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今の株高はバブルなのか?80年代後半のバブル時との共通点

2021.02.11

新型コロナウィルス感染症拡大による景気後退の中上昇する株高、日本の1980年代後半に起きたバブルとの共通点を3つ上げてみました。

その1:金融緩和が必要になる大きな出来事

そもそも日本はバブル崩壊後、不良債権処理、リーマンショックなど、物価が上がらないデフレが続いています。

リーマンショック後にゆるやかに株や企業業績が回復し、2012年12月から始まったゆるやかな景気回復は戦後最長となりました。ここにきて新型コロナ感染症の拡大の影響で景気後退期に入り(内閣府の景気基準日付では暫定的に2018年10月が山だったとされている)、デフレ脱却はさらに難しくなりました。

また、米国においても、リーマンショック後にGDP成長率は2~3%で推移し景気回復していましたが、新型コロナ感染症の拡大期の2020年は-4.27%となりました。米国は、日本と異なり新型コロナウィルス感染拡大期前までは米国コア物価上昇率(以下コアCPIという)は2%を超えており、デフレではありません。2020年4月以降のコアCPIは2%を割り込み、1.2%まで下がりました。

一方、日本のバブル前の1985年では、プラザ合意により円相場が急騰しました。

この背景には、米国が高すぎる物価上昇のため金利を20%としており、金利の高い通貨は魅力的な投資先となるためドルの価値が上がりドル高となりました。そのドル高のため、海外では米国製品が高くなり米国の輸出が減少し、海外製品は割安となるため米国の輸入が増加し、大幅な貿易赤字となりました。特に、対日貿易赤字が大きかったため円高ドル安を誘導する合意がなされました。

1ドル235円あったのが翌日約20円下落、翌年には150円台まで円高になりました。現在もそうですがそのときも輸出で稼いでいた日本は輸出が大きく減少し、景気後退に入りました。

その2:金融緩和策

日本銀行(以下日銀という)によれば、物価が下がることは物の価格が下がり消費者にはお得に思えますが、その物価の下落は企業業績に影響しさらに働く人の給与下落につながるため、デフレではなくゆるやかに物価上昇するのが理想だとし、現在コアCPIを2%にすることを目標としています。

そのため、新型コロナウィルス感染症拡大前においてもコアCOIが2%に達していなかったため、金利はマイナス金利、長期金利低下と市中マネーを増やすための国債購入、株価下支えとなるETFとREITの資産買い入れを行ってきました。

そして、ここにきて政府により民間金融機関から新型コロナウィルス感染症拡大の影響のため資金繰りが厳しい企業向けに無利子での貸し出しを増やしており、見た目上倒産件数は大幅に増加していないものの、今後そういった企業が倒産するリスクをはらんでいます。

米国は、新型コロナウィルス感染症拡大前の2020年3月まではFF金利を1~1.25%としていましたが、拡大後の4月には0~0.25%約6年ぶりにゼロ金利としました。

さらに、長期金利を低く誘導するために国債買い入れを行っています。

米国コアCPIは直近では1.6%まで上昇しています。

一方、日本のバブル前には、プラザ合意で円高になり景気後退に入り、日銀は公定歩合を1987年にはプラザ合意前までは5~7%あった金利を2.5%まで下げました。そして、銀行は1979年から始まった金融自由化により貸出競争が激化し、さらに担保となる不動産価格も上昇していたことから、貸し倒れリスク管理が不十分なまま貸し出しを増やしたと考えられます。その後、不良債権の額は多額となり不良債権処理に苦労し長期のデフレを招く結果となります。

さらに、低金利、借入しやすかった状況から、国内の不動産や株、さらに海外の不動産などの資産まで購入され、資産価格が大幅に上昇しました。

その3:金融引き締めがすぐにできない

現状、日本も米国も金融引き締めには動いていないため、日本のバブル期についてみてみます。

日本では、1987年に東京の商業地の不動産価格が前年比80%上昇し、東京の住宅地においても80%弱も上昇しました。株式においては1987年ブラックマンデーによる世界的株価大暴落が起き日本株も下がったものの(翌日2,037円も上昇)、1989年にかけて3万円弱から3万8,915円87銭(史上最高値)まで上がりました。一方で、物価上昇率(コア)は、1987年0.4%、1988年0.6%とそこまで上がっておらず、1989年においても2.8%と不動産や株式の上昇率に較べると物価は安定していました。

このときに、すぐにゆるやかに金利を上げるなど金融引き締めに動けばよかったのではないかと考えられるでしょう。そして、日銀内部でもそういった資産価格の急上昇と金融緩和の行き過ぎに懸念する意見が出ていました。しかし、不動産や株などの急上昇に対して物価上昇率は安定していたため、そのギャップからすぐには金利引き上げに動けずしばらく低い金利水準を続けました。

その他にもすぐに金利引き上げに動けない理由がありました。日本の貿易黒字縮小のためには内需を拡大させることが海外からの圧力としてあり、内需拡大のためには金利を低いままにしておくことが必要だと考えられていました。

また、既にドル高が是正されたバブル期では、製造業が多い日本で金利引き上げによりさらなる円高が進むのは政府や国民からの反発が起きることが懸念されていました。

その後も、日本が金融引き締めを行うことにより米国株式や米ドルの暴落を引き起こす懸念もあり金融引き締めに動けない状態でしたが、1989年5月消費税が導入後に、あくまでもインフレ予防のためとついに金利引き上げが2.5から3.25%に引き上げられ、その年の10月には3.75%、12月には4.25%にまで上げられました。さらに、1990年行政指導として「土地関連融資の総量規制」により不動産関連の融資が縮小されました。そして、ついにバブル崩壊となるわけです。

金利引き上げなどの金融引き締めは行われるのか

現在の日本でも、株価の上昇はしているものの、物価上昇率は低く当時よりさらに低い物価上昇率でありデフレであえるといえます。また、バブル時ほど不動産価格は上がっていません。また、デフレ下で国際的な目標である日銀が示す物価上昇率2%までは金融緩和を続けるという目標がある限り日本では金融引き締めに動くことはないでしょう。

一方で、米国では史上最高値の株価上昇、物価上昇率は1.6%と2%に近づいてきていることを考えるとゆるやかに金利を引き上げるなどの金融引き締めに動く可能性がありますが、新型コロナウィルス感染症拡大下で日本のバブル期と同様金融引き締めには動きづらく、バブルのような行き過ぎた資産価格上昇が起きる可能性があります。

(参考)
資産価格バブルと金融政策:1980年代後半の日本の経験とその教訓 (boj.or.jp)
消費者物価指数 2015年基準消費者物価指数 長期時系列データ 品目別価格指数 全国 年度平均 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)

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文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。

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