復期待から、堅調に推移すると考えられる。

出典元:三井住友DSアセットマネジメント株式会社

構成/こじへい

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