「スチーム生食パン」って何?韓国で話題のミルトーストから着想を得た新感覚の生食パン専門店「STEAM BREAD EBISU」
2021.02.27■連載/阿部純子のトレンド探検隊
韓国の蒸し食パン「ミルトースト」から着想を得たスチーム生食パン専門店
日本初のスチーム生食パン専門店「STEAM BREAD EBISU (スチームブレッド エビス)」が、恵比寿駅から徒歩2分の場所にオープンした。テイクアウト専門で、ニューノーマルに合わせて、店頭受取は予約から決済までオンラインで完結。オンラインショップも併設している。
韓国で話題になっている蒸気で焼くパン専門店「ミルトースト」から着想を得て、日本人好みの食感、味、風味の食パンを開発。低温長時間発酵と生地に水分を多く含ませることで小麦の甘味と香りを引き出し、パンの焼成の工程で蒸し焼きを入れることで、もっちりしっとりとした食感を生みだす。メインとなる食パンは3種類で展開(価格はすべて税別)。
◎大人の生#スチパン(1.5斤/800円)
同店の看板商品。国産小麦、北海道産生クリーム、国産練乳、純粋はちみつを使った生食専用の食パン。電子レンジで10~15秒程度加熱するのがおすすめ。冷凍の際は3~4時間ほど自然解凍してから、約1分電子レンジで温める。解凍した当日はそのままで、2日目以降はレンジで温めたり、トーストしたりと様々な食感を楽しめる。
◎焼いておいしいトースト#スチパン (1.5斤/700円)
食パンの生地にグレープシードオイルを練り込むことで、トーストすると表面がカリカリ、中はふわふわの食感に仕上がる。バターやオリーブオイル、あんこなどと合わせてもおいしく、アレンジトーストにもぴったり。
◎至極のクリームチーズ#スチパン (1.5斤/1800円)
生食パンに国産クリームチーズをたっぷりと練り込み、もっちり、しっとりとした食感、ほんのりとした甘さが特徴のリッチな食パン。ワインにもよく合う。
店頭受取のみのメニューの「毎日食べたい大満足チーズオムレツパン」(650円)は、ふわとろの半熟卵を食パンでサンドしたボリューミーなサンドイッチで、見た目もかわいらしいインスタ映えも。「濃厚太巻きソフトクリーム」(320円)は、北海道生乳をメインとした素材の風味と濃厚な味わいが特徴の太巻きソフト。人間の舌で認識できる粒子サイズよりも小さい氷結晶で、なめらかで口の中でじんわりと溶ける心地よい食感。
店頭、オンラインで扱っている「恵比寿生ラスク」(200円)は、「大人の生#スチパン」を厚めに使って作ったラスク。サクッとしながらも、噛んでいるとモチモチしてくる新食感で、生クリームがリッチに香るラスクに仕上げている。
【AJの読み】クリームチーズ#スチパンは求肥のようなもちもち感
スチームブレッド エビスを運営するアシスネットはエステや温浴事業を手掛けているが、新型コロナの打撃を受けて、テイクアウト専門店でコロナ禍でも対応できるビジネスモデルを確立したいと、食パン業界に異業種参入することになった。今後はボランタリーチェーンとして全国展開も視野に入れているという。
同店のコンセプトは「#食パンをもっと多様に」。従来の高級食パンのターゲット層である40代以上やファミリー層以外の若い世代にもアピールしたいと、トレンドを発信する場所として恵比寿を選び、店舗の外装も従来の食パン専門店とは一線を画す雰囲気に仕上げている。
テイクアウト専門で、ネット上で注文、決済を済ませて受取時間を最小限にするシステムを導入。予約なしでも商品があれば店頭で直接購入(現金も可)できるが、テスト販売期間中は10時オープンで昼過ぎには完売していたとのことで、予約注文をした方が確実。
オンラインショップも併設しており、マイナス40℃で瞬間冷凍できる機械を導入、焼きたてと遜色ない香りと味の商品を提供する。とくに、持ち帰りに長時間かかる場合、風味が飛んだり、つぶれてしまう可能性もあるので、オンラインでの購入もおすすめだ。
3種の食パンとオムレツパン、ラスクを試食した。クリームチーズ#スチパンは、今まで体験したことがないくらいのもちもち感で、食パンというより「求肥」に近い食感。甘みもあり、何もつけずに食べてもおいしい。個人的に気に入ったのがラスク。カリカリとした従来の固いラスクとは異なる、外はかりっとしながら中はもっちりとしている新しい感覚。小腹が空いたときのおやつとしてもぴったり。
文/阿部純子