
1月下旬から日本にも本格上陸し、いまや世界中で話題になっている音声SNS「CLUBHOUSE」。招待制とあって、日本でも100万ユーザーに迫ろうとしていますが、まだ誰もが使っているものとまではなっていません。すでに地上波のニュースでも何度も取り上げられるレベルになっているアプリで招待を待っている人も多いかもしれません。そんなアプリ、実は入ってから気づいてしまう「しまった」という事実もあるのです。
まだ使っていない人は「乗り遅れた」ではなく、より安心して使うための工夫が「まだ間に合う」ラッキーな人なのかもしれません。
今回は、そんな使う前に知っておいたほうがいいポイントをご紹介します。
1.CLUBHOUSEの利用にはiPhoneの電話番号が必用
CLUBHOUSEはiOSアプリで利用する音声SNS。自分の電話番号を知っている友人や知人がアプリ上で招待を行うと、iPhoneのメッセージに参加可能なリンクが届くことで参加できます。逆に、自分で先にアプリをAppStoreからダウンロードし、登録しておく。すると自分の電話番号を登録している友人にはあなたが参加希望している旨のメッセージが通知され、それに承認してくれると参加できます。
LINEやInstaglamのメッセージ機能などを使ってコミュニケーションを取っていると、iPhone本体に電話番号をいれている人は少なくなっている人も多いのが実情。
Androidへの対応は現在進行形で準備されていますが、ここ1~2か月以内にというのは期待薄です。どうしても使いたい方で、iPadを持っているならば、一旦Android端末にメッセージを送ってもらい、そのリンクをiPadから使ってアプリをダウンロードすれば使えます。
2.招待制の「誰から誘われて入った」かはずっと可視化される
招待制のSNSはこれまでにもありましたが、CLUBHOUSEの場合はその招待者が自分のプロフィールページの下に「Nominated by ●●●」というように誰の招待でCLUBHOUSEに参加されたかが提示されています。
招待の権利がネット上で売買されていますが、CLUBHOUSEの規約違反であるだけでなく、その招待者が売買していることばバレた場合、自分のプロフィールも汚れてしまいます。一時の誘惑に負けて購入しないで!
3.加入後すぐは2人までしか招待できないけれど、使っているとどんどん増える!
CLUBHOUSEの招待枠は、スタート時に渡されるのは2人です。これは使っているうちにどんどん増えていきます。
招待するには、アプリ上部に表示される封筒マークから行います。iPhone本体の連絡先に電話番号があるものと連携する必用があるので、まずは携帯電話番号の登録を先にする必要があります。
4.招待する相手はよく考えないと、違反行為は連帯責任
もし招待した人が何らかの違反行為を行った際には招待者も連帯責任となります。違反行為に該当するのは、例えばCLUBHOUSEの利用中に音声の録音機能を使って録音すること。これは行おうとすると警告メッセージが表示されます。
違反行為の例は、18歳未満での利用、音楽など著作権のあるコンテンツを流す、差別・誹謗中傷などを行うなどがあります。
5.自分の携帯電話番号を知っている人には、CLUBHOUSE加入は丸わかり!
CLUBHOUSEの加入のキーが携帯電話番号になっていることで、iPhoneの「連絡先」に入っている人がCLUBHOUSEでアカウントを持っているかどうかはすぐにわかってしまいます。これは逆も同じで、自分がアカウントを持っていることはすぐにわかってしまいます。どうしても見つけてほしくない相手がいる場合は、相手のアカウントをブロックすると、相手のフォローからはずしたり、自分がスピーカーとして登壇しているルームを相手には非表示にし、入室できないようにできます。
自分のアドレス帳のなかで参加済の人は「Joined」と表示されています。これは自分が招待していない人のものも見えてしまいます。
6.「ルーム」で積極的にコミュニケーションするのが正しい使い方
CLUBHOUSE内では友達とだけのクローズドの会話もできますが、やはり楽しむならばオープンの「ルーム」に入ること。さまざまなテーマでの会話が行われています。聞くだけの参加も可能ですが、画面したの手のアイコンを押して「手を挙げる」と、入室して話をしたいという意思表示になり、相手が承認した場合参加することができます。
例えばある「京都」がテーマのルームでは、京都生まれや京都への移住の人、京都が好きな海外在住の人が京都の美味しいもの、おすすめのスポットについて情報交換をしていました(※京都のルームの紹介をする旨は、了承を取っています)。
ただ、ルーム内での具体的な会話を外に漏らすのは、参加者の了承を取らない限り基本的にご法度。残念ながら内部の話をもらした記事も出ていますが、最大5000人だけが共有できる秘密として心に留めておきましょう。
7.面白いルームとの出会いはフォローリスト次第
盛り上がりを見せる一方で、早くも「面白くない」「飽きた」という声も聞かれています。面白いルームに出会えるかどうかは自分がどんな人をフォローしているかが重要となってきます。
一部「相互フォロー部屋」「フォロワー○人達成」など、フォロワーを増やすことを目的にしたルームが作られていますが、これは百害あって一利なし。まず、趣味嗜好に共通項がない人もフォローし合うため、あなた向けにリコメンドされるルームの内容がそういったたぐいの部屋が多くなってしまい、自分の興味にマッチしないもので埋まってしまいます。また、相互フォローのために部屋を増やす行為は利用規約でも禁止されており、そういったルームの立ち上げや利用はアカウント停止の対象となります。さらに、自分のフォロワーが数が増えてたくさんの人とつながったとして、いざ自分が何かのテーマのルームを始めたときに、本当に聞いてほしいターゲットとなる人に提示されず、集客できない可能性もあります。
8.既に著名人の偽物が勃発中
CLUBHOUSE参加者のなかには著名人の本人だけでなく、ものまね芸人さんやファンが遊びでやっている場合もあり、写真や声が著名人のものでも、プロフィールを開いて確認すると別人なんてことはよくある話。さらに困ったことに、偽IDで活動している例も増えています。
著名人では片岡鶴太郎さんのように所属事務所が公式に「CLUBHOUSEに存在する人物が本人ではない」と否定した例も出ており、今後も増えるかもしれません。
9.会話が行われる「ルーム」の定員オーバーで聞けない話もある
ドラマで活躍する憧れのあの人が「CLUBHOUSE始めました!」というので参加したものの、いざその人がスピーカーとして話をしているルームに入ろうとすると、あれ?入れない! それは、「ルーム」には同時に聞ける人数の上限が設定されているから。だいたい5000人(同時に入った場合に5200人まで入っていた例もあり)で打ち止め。それが世界中で使われいるSNSのなかなのですから、その争奪戦といったら! いまはまだ瞬間まではいっていないものの、今後はさらに争奪戦が厳しくなると思われます。
10.プロフィールの名前変更は1回のみ
英語で申請するため「First Name(名前)」「Family Name(苗字)」の順に入力しますが、ルームに入ったときに表示されるのは名前のみです。また、変更は1度きりしかできないので、本名で使うか、ネット上での名前で使うかは事前に決めておくのがおすすめです。また、「First Name」に登録した名前がルームに入室した際に優先表示されるので、あえて逆にして苗字にするなど、どちらで表示したいかを考えて登録しておくといいでしょう。
11.CLUBHOUSEからの退会には英語で申請しなくてはならない
一般的なアプリでは「退会」の項目がありますが、このSNSにはそれをアプリ上でできる機能はなく、運営元にメールで申請しなくてはならないです。それも、英語で。「つい会社から支給されたiPhoneで登録しちゃったけど、まずい! 退会しなくてはー」となっても、申請の手間と英語力、そして時間が必用です。世界中の退会申請をe-mailで受けているという状況、理解できますよね? 早急な対応は期待できないので、ご注意を。
12.アプリのアイコンは定期的に変わる
CLUBHOUSEのアプリの目印となるアイコンですが、定期的にそこに登場する人物が変わっています。1月時点ではBomani Xというミュージシャンでしたが、2月の現時点ではAxel Manaoorに変わっています。彼は西海岸標準時の毎晩9時に「the Lullaby Club」というルームで皆がよく眠れるように歌っています。彼のそんな活動を覗くには、彼を見つけてフォローすること。
2021年1月の日本に本格上陸した時点のダウンロードページ。
2021年2月11日時点のダウンロードページ。自分が見た記事とアイコンが違っても、同じアプリなので、そこはご留意を。
そして、実はCLUBHOUSEはまだβテスト中、つまり、正式リリースの前の段階なのです。そのため、毎週のようにアプリの改善が実施され、サービスの変更が行われている段階。そのため、創業者の2人が毎週末にTOWN HALLというルームを立ち上げ、新たな変更点や今後の展望、送られてくる質問について答えています。まさに現在進行形で急速に作られているSNSなのです。
いずれも2月上旬時点での状況なので、毎週のように行われる機能改善によりアップデートされ、変わっていく可能性もあります。あくまでも無料のサービスで、自分でカスタマイズしながら、使うこと。
これからどんな音声SNSになっていくのか、少なくとも2021年上半期のヒットサービスなのは間違いないですね。
取材・文/北本祐子
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