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ニューノーマルのお墓のカタチとして定着するか?引っ越し可能なマンション型のお墓「のうこつぼ」

2021.03.06

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

「お墓を簡単に引っ越しできる」という時代に合った墓参りの形を提供

新型コロナウイルスで、生活スタイルのさまざまな変化が余儀なくされているが、お墓参りにも新型コロナの影響が及んでいる。帰省がままならならず墓参りに行けない状況下で、VR ゴーグルを使ってお墓参りができる「VRお墓参り」や、タクシー会社による「代行お墓参り」など新しいサービスも生まれている。新型コロナの影響に加えて、少子高齢化、ライススタイルの変化によって、墓の在り方にも変化が起き、墓や墓参りの考え方も多様化している。

墓参りのために多くの出費と時間を要する遠く離れた場所ではなく、お骨を複数ヵ所に分けて、住んでいる場所の近くに納骨する「分骨」という考え方もそのひとつ。お盆や正月以外でも日常的に墓参りができるため、三密を避けることできる、故人を身近に感じるなどメリットが大きい。

マンションタイプで引っ越し可能な墓を提供する「のうこつぼ」は、全国166ヵ所のお寺と利用者のマッチングができるポータルサイトを運営し、家の近くでの納骨が可能になるサービス。新型コロナウイルスの影響で遠方への外出を控える中、「お墓を簡単に引っ越しできる」という時代に合った墓参りの形を提供する。

「東京在住の地方出身の方の場合、お墓参りにお金も時間もかかり頻繁には行けないと、新しい墓を建てるよりも、墓じまいを考える人が増えてきている。のうこつぼはこうしたライフスタイルやお墓に対する意識の変化を背景に、“お墓のマンション”という発想から始まった。

今は、家も代々受け継ぐ資産ではなく一代限りの資産という捉え方の人が多いと思う。お墓も同様に、継承していくものから、管理しやすいものになっていくのではないか。一昔前は生まれた場所で育ち、生まれた場所で死んでいくということが多かったが、グローバルな時代となった現代は子供たちもさまざまな場所に住んでいる。今は分骨という方法もあり、お墓も一つの場所にという時代ではなくなった。

実家から離れた場所に住んでいるとお盆と正月ぐらいしか墓参りには行くことができないが、昔は散歩の途中に手を合わせるというような、お墓が住まいの身近にあった。私たちは新しいことをやっているのではなく、一周周って、本来のお墓の姿に戻した形にしたと考えており、住んでいる家の近くに墓があれば、いつでも墓参りに行くことができる。

墓じまいをするにも高い費用がかかるが、のうこつぼは賃貸マンションのような感覚で、申し込めば今日から入居が可能となる。また、のうこつぼを購入した方が引っ越しされた場合、のうこつぼも移動もできる“のうこつぼの引っ越し”も可能。今後は使っている時だけ定額を支払うサブスク的なプランも実現したいと考えている」(「のうこつぼ」代表取締役 永田康高氏)

お墓は新規購入が90%近くを占めているが、「のうこつぼ」は都内であっても新しいお墓の購入価格は一檀49万8000円(税別)。霊園や納骨堂と異なり、お寺が見守る安心感のあるお墓を低価格で提供している。

同社は2016年から各地に足を運び寺と交渉を重ね、2021年2月現在、国内166ヶ所のお寺とハワイのホノルルシティ記念公園内に、集合型のお墓「のうこつぼ」の建設提携を実現。約3300部屋のお墓を提供している。(※下記画像は上から横浜市の東漸寺、大田区の萬福寺、ホノルルシティ記念公園)

宗派、国籍を問わず利用できるが、宗派の違うお寺への納骨、無宗派の納骨など、お寺との話し合いが必要な場合は、同社のコンサルタントが住職と顧客の間に立ちサポートする体制も整えている。

「お墓を扱う業者は地域密着が主体で、お寺に払う金額や墓石の価格が生活者にはわかりにくく、ユーザーと業者に大きな溝があった。弊社が全国一律49万8000円を謳うことで、今までのお墓に対するイメージを変えていきたいという想いもある。

ネットの普及でユーザーの声が届くようになり、この業界に限らずユーザーファーストの潮流になっている。お墓にもお客様目線が必要になっている中で、お寺のご住職も考え方が変わってきている。のうこつぼも最初は難色を示す方もいらしたが、我々が丁寧に説明を重ねていくことで理解を得られて、毎月、参画いただけるお寺の数が増えてきている」(永田氏)

「のうこつぼ」を建設した信法寺(神奈川県大和市)は地域に密着し、正しいご供養の仕方や仏教をわかりやすく伝えているお寺として地元の方に親しまれている。昨今のお墓事情や「のうこつぼ」建設について、住職の大谷慈通氏はこう話す。

「地方から移住している団塊世代は核家族であり、お墓に対する思いが先祖代々というよりは、“自分たちが入るお墓” という考えになっている。核家族化、少子高齢化により“先祖代々の墓を持つこと”や“それらを護ること”が困難になっている背景の中、子孫に迷惑をかけたくないという団塊世代全般に渡る考えが、新しく墓地を求めることに対する不安に繋がり、墓離れを助長していると考えている。

実際にここ数年、従来の墓地の申し込みは激減しており『のうこつぼ』のようなお墓があればという思いがあった。『のうこつぼ』は寺の墓地であること、ひとりでも入れること、合祀ではない永代供養であることが檀家の方々に受け入れられ、希望する方も増えてきている。

従来型墓地未満、永代供養墓以上、つまり大きなお墓は護っていけないけれども永代供養墓のような合祀に抵抗がある、という方の需要にも非常に合致していたので、『のうこつぼ』建設後は新しく檀家になる方への提案の幅も非常に広がったと感じている」(大谷氏)

【AJの読み】お墓は護りたいが、お墓参りの負担は減らしたいという人に新たな選択肢

お墓から遠く離れた場所に住んでいると、帰省を兼ねてお墓参りをするならまだしも、実家には誰もいない状況でお墓だけがある場合は、金銭的にも心理的にも負担は大きくなる。私も一人暮らしだった実家の母が亡くなった際に、父と弟が入っていた墓を墓じまいした。遺されたのは私一人で、子供にも負担を掛けたくなかったので、三人の遺骨はダイヤモンド化して自宅にある。

しかし故人を偲ぶ場としてお墓は必要だと考える人も多いだろう。「のうこつぼ」のように自宅の近くにお墓があれば、確かに墓参りの負担が少なくなり、自身が引っ越しした際も移動できる利便性は時代にマッチしている。ニューノーマル時代の新しいお墓の形として、お墓は護りたいがお墓参りの負担は減らしたいと考える人に、新たな選択肢となるのではないだろうか。

文/阿部純子

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