
2019年に史上初めてインターネット広告費に追い抜かれたテレビ広告費。コロナ禍であらゆる既存のビジネスモデルが揺らぐ今、さらに厳しい状況に置かれているに違いない。
そこで今回、ラクスル株式会社により、全国の営業業務に従事するテレビ局員を対象にした、テレビCMが今直面している課題とコロナ禍を経てTVCMの将来性に関する調査が実施された。
新型コロナウィルスによる広告営業への影響度は100%
TV局はかねてから広告収入の減少が課題といわれていたが、新型コロナウィルスによる広告営業の影響は100%で、9割以上が強く影響があったと回答し、テレビ局における深刻な現状が浮き彫りとなった。
具体的な影響内容としては、 7割以上が企業側の宣伝予算の減少を感じている。また、約半数が出稿への判断がシビアとなった、25.1%が費用対効果を求められるようになったと回答している。
効果の見えやすい別媒体に予算がまわされるなど、コロナ禍を経て、より一層のデジタルシフト化が進んでいることが明かになった。自由回答では、単価のさらなる定価、暴落が起きているという声が多くあった。
タイム枠の課題は50.7%が「新規顧客の獲得」、スポット枠の課題は71.9%が「取引単価の低下」
テレビCMには、広告主が個別の番組を提供するタイム枠、番組に関係なくテレビ局が定める時間に挿入されるスポット枠がある。タイム枠は、50.7%が新規の顧客獲得に課題を感じており、出稿しやすいスポット枠は、71.9%が取引単価の低下を課題にあげている。
課題に対する取り組みとして、デジタルとの掛けあわせをしている、自社のデータ分析をしているという声は一部見られたが、業界的な取り組みが必要と感じながらも、具体的に取り組めていない、情報収集中、検討中が多く、具体的な取り組みはまだこれからといえそうだ。
今後取り組みたいことは、データを活用したセールス
さらに「今後取り組んでいきたいことについて教えてください」「コロナ禍を経て、放送局は今後どのように変化をすべきだと思いますか」と質問したところ、以下のようなコメントが寄せられた。
●今後取り組んでいきたいことについて教えてください(回答者コメント抜粋)
・視聴率だけに左右されないTVCMセールス
・オンオフ連動した企画提案
・データを活用すること
・テレビの新価値の創造
・効果の可視化
・データを用いたクライアントへのメリット提示ができる営業
・CM素材対応の迅速化・データを活用したセールス
●コロナ禍を経て、放送局は今後どのように変化をすべきだと思いますか(回答者コメント抜粋)
・業務効率化、全国・個人に対する適正な根付け
・コンテンツの制作力の強化と効果の可視化
・営業セクションでの意識改革は必須。広告主に対して積極的な情報開示を行い、参入への意識の部分での障壁を無くしていく事が重要
・データを駆使したTV広告価値のアピール
・DX推進・全ての分野でのDX化、業界の生き残り戦略を考える
全国のテレビ局が、従来の視聴率指標ではなく、効果を可視化し、データを活用した新しい指標に取り組みたいと考えていることがわかった。今までの営業スタイルの見直しや、CM素材締め切りといった社内での運用面を臨機応変に対応できる体制のスピード化をあげるなど、脱却コロナ禍を経て、DXを積極的に推進していくべきであると回答している。
※運用型テレビCM ノバセル調べ
出典元:ラクスル株式会社
構成/こじへい
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