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動画視聴が習慣化した若年層、テレビ非保有者は無料配信を好む傾向

2021.02.01

多くの人が日常的にお世話になるテレビだが、その向き合い方は画一的ではない。視聴時間や視聴する時間帯、またコンテンツの種類は、年齢層によってばらつきがありそうだ。

そんなテレビ視聴に関する意識調査がこのほど、株式会社プラネットにより、4,000人を対象として実施された。

年代が上がるほど“テレビを複数台保有”

新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念されるなか、年末年始は帰省や外出を控え、自宅でテレビや動画配信サービス三昧で過ごした、という人もいるのではないだろうか。

一口で“テレビ”と言っても、地上波に加え無料・有料の衛星放送(BS・CS)やケーブルテレビ(CATV)までを含めると100以上のチャンネルが視聴可能だ。

さらには、自作の動画を動画投稿サイトで公開する“ユーチューバー”で知られるYouTubeや、話題のオリジナルコンテンツを配信するNetflixなど無料・有料の動画配信サービスも登場し、いまや選択肢は無数にある。こうした環境下、いつ・どこで・なにを視聴しているのか、テレビや動画配信サービスについて調査を実施した。

まず基本的なこととして、自宅にテレビがあるかを質問した(図表1)。その結果、「複数台ある」56%、「1台ある」39%と、95%の人がテレビを保有。一方で、「以前はあったが今はない」2.9%、そもそも「持ったことがない」も1.6%と、“テレビを持たない生活”を送っている人も一定数いることがわかった。

保有状況を年代別にみると、「複数台」は年代が上がるほどに、逆に「1台」は年代が下がるほどに、それぞれ比率が向上している。これは、若年層にはひとり暮らしが多いなど世代による世帯構成の差が背景にあると考えられる。

一方で、「以前はあったが今はない」が50代以下、また「持ったことがない」が40代以下で全体より高くなっていることから、若年層を中心に“テレビを持たない生活”が静かに広がっているようだ。

視聴はやはり地上波が断トツ、動画配信サービスは“テレビ局以外”が優勢

次に、どういった放送や動画配信サービスを視聴しているかをたずねたところ(図表2-1)、最も多いのはやはり地上波番組。

8割が「毎日見る」とし、「時々見る」と合わせると約9割にのぼった。BSの無料番組は「時々」が「毎日」を上回ることから、習慣的にというより番組内容によって選択的に見る人が多いようだ。

テレビ局の動画配信サービスは、無料サービスでは「毎日」「時々」計で18%だが、有料サービスでは5%に。TVerなど無料見逃し配信サービスは利用しても、“お金を払ってまでは…”という人が多いのかもしれない。NHKに続き民放も同時配信を開始する予定であることから、今後テレビ番組のネット視聴が浸透するか、注目されるところだ。

テレビ局以外の動画配信サービスでは、無料配信(YouTubeなど)は20%、有料配信(NetflixやHuluなど)は6%の人が「毎日見る」と回答。特に無料配信は「時々見る」と合わせると52%にのぼり、浸透が進んでいることがわかる。

動画視聴が習慣化した若年層、テレビ非保有者は無料配信を好む!?

放送や配信サービスの視聴状況を詳しく見てみよう(図表2-2)。主な放送・サービスについて性年代別にデータを見ると、地上波番組を「毎日見る」人の比率が高いのは60代以上で、特に70代以上男性と60代以上女性では、それぞれ9割を超えている。

一方で20代では男性53%、女性61%と全体に比べて低く、「全く見ない」もそれぞれ12%、10%に。若年層の“地上波離れ”傾向が鮮明に見て取れる。テレビ局による無料配信サービスも、若年層で利用頻度は高いものの、補完的な利用にとどまっている印象だ。

対してテレビ局以外の動画配信サービスでは、無料配信を「毎日見る」人は20代男性の48%を筆頭に40代以下の男性および20代女性で全体値を大きく超過。有料サービスも30代以下男性と20代女性で「毎日見る」人が1割超に。若年層では動画配信視聴が習慣化されている人が多いようだ。

テレビを保有していない人の視聴状況をみると、テレビ局の無料動画配信の視聴状況は全体よりも低いことから、そもそもテレビのコンテンツにはあまり関心がない、と言えるかもしれない。一方で、テレビ局以外の無料配信は「毎日見る」とした人は特にスマホ保有者で高い結果に。有料配信サービスの視聴状況は全体と同程度にとどまった。

意外にもテレビの視聴時間は増加、動画視聴も着実に浸透

新型コロナ感染拡大に伴うリモートワークや外出自粛で、在宅時間が大幅に増えた2020年。コロナの最新情報を得るためにニュースや情報番組を見る、はたまた話題のネット配信ドラマを見る…さまざまな目的でテレビや動画配信を視聴する機会が増えたのではないだろうか。そこで、1年前と比較してテレビや動画配信の視聴時間に変化があったかを聞いてみた(図表3)。

その結果、テレビ視聴については55%が「変わらない」とした一方で、3割の人が「増えた」と回答。“テレビ離れ”と言われるが、テレビにはニュースの速報性や情報の網羅性といった強みがある。こうしたことからも、テレビ視聴のニーズは根強いといえそうだ。

また、動画配信は、「大幅に増えた」「1年前は見なかったが見るようになった」がテレビよりそれぞれ1%、0.7%上回り、この1年間で着実に浸透が進んだことがうかがわれる。

対して、視聴時間が「減った」とする人の比率はテレビ、動画配信ともに7%程度で拮抗。さらに、「1年前から全く見ていない」とした人はテレビ5%、動画配信28%に。

年齢別でみると(図表非掲示)、70代以上の約4割が動画配信を「全く見ていない」と回答していることから、同サービスのさらなる普及には高齢者層の取り込みがひとつのカギになりそうだ。

テレビは朝の時計代わり?日中の空き時間や移動中は動画視聴が優勢

ワンセグチューナー付き携帯電話に始まり、今や“いつでも・どこでも”テレビや動画を見られるようになり、「決まった時間に自宅でテレビを見る」という意識は薄れつつある。そこで、テレビや配信動画を日常のどんなタイミングで視聴するかを尋ねた(図表4)。

「起床前」から「起床後」、「外出前の身支度時」といった朝の時間帯はいずれも、動画配信よりテレビを視聴する人が多い結果に。「このコーナーが始まったら、そろそろ家を出る時間」というように、時計代わりにテレビをつけている人も少なくないだろう。

日中は「家事をしながら」のように在宅時はテレビが優勢だが、「電車・バスでの移動中」といった外出時や「空き時間」の時間つぶしでは、スマホなどで動画配信サービスを見る人が多いようだ。やはり機動力の点では、スマホなどで視聴できる動画配信に軍配が上がることに。

帰宅後の夜の時間帯では、「夕食後」まではテレビが優勢だが、「就寝前」では差が縮まり、「就寝のために布団に入りながら」では動画配信が逆転。年代別では(図表非掲示)、30代以下で4分の1以上の人が「布団に入りながら」動画を楽しんでいた。

意外だったのが「食事中」。テレビが61%に対して動画配信12%と、予想外に大きな差が開いた。

若者は「バラエティ」と「アニメ」、中高年は「ドラマ」と「情報番組」を好む!?

次に、テレビや動画配信で好んで視聴するジャンルを聞いてみた(図表5)。

8割近くと最も多くの人が見ているのは「ニュース・報道」で、20代女性を除く全年代でトップに。以下、「ドラマ」59%、「情報番組、ワイドショー」52%、「バラエティ、クイズ」50%と続いた。

性年齢別では、「ニュース・報道」は年代が上がるほどに比率が向上し、60代男性と70代以上男女では9割超に。「ドラマ」「情報番組、ワイドショー」は40代以上の女性、「バラエティ、クイズ」は30代男性に加え、40代以下の女性からの支持を集めた。また「ドキュメンタリー」「スポーツ」は男性、「音楽」は女性のほうが高い傾向がみられる。

「アニメ、特撮」は全体では24%だが、40代以下では男女とも3割以上と高率に。特に男性では、20代で50%と2位につけているほか、30代でも41%と高くなっている。

ひと昔前までは“アニメは子どもが見るもの”という認識が一般的だったが、いまや大人も好んで視聴するコンテンツになっていることがうかがわれる。

選択肢が増えすぎるのも問題…!?

最後に、最近のテレビの見方やテレビに対する考え方の変化などを聞いた。

コロナを機にネット配信の動画の視聴を増やした人は多いようだが、テレビの“良さ”を再認識する声も。昭和の時代には家族団らんの中心にあったテレビが、今や“スマホやタブレットを操作しながら何となく見るもの”になっているようだ。

またチャネルやコンテンツの多用化、視聴行動の個別化を歓迎する一方で、戸惑いの声も聞かれた。

■最近のテレビの見方、テレビに対する考え方の変化について

【配信動画にシフト】

●PCを新調したことを契機に、一気にネット配信動画の視聴が増えて、めったにテレビを見なくなった。テレビはネット配信望み薄なコンテンツがあるときのみ録画して、後で見る程度。(男性・50代)
●スマホで動画配信サービスを利用することが多くなった。だけどテレビがついていないと落ちつかないので、なんとなくつけている。(男性・30代)
●コロナ禍でネット配信を利用する知り合いが増えているので、おすすめなどを共有して楽しい。(女性・30代)
●ネット配信ならではの映画が見られること、コロナ禍で自宅で過ごすことが多く、気分転換のためにネット配信を利用することが増えた。(女性・50代)

【やっぱりテレビ】

●政治や経済などに関心があるが、テレビの方が信頼性が高い。夜の報道番組で1日のニュースを確認できることがとてもよい。テレビの方が自分の興味や関心の有無に関わらず、幅広い情報が得られる。(男性・50代)
●最近、地上波がつまらないとか巷間伝わっていますが、災害や速報的な話題は地上波がいいです。(男性・50代)
●前まではネットニュースを見ていたが、テレビの方が分かりやすく最新だから、テレビで毎日チェックするようにした。(女性・20代)
●「何時にどの番組が始まるから、それまでに〇〇を終わらせて席に着く」という感じで行動にメリハリをつけるのにテレビを使うことがある。この使い方はテレビにしかできないなあと思う。(女性・40代)
●テレビは大体1日中つけっぱなし。朝から晩まで何らかの番組を見るとはなしに見ています。(男性・70代以上)

【視聴行動にも変化】

●テレビはパソコンやタブレットの操作しているときの暇つぶしで見ている。BGMに近い。定期的に見ている好きな番組以外は、テレビはつけっぱなしで適当にチラチラ見ているだけです。(男性・50代)
●テレビのドラマやアニメは、リアルタイムでは見ずに見逃し配信やサブスク配信サービスで見るようになった。ニュースはネットのテキストのみで見ている。(男性・50代)
●HDD録画が出てきた時のように、時間シフトで視聴できることに加えて、場所も自由になった。テレビという概念がなくなってきた。
(男性・50代)
●多種多様な番組が全て認識できないほど大量に放送されていて、さらに多種多様な視聴方法があるので混乱しています。自分に合った番組や視聴方法をAIにお任せしたい気持ちです。(女性・20代)

<調査概要>
調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「テレビ視聴」に関する意識調査を実施。
期間:2020年12月16日~18日、インターネットで4,000人から回答を得ている。

出典元:株式会社プラネット
https://www.planet-van.co.jp/

構成/こじへい

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