日本学術振興会 特別研究員
藤代有絵子さん
東京大学大学院 工学系研究科 物理工学専攻 十倉研究室所属。日本学術振興会特別研究員。2020年度ロレアル-ユネスコ女性科学者日本奨励賞や東京大学総長賞、工学系研究科長賞など受賞多数。
100年後の人類の生活を変えるような発見をしたい!
藤代さんの研究分野は物性物理学。マンガンなどの金属材料を化合物にし、磁場に対する電子の振る舞いを測定するなど、日夜、物質の新たな機能の解明に勤しむ。
「金属材料を入れたガラス管を真空状態にし、バーナーで炙るのが実験の基本。『溶接工だっけ?』って思う瞬間も(笑)。実験で使う金属材料は、見た目は小さな石ですが、超伝導のようにロスを少くなく電流を通す材料になり得るなど、驚くべき可能性を秘めています」
藤代さんの研究が実を結べば、メモリーデバイスをさらに小型化できるなど商用化の期待値も高い。
「物質に見い出した新たな性質が、数十年後に世界を救う要因になるかもしれない。そんな発見ができたら、研究者冥利に尽きますね」
〈3つのQuestion〉
Q1. 仕事が楽しいと感じる瞬間は?
予測や計画どおりの実験結果が出た時。地球上に存在しなかった物質を合成できた時は、本当に興奮しました!
Q2. 休日のリフレッシュ方法は?
オンラインで友達とランチ会。料理も大好きで一番リラックスする瞬間かも。動画共有サイトでレシピ探しが日課です。
Q3. 今後の目標は?
十倉好紀教授をはじめ、これまでたくさんの方々に助けていただきました。将来は研究室を持ち、後輩の学生を育てたい。
取材・文/佐藤太志
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