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営業改革に成功した企業を表彰する「プロセスマネジメントアワード」でグランプリを受賞したユヤマに学ぶ商談展開力と営業スキルの底上げ

2021.03.02

毎年恒例の「プロセスマネジメントアワード」。営業改革に成功した企業が集い、そのグランプリを決めるイベントが、昨年はコロナ禍の中、2020年12月4日(金) にオンラインで開催された。そのグランプリに輝いた株式会社ユヤマの営業改革の取り組みの概要を紹介する。

「プロセスマネジメントアワード2020」とは

一般財団法人プロセスマネジメント財団による「プロセスマネジメントアワード2020」は2012年度から実施されているアワードイベントだ。「営業プロセスマネジメント」を実践している企業がその成果を発表する機会となる。

営業改革に取り組んでいるがなかなかうまくいかない、という人々にとって、業界を超えた営業のセオリーや営業改革の成功法則を、よりリアルに知ることができる機会として好評を博している。

当日は、このアワードにファイナリストとして選出されたアルプスシステムインテグレーション、IvoclarVivadent、NDIソリューションズ、オハヨー乳業、京王観光、ユヤマ、YJKホールディングスの7社が登壇し、最終的にユヤマがグランプリに輝いた。

グランプリを受賞したユヤマの営業改革

グランプリに輝いたユヤマが取り組んだ営業改革とはどんなものなのか? またどのような経緯で成果を出したのか? その概要を見ていこう。

ユヤマは、大阪府豊中市に本社を持つ、調剤機器・設備・システム・電子カルテなどの開発・製造を行う湯山製作所の販売会社であり、従業員数630名の企業で、全国に拠点を持つ。

今回の講演タイトルは『商談展開力を身に付け、お客様に価値を提供せよ!営業スキル底上げへの道のり』だ。

1.営業スキルの標準化が急務に

近年、医療業界が激変する中で、主な顧客である調剤薬局のニーズが多様化し、個別の事情を理解した提案、すなわちソリューション提案力が必要になってきた。

しかし商談の展開が無数にあるソリューション提案は非常に難しい。営業パーソンには商談の展開を予測し、準備し、柔軟に対応する力が求められるからだ。

しかし、これまで同社の営業マンは現場で経験を積み、感覚でスキルと身に着けてきたため、教育体制が整っていなかった。これまでのように若手が自力で課題を解決して経験を積むのを待つ余裕もない。これらの事情から、営業スキルの標準化が急務となった。

そのような中、2018年から受講しているプロセスマネジメント大学の講座のノウハウを用いて営業改革を行った。

2.オリジナルツール「営業虎の巻」の制作

プロセスマネジメント大学で学んだ「分ければ解かる」というスキルに従って考えてみたところ、あることに気づいた。無数にあると思い込んでいた商談パターンも、過去の事例を振り返れば「よくあるいくつかのパターンに分けられるのではないか」ということだ。

そこで作成したのがオリジナルツール「営業虎の巻」だ。

数百ある商談の展開をニーズごとに分解し、よくある商談の展開を5つにパターン化。そして「よくある商談の展開のパターン」に対する提案を設定し、各パターンに対して最適なトークスクリプトを設定した。

3.インプットとアウトプット研修の両立により成果を出す

営業虎の巻をインプットする研修とともに、ロープレのアウトプット研修も行い、両立させた。この2つを交互に繰り返すことで、学びと実践の相乗効果を得ることを狙ったという。

営業改革において、ユヤマが取り組んだ課題は「アプローチ・ヒアリング」「事前準備」「見積依頼の取得」「プレゼン」の4つ。このうち、「アプローチ・ヒアリング」で重要なのは顧客個別の課題を発掘した上で提案ができること。若手営業マンにこのスキルを習得してもらうため、営業虎の巻とロープレを実施した。

2018年当時入社2年目だった営業2課のS君は、ニーズを聞き取る力がなく、案件を発掘できないことが原因で売上が伸びず悩んでいたが、このインプットとアウトプットの研修が身を結んだ。S君はアプローチとヒアリングの際、背景を掘り下げ、顧客のニーズを聞き出せるようになり、会社が重点を置いている新商品を4台受注。新規開局案件も2件進捗中だという。

「学ぶ」と「実践する」のサイクルにより 「わかったつもりで終わらせない」研修が効いた。本人も「知識だけでなく、話し方、そして聞き方を学ぶことができたことも大きかった」とコメントしている。

4.社内へと展開

S君の課題実践後、早速、社内に展開した。資料の配布だけでなく、ロープレの実施方法も案内し、全国60の拠点で実施。この活動により、虎の巻で公開した当時の最新機種に関して「運用をヒアリングしてニーズを引き出すトーク」を定着させることができた。

売上・利益ともに 4ヶ月連続100%以上を達成するなど、大きな成果を出した。

5.他の3つの課題も解決

その他の課題であった「事前準備」「見積依頼の取得」「プレゼン」についても解決策に取り組み、それぞれ成果を挙げた。

ベテラン営業マンの平均的な見積提出率は10%であったのに対し、若手営業の4人中3人がベテラン営業の見積り提出率を超える成果を出すなど、数値でも成果が出た。

ユヤマはこうした取り組みと成果を受け、「プロセスマネジメント活動に終わりはない」「課題を解決するたびに新たな課題が生まれるが、『それは標準化できないだろう」という壁は絶対に超えられる」と確信。プロセスマネジメント活動の改善・定着を目指す。

研究メンバーによる講評

一般財団法人プロセスマネジメント財団とソフトブレーン・サービス株式会社は、東京大学、筑波大学と共同で、トップセールスが感覚的に行っている「売れる営業手法」を分析し、成果を出すための共通因子を研究、明らかにするプロジェクトを推進している。

その産業連携共同研究メンバーの一人である筑波大学 ビジネスサイエンス系 佐藤秀典准教授は、今回のプロセスマネジメントアワード2020の全体の発表について、次のように講評した。

「本質・コアとなる部分は例年と共通しているところはありつつも、本年度ならではの特徴あるのではと感じました。その一つは、実践面、定着面がかなり強調されていたという点。例えば、ロールプレイング。これも徹底的に行うことによって型を定着させていくことや、組織内で制度を変更することによって実践をより促していくという取り組みが紹介されていたかと思います。

頭では分かっていてもなかなか実践には活かしていけないことや、中心となるメンバーの異動、退職により風化していってしまうことが少なくない中、こういった課題に対して、組織の取り組みとして非常に参考になるお話がいただけました。

もう一点、コロナの影響がある中での対応も、本年の発表の特徴かと思います。直接の訪問や対面営業がむずかしくなり、大きな影響があったかと思います。こうした大きな変化の状況の中、みなさんの努力というのは当然ありますが、それに加えて、プロセスマネジメントの考えに基づいて行動することが有効であるとも感じています」

営業課題と共に、コロナ禍による環境変化で営業部門は大きな変化、改革を求められている。プロセスマネジメントは一つの解決策として有用であるといえそうだ。

【取材協力】
株式会社ユヤマ
http://ys.yuyama.co.jp

取材・文/石原亜香利

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