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脳卒中後のリハビリに有効な脳波をとらえる外骨格型ロボットを開発、米ヒューストン大学プロジェクトチーム

2021.02.24

脳波を捉える外骨格型ロボットが脳卒中後のリハビリに有用か

脳卒中を経験した米テキサス州ケイティーに住む61歳のKen Allsfordさんは、肘を動かそうと気持ちを集中させた。

すると、左腕に装着した外骨格型ロボットが、言葉に出していない彼の指示に従い不自由な腕を動かした。

そのときのことについてAllsfordさんは、「胸が躍ったが、同時に不安もあった。何も起こらない可能性もあったからだ。しかし、自分で動かしていないのに腕が動く様子を見て、かなり興奮した」と振り返る。

この外骨格型ロボットは、脳と機械を直接つなぐブレイン・マシン・インターフェース(Brain-machine Interface;BMI)の一種である。

Allsfordさんは、米ヒューストン大学の非侵襲的ブレイン・マシン・インターフェース・システム研究所のJose Contreras-Vidal氏らが実施した、脳卒中患者のリハビリテーションに対するBMIの有用性を検討するためのプロジェクトに参加していた。

このプロジェクトでは、外骨格型ロボットを使ったセッションを12回以上受けた10人(41〜71歳)の脳卒中患者のうちの8人で、臨床的に有意な腕の動きの改善が認められたという。詳細は、「NeuroImage: Clinical」に2020年11月19日に発表された。

Contreras-Vidal氏らが開発したこの新たなデバイスは、脳波を介して患者の体を動かそうとする意思を捉え、ロボットにそれを伝えるもの。

同氏らは、研究参加者の頭に、脳波を測定する帽子型の装置を装着し、動作をコントロールする脳領域をモニタリングした。

研究参加者にはまず、肘を曲げたり伸ばしたりする動作をイメージしてもらい、次に無理のない範囲で実際にその動作に挑戦してもらった。

この方法では患者は動作を意識しながら療法に関わることが求められる。そのため、脳の適応が促され、機能の改善につながるのではないかと研究グループは考えたのだ。

実際、療法士が動作の指示を出し、それを患者が実行しようとすると、デバイスが患者のその意思を伝える脳波を捉え、外骨格型のロボットが要求通りに肘を動かしたという。

Contreras-Vidal氏は、「参加者の80%で改善が認められた。また、セッション終了後2カ月以上が経過しても、ほとんどの患者で機能の改善が維持されており、その改善効果は長期にわたって持続する可能性が示された」と成果を述べている。

Contreras-Vidal氏によると、脳卒中後に麻痺が残った患者では、脳の配線を再編成して自分の意思で手足を動かせるようにするために、手足を繰り返し動かす理学療法が効果を示すことは珍しくない。

近年、このような理学療法にロボットが取り入れられるようになり、患者が疲労を感じることなく手足の特定の動作を訓練できるようになった。

しかし、ロボットを利用した理学療法の有効性に関しては、一貫した結果が得られていないという。

Contreras-Vidal氏は、「このようなロボットを利用した療法には、利用者が意識を集中できていないと、ロボットが使用者の意思を捉えることができず、単なる受動的な動作をするにとどまってしまうという落とし穴があった」と指摘する。

しかし、麻痺した四肢に指令を送ることができるようになるまで脳の回復を促すには、受動的な動きだけでは不十分だった。

米マウントサイナイ・ヘルスシステムのDavid Putrino氏も、「脳からの指令がないままロボットの利用を繰り返してもメリットはあまりない」と指摘。

「患者には反復動作を何百回とやってもらいたい。だが、その際には、何も考えずに動作をするのではなく、動かそうと意識しながら行う必要がある」と説明する。

Putrino氏は、「今後、人間あるいはロボットによる標準的な理学療法と、今回報告されたBMIを組み合わせた理学療法を比較する研究を実施する必要がある」と話している。(HealthDay News 2021年2月2日)

Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2213158220303399

Press Release
https://uh.edu/news-events/stories/2021/january-2021/01122021contreras-vidal-stroke-bmi.php

構成/DIME編集部

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