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ホテル・旅館などの業績悪化で苦境に立つリネンサプライ業者、小規模事業者の7割が減収に

2021.02.12

コロナの影響で「リネンサプライ業者」が苦境に

新型コロナウイルスの国内初感染が確認されてから1年が経過した。

その間、新型コロナの感染拡大により、宿泊業者や飲食店は休業や営業時間の短縮を余儀なくされるなど厳しい運営を強いられた。

今年に入り、11都府県で再び緊急事態宣言が発出されるなど、新たな難局を迎えている。これに伴い、ホテル向けのシーツやタオル、飲食店向けのおしぼりなどを回収し、洗濯仕上げして貸し出すリネンサプライ業者にとっても昨年に引き続き、今年も厳しい1年となることが予想される。

収入高合計は4期連続で増加

TDBの調査データでは2015年度から2019年度決算の収入高が判明したリネンサプライ業者1,071社の収入高合計をみると、2016年度以降、4期連続で前年度比増加となるなど右肩上がりで推移しており、2019年度の収入高合計は8,837億円(前年度比3.4%増)となった。近年、都市部を中心にホテルの開業が続いたことなどが背景にあるものとみられる。

1,071社のうち、直近3期連続で収入高の増減が比較可能な1,057社の収入高動向をみると、2019年度は「増収」企業が196社(構成比18.5%)で、「減収」企業が128社(同12.1%)となった。「横ばい」企業は733社(同69.3%)と全体の7割弱を占めた。加えて、2017年度、2018年度、2019年度「3期連続増収」企業は59社(構成比5.6%)となる一方、「3期連続減収」企業は13社(同1.2%)となった。

1,071社のうち、決算が6~9月の企業で、2020年6~9月期と2019年6~9月期、2019年6~9月期と2018年6~9月期との収入高の増減において、比較可能な258社をみると、2019年6~9月期は、減収企業が23社(構成比8.9%)と1割弱だったのに対し、2020年6~9月期は減収企業が170社(同65.9%)と約3分の2を占めるなど、新型コロナの影響で業績が悪化している企業が急増していることが明らかとなった。

また、258社の2019年6~9月期と2020年6~9月期業績の増減率の平均をみると、2019年6~9月期は平均4.7%増だったものが、2020年6~9月期は平均12.1%減と2ケタ減にまで落ち込んでいることが判明した。

収入高10億円未満が全体の8割強を占める

1,071社を収入高の規模別にみると、「1億~10億円未満」(604社、構成比56.4%)が最多となった。次いで「1億円未満」が301社(同28.1%)となり、10億円未満が全体の84.5%となるなど小規模業者が大半を占める結果となった。一方、50億円以上の大手・中堅業者は28社(同2.6%)にとどまり、構成比で1割にも満たないことが判明した。

また、1,071社のうち、直近2期連続で収入高の増減が比較可能な1,063社について、収入高規模別(2019年度)に動向をみたところ、50億円以上(23社)の大手・中堅業者は減収企業が1社のみにとどまり、12社(構成比52.2%)が増収で、10社が横ばいとなるなど総じて堅調な業績を示した。一方、10億円未満(903社)の小規模業者は増収が128社(同14.2%)にとどまるなど、苦戦を強いられている業者が多くみられる結果となった。大手・中堅業者と小規模業者の二極化が鮮明となっており、2019年度の収入高合計の増加は、大手・中堅業者の堅調な業績が業界全体を牽引していることが判明した。

また、2020年6~9月期と2019年6~9月期の収入高増減が比較可能な258社について、収入高規模別に動向をみたところ、10億円未満(205社、構成比79.5%)の小規模企業の7割が減収となり、50億円以上(8社、同3.1%)の大手・中堅業者も増収企業はなく、苦戦を強いられていることが判明した。

「東京都」が85社でトップ

1,071社を都道府県別にみると、「東京都」が85社(構成比7.9%)と最も多く、次いで「北海道」の66社(同6.2%)、「愛知県」「大阪府」の各58社(同5.4%)と続いた。大都市圏などホテル等が多い地域はリネンサプライ業者が多くみられた。

「50~100年未満」が500社でトップ

1,071社を業歴別にみると、「50~100年未満」が500社(構成比46.7%)と最も多く、次いで「30~50年未満」が403社(同37.6%)と続いた。一方、「10年未満」は17社(同1.6%)にとどまるなど、新規参入は少なく、築き上げた顧客基盤をもとに、業歴の長い業者が多いことが判明した。

ホテル・旅館などの業績悪化の影響をリネンサプライも受ける

今回の調査結果で、リネンサプライ業者1,071社の収入高合計は、2019年度までは右肩上がりで推移するなど総じて好調な業績を示したが、小規模業者の多くが苦戦を強いられ、大手・中堅業者と小規模業者との二極化が鮮明となっていることが判明した。しかし、新型コロナの影響が本格的に表れたとみられる2020年6~9月期の収入高動向をみると、新型コロナウイルスの影響により、小規模業者のみならず、大手・中堅業者まで軒並み苦戦を強いられていることが明らかになった。

昨年11月頃からの第3波により、新型コロナウイルスの感染は再拡大しており、Go Toトラベル中止に加え、今年に入り11都府県における緊急事態宣言の再発出など、リネンサプライ業者が得意先とするホテル・旅館などの宿泊業者や飲食店などは再び窮地に立たされている。宿泊施設や店舗の稼働率の低下などにより、リネンサプライ業者の業績悪化は避けられないものとみられ、2020年度決算は企業の規模を問わず、厳しい結果となることが予想される。

今後については、緊急事態宣言をはじめとする政府の感染対策に加え、ワクチン接種などにより、まずは感染が収束するかどうかにかかっているといえよう。7月に東京オリンピック・パラリンピックが開催されれば、一時的に宿泊施設や飲食店舗の稼働率の上昇も見込まれるが、足元では、昨年来、宿泊業や飲食店を中心として新型コロナ関連倒産が続いている。

リネンサプライ業者においても、仕事量が伸び悩むなか、得意先の倒産や廃業による業績や資金繰りの悪化を余儀なくされることも考えられ、場合によっては体力のない小規模業者の廃業もしくは倒産などが進む可能性もあろう。

構成/ino.

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