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医療従事者に感謝の気持ちを伝えたい!ブルーレザープロジェクトを始めた皮革卸業界の想い

2021.02.09

新型コロナウイルスと闘う医療従事者に感謝の意を示す動きは世界中に広がっている。中でもイギリスのNHS(国営医療サービス)のシンボルカラーにちなみ、建物などを青くライトアップする運動は各国に広まり、日本でも東京スカイツリーをはじめ、姫路城や大阪城、東京都庁、横浜ベイブリッジなど各地で賛同の動きが見られた。

これらの多くは公的なものでテレビや新聞のニュースになりやすく、視覚的にも目立ちやすいことから、一度は見聞きした方も多いはず。

一方、目立たないけれど、なんとか自分たちの感謝の意を伝えたいと、小さな会社がプロジェクトを立ち上げ、業界を巻き込みながら独自の活動を広げている例もある。皮革卸の丸喜(東京都台東区)が2020年6月に立ち上げた「ブルーレザープロジェクト」もそのひとつだ。

コロナ禍で自らの台所も苦しい中、なぜそこに注力するのか。プロジェクトの発案者である同社の藤田晃成社長にお話を伺った。

プロジェクトを始めたきっかけ

「弊社はヨーロッパやアジアなど世界の名立たる革の産地から輸入し、とくにレディスの靴メーカーさんを中心に取引を行なっています。ただ、靴業界はコロナ流行以前よりライフスタイルの変化の影響を受け、スポーツスニーカーの需要が高まっていることもあり、エレガントなレディスの革靴の需要は減る傾向にあります」

丸喜 藤田晃成社長

「東日本大震災ではヒールものではいざという時に歩けないとの声があがり、企業において女性がヒールもののパンプスを履くことを強要されているとのニュースもありました。そこにコロナ禍で人々の外出は制限され、おしゃれして歩くこともなかなかできない。そもそも、革靴を扱っていただいているデパートも時短営業や休業に追い込まれています。

このままだと皮革業界は衰退の一途を辿ってしまう。危機感を募らせていたとき、自身も感染の高いリスクを負いながら、使命感で懸命に働いている医療従事者の方々の姿に心動かされ、『私たちも余裕がないけれど、業界として何かできないか』と思ったのです。

そこで2020年6月、次期春夏の発表会をショールームで行う際、一画に弊社取り扱いのブルーレザー商品を並べ、知人のデザイナーにポスターを作ってもらい、プロジェクトを始めたきっかけや想いを盛り込んでもらったのです」

プロジェクトの仕組みと反響

「プロジェクトに協賛していただける企業さんには、エントリー料をご負担いただくことで先ほどのポスターデータを提供します。そしてオリジナルメッセージを書き込んでもらい、販促に使っていただく。弊社はエントリー料から事務手数料のみを引かせていただき、医療従事者への寄付を行なうという流れになります」

マドラス

「果たしてどれだけの企業に賛同していただけるか。不安はありましたが、弊社取引先の中からとくにエンドユーザーさんとのチャンネルを持つ『かねまつ』さん、『ダイアナ』さん、『マドラス』さんに呼びかけることから始めました」

かねまつ

「みなさん、とても好意的に受け取っていただき、その後も皮革売買のメーカーさん、浅草の地場産業の方々、そして日頃はライバルだった同業他社さんにも輪が広がりました」

ampio(アバンティレプレ)

「こうした流れは業界紙で取り上げていただきまして、読んでいただいた取引のない大手メーカーさん、金融機関、貿易関係の企業さんからも協賛をいただきました。また、企業として参加するのは難しいけれど、個人として協力したいと、弊社のブルーレザーを使いマスクケースを作って提供してくれた方もいらっしゃいます。大変ありがたいことです」

老舗袋物メーカーから提供されたマスクケース

寄付は2021年2月より済生会へ

「2021年1月25日現在、協賛していただいている企業は、弊社も含め22社です。協賛金は本年2月に社会福祉法人恩賜財団済生会さんに寄付させていただく予定です。

予定している額はおよそ250万円になります。これは協賛金だけでなく、独自にキャンペーンを打ち、その収益金を上乗せしていただいている企業さんの分も含まれています。さらに、医療従事者が自宅で落ち着けるようなプランターなどの小物を、皮革の端切れを使って作って送りたいとの提案も出ています」

城北信用金庫東浅草支店に特設されたプロジェクト紹介コーナー

「世界中で多くの方が苦しんでいます。周囲も自分も苦しい。しかし私はあえて、社会がコロナによって大きく変わるきっかけを与えられたとプラスに考え、利他主義=苦しくても他人をおもいやる気持ちを大切にしていきたいと思っています。そしてひとつの企業体として、社会の存在価値があるんだということを示していければと思っています」

seesaw tokyo(リフト)

(ブルーレザープロジェクト協賛企業)
株式会社かねまつ/ダイアナ株式会社/マドラス株式会社/アバンティレプレ株式会社/株式会社アダストリア/アークインターナショナル株式会社/Usin/合同会社クランク/株式会社ニッポン・スタイル/株式会社カムサ/株式会社リフト/有限会社フォーキャスト/株式会社トーア/キモトレザーワークス株式会社/有限会社繁栄皮革工業所/浪速産業株式会社/フジトウ商事株式会社/株式会社丸上/株式会社オーティーエスジャパン/城北信用金庫/株式会社矢野経済研究所/株式会社丸喜

取材協力・プロジェクトの問合せ/丸喜 https://marukileather.jp/

ブルーレザープロジェクト(インスタグラム)
https://www.instagram.com/blue_leather_project/?hl=ja

取材・文/西内義雄
医療・保健ジャーナリスト。専門は病気の予防などの保健分野。東京大学医療政策人材養成講座/東京大学公共政策大学院医療政策・教育ユニット、医療政策実践コミュニティ修了生。高知県観光特使。飛行機マニアでもある。JGC&SFC会員

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