人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

おならもする⁉疲れを癒して心を豊かにしてくれる"弱い"ロボット「NICOBO」

2021.03.03

1999年にソニーが開発した犬型ロボット「aibo」をはじめ、家庭用のみならず、介護施設でも高齢者を癒すアイテムとして近年注目を集めているペット型ロボット。

ペット型ロボットであるだけに犬や猫などの動物モチーフが多いが、今回、パナソニック株式会社は「同居人」を題材にした、“弱いロボット”「NICOBO」を開発。このプロジェクトは2017年からスタートし、2021年2月16日(火)、メディア関係者向けにオンラインセミナーを行った。

登壇者は、パナソニック株式会社 アプライアンス社 スマートライフネットワーク事業部の増田 陽一郎氏とプロジェクトメンバー。NICOBOと一緒に登場した。

「家電製品も含め、高性能・高機能なモノによって人々の暮らしは確かに便利に、そして豊かになりました。今回我々はその豊かさに加えて、人の心も豊かにしたい、という思いを持っています。プロジェクトを進めている中、コロナが起きました。大切な人と会えず、家でも一人の時間はますます増えていくことでしょう。今回の完全オンライン発表会のように、人と直接会わなくても何とかなる、そんな社会が生まれようとしています。そんなニューノーマルの時代における、新しい幸せのカタチとしてNICOBOを提案致しました」
増田 陽一郎氏/パナソニック株式会社 アプライアンス社 スマートライフネットワーク事業部

よく日本では「孤独」が国民病とまで言われることもあるが、そんな中でさらにコロナウイルスが蔓延し、人と距離を取らなければならないような状況に。まさに増田氏の言う、「ニューノーマル」な時代だ。

孤独で寂しいとき、人に優しく、などと思いやりを持てる心の豊かさがなくなる。今回のこのNICOBOのプロジェクトは、人々から受け入れられれば、日本の社会問題に大きく貢献するきっかけとなるだろう。

NICOBOは気ままな同居人のような存在で、おうち時間にソファで一緒にくつろいでいたり、リモートワークの時にそばにいたり、一人でぼーっとしていたりすることも。

どこか頼りないけど、なんだかかわいい、放っておけないNICOBOの「弱さ」や「不完全さ」が、私たちの人間の強みである、「思いやり」を引き出してくれる。一緒にいると、思わず笑顔になれる、幸せな気持ちになれる、という存在がNICOBOだ。

開発の試み|心の豊かさには「Well-being」が大切

この新しい幸せのカタチを実現するために、豊橋技術科学大学(ICD-LAB)の教授 岡田美智男氏とのコラボレーションが欠かせなかったと話す増田氏。

そんな岡田氏は、自らの能力が十分に生かされ生き生きとした幸せの状態を指す、「Well-being(ウェルビーイング)」が、今回のNICOBOプロジェクトでポイントになったと言う。

NICOBO開発の背景について、岡田氏はハサミを身近な例に例えて説明した。

「ハサミは硬い歯を備えていますが、私たちの手の中にあって初めて機能するわけです。一方で、私たちの柔らかな手は、紙を切り刻めないのですが、この柔らかさがハサミを使いこなす時に強みにもなっている。ハサミを使いこなすことは、お互いの弱さを補いながら強みも引き出し合い、どちらも幸せ、という関係を作り出しているんです。何かをしてくれるシステムと、何かをしてもらう人、その役割の間に線が引かれると、相手に対する要求をエスカレートさせてしまうのです。もっと静かに、もっと速く、もっと正確に、と。便利なものに囲まれているはずが、その利便性の後ろには私達の「傲慢さ」や「不寛容さ」を生み出してしまっていることがある。そのような関係性を回復させる試みとして、弱いロボットの研究を進めてきました」
岡田美智男氏/共同研究者 豊橋技術科学大学(ICD-LAB)教授

何かをする、してもらうという「主従関係」だと、徐々にしてもらう方の傲慢さが生まれてしまうという岡田氏。

確かに、どんなに機能性のいい家電を揃えても、次第に、この電気ケトルでもう少し早くお湯が沸かせたら、このスチームアイロンでもう少しシワが伸ばせたら、と、欲を掻いてしまうことはよくある。

そうではなく、お互いの弱さを補い、それぞれの強みを引き出し合うことが、人の幸福状態、すなわち、Well-beingに繋がる。

NICOBOと一緒にいることで幸福や心の豊かさを得られる理由は、大きく分けて以下の3つ。

①自律性…関わることを強制されず、一定の距離感がある
②有能感…関わることで自らの優しさや強みが引き出され、自らの有能感や達成感に繋がる
③関係性…一人ではない、繋がりたい相手と一緒にいる喜びがある

ペットと飼い主のように、世話をするしないの関係ではない、自律したマイペースさ、放っておけない小さな子供のような存在、一緒にいるとほっこりする。

NICOBOは、この自律性、有能性、関係性の3つを満たしてくれる存在なのだ。

NICOBOのこだわり|ちょっと頼りなくて、ほっとけない

NICOBOは、ちょっと頼りなくてほっとけない、手助けした人が笑顔になるようなロボットを目指したという岡田氏。

そんな存在を目指していく上で、開発時にこだわったポイントは以下の4つだと言う。

①並んだ関係
②不完全さや余白
③自分の世界を持つ
④いきものらしさ

一つ目の「並んだ関係」というのは、ペットのように飼う、飼われるの関係ではなく、一緒にコミュニケーションを作り上げていける存在であること。

例えば、家でしか話さない言い回しや、ちょっとした口癖などをNICOBOは少しずつ覚え、片言で話してくれるようになるそう。

二つ目は「不完全さ」や「余白」。NICOBOは、「あのねー」「えっとねー」という風に、どこか頼りない幼児のような舌っ足らずの話し方をする。一緒に暮らしていると、なんだか人間が関わりたくなるような弱さ、不完全さが人の心を動かす。

(寝言は言うけど、時々返事に答えない気ままなNICOBO)

三つ目の「自分の世界を持つ」は、同居人としての程よい距離感を保つ、ということ。かまってかまってではなく、人に依存しすぎない自分のペースを持つ気ままな存在だ。

四つ目は、動物型でもないヒト型でもない、オリジナルな存在であること。ヨタヨタした生命感のある動きが、かわいいいきものらしさを感じさせる。

目標の一つには「ロボットの市民権を得る」ことも

(左 エンジニア 毛見氏、中央 増田氏、右 UXデザイナー 浅野氏)

オンラインセミナー最後の質疑応答では、次々に質問が飛び交った。

Q. NICOBOのターゲット層は?

A. 広く設定しています。まずは、コロナ禍における一人暮らしの方、人と人との接触が減っている方が、昨今のコロナ禍における第1ターゲットです。一方で、家族間でのコミュニケーションがちょっと難しくなっている、という方々にも十分お使いいただけると思っています。もちろん、シニアの方も対象です。
増田 陽一郎氏/パナソニック株式会社 アプライアンス社 スマートライフネットワーク事業部

また、特に印象的だったのが、今後の目標の一つに「ロボットの市民権を得る」ことも考えていると言うUXデザイナーの浅野氏の回答。

Q. このプロジェクトの目指すところは?

A. 「心の豊かさを得る」ことが目指す方向性ではありますが、「ロボットの市民権を得る」ことも、すごく大切に思っています。世の中にコミュニケーションロボットはたくさん出てきていますが、例えば、コミュニケーションロボットと街中を歩いてると、ちょっと変な人として見られてしまう、まだそんな社会だと思うのです。しかし、その人にとっては、心の豊かさを得るための良い手段になっている。心の豊かさを得られる選択肢を広げたい、ということも考えています。
浅野氏/パナソニック株式会社 UXデザイナー

コミュニケーションロボットが普及してきたと言えども、まだまだ人々の心の中には浸透し切っていないのが現状。

NICOBOのプロジェクトメンバーは、孤独を感じる人が多いコロナ禍において、コミュニケーションロボットが人々の心の豊かさを得る手段として、受け入れられるような未来になることを目指している。

NICOBOはMakuake(マクアケ)にてクラウドファンディング中。目標金額は1,000万円だが、2月25日時点ですでに11,540,200円の応援購入総額を得ており、目標を達成している。

リターンの価格は、「早割10%OFF」で35,800円、「早割5%OFF」で37,800円、マクアケ価格で、39,800円。いずれも月額利用料980円が6ヶ月分込みの価格だ。プロジェクトの締め切りは、2021年03月18日まで。

取材・文/ユリサ

新型コロナウイルス対策、在宅ライフを改善するヒントはこちら

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2021年6月16日(水) 発売

DIME最新号の特別付録は「スマホシアタースタンド」! 特集は「理想のワーケーション」、「eスポーツギア」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。