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恵まれた自然が生み出した、美しく力強い〝規格外〟野菜「伊那谷のデコレーションベジタブル」

2021.03.02

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

「伊那谷のデコベジ」が東京のレストランや家庭でも味わえる

丸紅グループの伊那みらいでんきが中心となり発足した「まぁるいみらいへ伊那地域連携推進協議会」による、地域開発商品プロジェクトとして誕生したのが、長野県南部の伊那谷エリアの新ブランド野菜「伊那谷のデコレーションベジタブル」(以下「伊那谷のデコベジ」)。3月31日まで、都内レストランでのメニュー提供と、期間限定のEC商品発売を行っている。

長野県南部に広がる伊那谷エリアは、中央アルプスと南アルプスに挟まれたグランドキャニオンを超える深さを持つ日本一大きな谷。標高が高く宮古島に匹敵する日射量に恵まれているが、夜はかなり気温が下がるため寒暖差が激しく、2週間に1回季節が変わると言われるほどで、1日で25度以上の温度差がある日も少なくないという。

こうした気候からうまみがぎゅっと閉じ込められた、色鮮やかで深い味わいの野菜や野草、野花が育まれる。都会では目にすることができない古来種、間引き野菜、個性あふれる野草が伊那谷では季節の恵みとして食されており、こうした食材への向き合い方を地域特有の価値として伝えたいという想いから伊那谷のデコベジが生まれた。

伊那谷のデコベジを使った料理は、赤坂「NonTitle(ノン・タイトル)」と日本橋「race(リーチェ)」の2つのレストランで、3月31日まで提供される。期間限定のECサイト販売も同じく3月31日まで実施する。

ECサイトの「おうち時間を彩る伊那谷のデコベジHOMEセット」は家庭でも作れるレシピが同封された、「NonTitle」成田寛シェフ監修の「かぶのクラムチャウダーセット」(1980円/2食分、税込み以下同)と、伊那谷「Kurabe CONTINENTAL DELICATESSEN」渡邊竜朗シェフ監修の「伊那谷のデコベジとそば粉のガレット」(2480円)の2種類。

発売に先駆けて行われた試食会にて、伊那谷のデコベジに携わっている丸紅 国内電力プロジェクト部の大久保希美さんと、伊那谷のデコベジ提供旗艦店「NonTitle」の成田寛オーナーシェフに話を伺った。

大久保さんは、入社当初は欧州の電力部隊に所属し、発電所事業や事業投資案件に携わってきたが、3年目の終わりに、自分の手の中で0が1になる仕事をしてみたいと現在の部署に異動。初めての国内出張先が、「今まで名前も聞いたことがなかった」長野県伊那市だった。

「丸紅は伊那市で2000年から三峰川電力株式会社を保有・運営しており、地域のエネルギーを供給してきた深いつながりがあったため、電力事業以外でも社会貢献したいと2018年に丸紅伊那みらいでんきが生まれました。

私はリーガルなバックグラウンドがあったため、電力供給を始めるにあたり契約を交わすミッションで、初めての国内出張として訪れたのが伊那市。ウエブサイトやSNSで調べても全然面白い情報が出てこなくて、きっと何もない場所なんだと、少しがっかりしたことを覚えています。

でも実際に行ってみると印象は一変。『環屋』というコミュニティスペースで、農家の方がシェフから料理スキルを教わり農家シェフとして料理を提供しており、そこでいただいたのがオルトラーナというパスタ。衝撃だったのが、花のついたきゅうりや、河原で摘んできた食べられる花、間引いた小さな野菜などを使っていたことでした。

都会に住む私たちにはそういう状態の野菜は食べられないという固定観念があり、身近で販売されている野菜は、味や形、安定供給といった規格に見合ったものだけで、私たちもそれ以外のものを食べなくなっていると、気づかされました。

農家だからこそ、このタイミングでのおいしさや、その野菜や野草ならではのおいしさを知っており、さらに地域でそれが食されている文化があることに驚きました。伊那谷の人たちは気づいていませんが、これこそが地域ならではの価値ではないかと。資源として発掘して、外部の目線でテコ入れすることによって、多くの方々に伊那市を知ってもらえるツールになるのではないかとこの事業を始めました。

デコベジは単に産直野菜を売るのではなく、他の地域の人が伊那谷を知る、好きになる、行きたくなるという機会を提供するツールとして活用し、デコベジが伊那谷の新しいブランド価値になってくれればいいと思っています」(大久保さん)

「耕芸くく」唐沢億也さん

「大島農園」大島太郎さん、歩さん夫妻

「NonTitle」の成田シェフは北海道江別市の出身。札幌や金沢で現代フレンチのキャリアをスタートし、2010年に渡仏、当時1つ星レストランであった「パッサージュ53」でセクションシェフとして日本人初の2つ星昇格に尽力。ミシュラン2つ星の常連店「jean francois piege」にて2011年にセクションシェフへ抜擢。帰国後、代官山イタリアンでの総料理長を経て、中目黒「NARITA YUTAKA」にてグランシェフに就任。2019年に「NonTitle」をオープンし、現在は同店のオーナーシェフ。

「札幌にいたころ料理に使うため、きのこや山菜を山から採ってくるのが日課で、山菜はそれなりに詳しくなりました。東京では山菜を採る機会も少なく、半年ほど前にインターネットで探している時にデコベジを知りました。サンプルを食べさせていただくと、昔ながらのちゃんと土の味がする野菜で、フランスの野菜もそうでしたが、良い部分でも悪い部分でも野菜本来の味がしっかりとある。子どものころに食べていた野菜の味がして、なつかしいという印象でした。

市場に出回っている野菜は肥料にアミノ酸を入れて甘くて食べやすい野菜が多いですが、伊那谷の野菜はうまみや甘みもあるけれど、野性味というか濃い味を感じます。えぐみがあるものはボイルしたり、生で食べるならしっかりとあく抜きをすればおいしく食べられて、珍しい品種が多いですが使いやすい野菜です。

EC販売用レシピとして考案した『かぶのクラムチャウダー』は、かぶを皮ごと使ったスープ。通常クラムチャウダーは貝の出汁と生クリームを使いますが、こちらは貝の出汁と皮ごと使ったかぶで煮込むレシピに。あく抜きは一切せずに皮ごと使うことで複雑な味わいが出ます。今回使った木曽紫かぶ、野沢菜かぶは特にうまみが強く、少量でポタージュにしてもしっかりと味が出ます」(成田シェフ)

【AJの読み】見た目の華やかさだけではなく、力強く滋味深い味わいの野菜

「NonTitle」で提供されるコースメニューから3品を試食させていただいた。3品だけでも25種類の伊那谷のデコベジを使っているとのこと(注※デコベジの種類や料理内容は仕入れによって異なる)。「NonTitle」はペアリングにも特化しており、今回は近年シードル文化が盛んになっている伊那谷のシードル3種を試食会用に特別に合わせた。

〇ヴィシソワーズヴィオレ

伊那谷のポワローネギと紫じゃがいもを使ったヴィシソワーズ。通常はブイヨンを加えるが、今回はシンプルに水と牛乳だけで作っている。最初にポワローネギをしっかりと炒めて、蒸しあげた紫じゃがいもをつぶしながら加えて、味付けも塩のみで、水と牛乳で炊き上げた。紫じゃがいもだけだと青ぽい色になるためビーツを加えて鮮やかなすみれ色のポタージュに仕上げ、紫じゃがいもを素揚げしたポテトチップを花びらのように散らせた。

優しい味わいだが、野菜の味が濃いのでブイヨンを入れていないのにしっかりとうまみを感じる。

アミューズのヴィシソワーズヴィオレには伊那市横山のカモシカシードル「La 2e saison Doux 甘口2019」を合わせた。第2シーズンの9月~10月に収穫された少し酸味のあるリンゴを3~4種類ブレンド。甘口だがアルコール度数も高く(8%)、酸味のあるりんごを使っているのでさっぱりとした味わい。カモシカシードル醸造所は、醸造だけでなくお酒に適したリンゴを自家栽培している。数々の受賞歴がある注目のシードルメーカーだ。

〇伊那谷の彩サラダ

伊那谷の野菜だけで構成されたサラダ。にんじん、ビーツ、アスパラと菜の花を掛け合わせたオータムポエムなど、その日に仕入れたデコベジの種類に応じて15~20種類の野菜、野草を宝石箱のようにお皿にあしらった一品。

生をスライスしたもの、ボイル、蒸したものなど味や食感、色彩を最大限に引き出す方法で調理。蒸したビーツはほくほくの食感と甘味があり、糖度の高いとうもろこしのような味わいに。同じビーツでもボイルとは味や食感が全く異なる。素材の味を活かせるように、ビネガーとバターを絡めたあっさりした味のドレッシングで。

合わせるシードルは下伊那郡松川町のVinVie(ヴァンヴィ)シードル。自社畑で育てたリンゴ、ブドウを使ってシードル、ワインを製造している。シードルは数種類のリンゴを使用した辛口でキレがある。素直なリンゴの味と香りを楽しみつつ、野菜の味を引き立てるシードルは、伊那谷のデコベジとのペアリングとして完璧な相性。

〇マグロのカツと伊那谷野菜の食べるドレッシング

マグロのカツと、伊那谷の野菜のピクルスドレッシングを合わせて、上に卵を散らしたミモザ風の魚料理。周りには浅漬けにしたピクルスを。マグロカツと、ドレッシングやピクルスのほどよい酸味の組み合わせもさわやかな、味も見た目も春らしさを感じる一品。

合わせるシードルは、ASTTAL(アスタル)の24種類のリンゴがブレンドされた力強い味わいが特徴の「伊那谷シードル2017年24ブレンド」。シードルは食前酒として飲まれることが多いが、食事に合うように作られたのが24ブレンドだ。

A STEP to THE ALPS(=ASTTALアスタル)」 は、山と自然を活用して伊那谷の活性化を目指す取り組みで、地域の飲食店の店主が集まって伊那谷の料理に合うシードルを作ろうと立ち上げた。台風被害で落果したリンゴや、形が崩れたリンゴを有効活用してシードルにしている。

華やかな見た目の伊那谷の野菜だが、普段食べている野菜とは異なる、甘みやうまみだけでなく苦みも感じ、成田シェフの「土の味がする」という表現がまさにぴったりな、力強く、滋味深い味わいがある。伊那谷のデコベジを味わえる貴重な機会なので、レストランやお取り寄せでぜひ試してしてほしい。

文/阿部純子

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