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従来姿勢に変化?日銀によるETF買い入れが意味するもの

2021.03.02

三井住友DSアセットマネジメントはこのほど、同社チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏による市場動向解説「市川レポート」の最新版を発行した。詳細は以下の通り。

TOPIXの前場終値が前日終値から0.5%下落するとETFを買い入れる日銀の従来姿勢に変化

1月13日付レポート「最近の日銀ETF買い入れ動向」では、日銀がコロナ・ショックに起因する株価の変動を受け、ETFの買い入れ額を柔軟に調整し、対処したことを説明した。具体的に、1回の買い入れ額の推移をみると、2020年の年初は702億円だったが、コロナ・ショック後の3月下旬には2,004億円まで膨れ上がり、その後は株式市場の持ち直しとともに減額が進み、2021年の年初は501億円となった。

また、同レポートでは、ETF買い入れのタイミングも確認した。2020年1月6日から2021年1月12日までの期間について検証したところ、地合いが大幅に悪化した日などを除き、日銀は東証株価指数(TOPIX)の前場終値が、前日終値から「0.5048%」以上、下落すると、ETFを買い入れる傾向があることが分かった。しかしながら、最近では、この傾向に変化がみられるようになった。

日銀は2月18日と19日、約5年ぶりにいわゆる0.5%ルールに従わずETFの買い入れを見送った

前述の検証期間後、2021年1月13日から2月22日までの期間について、改めてTOPIXの前日終値から前場終値までの騰落率と、日銀によるETF買い入れの有無を比較したものが図表1だ。

これをみると、2月18日と19日は、TOPIXの前場終値が、前日終値から「0.5048%」を超えて下落したにもかかわらず(それぞれ0.5368%、0.7570%の下落)、日銀はETFの買い入れを見送った。

日銀が、2021年2月18日以前、いわゆる「0.5%ルール」に従わず、ETFの買い入れを見送ったのは、2016年3月18日までさかのぼることになる。つまり、日銀は約5年にわたって、0.5%のTOPIX下落率(前日終値から前場終値)を目安に、ETFの買い入れを続けてきたことになるが、ここにきて、日銀はそのルールを変更する可能性を示唆した。

リスクプレミアムは縮小傾向、ETFの柔軟な買い入れ方針明示なら目標金額撤廃でも混乱回避

日銀は、株式市場のリスクプレミアムに働きかけるため、ETFの買い入れを行っているが、リスクプレミアムが具体的に何かは開示していない。

ただ、雨宮副総裁の2019年5月の発言によれば、株式益回りと国債利回りとの差であるイールドスプレッドなどをリスクプレミアムの計測に参照していると推測される。そこで、イールドスプレッドの推移をみると、足元では縮小傾向がうかがえる(図表2)。

なお、日銀は現在、金融緩和の点検を行っており、その結果を3月18日、19日の金融政策決定会合で公表する見通し。現在、ETFの買い入れは目標金額(年間約12兆円相当の残高増加ペースが上限)が設定されているが、リスクプレミアムが縮小するなか、柔軟な買い入れ方針が示される限り、3月の会合で目標金額が撤廃されても、市場に動揺が広がる恐れは小さく、また、足元の0.5%ルールに従わない行動は、事前の打診とも受け取れる。

出典元:三井住友DSアセットマネジメント株式会社

構成/こじへい

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