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入社4年目社員の本音「仕事にかける先輩の情熱が凄くて、ついていくので必死です」アートネイチャー・島田莉々花さん

2021.01.29

前編はこちら

コロナ禍の中でも、売り上げ好調のアートネイチャー。カツラは男性をイメージしがちだが、ウィッグと言えば女性だ。今回の紹介は就職4年目の女性社員である。

株式会社アートネイチャー 外販商品営業部 流通営業グループ 島田莉々花(26・入社4年目)。外販商品営業部はシャンプー、コンディショナー、育毛剤、パウダー等を主にEコマースやテレビショッピング等の通販で販売する。テレビショッピング担当となった彼女は、“テレビショッピングの女王”で、白髪染めのカラートリートメントシリーズを主に番組で163万本売上げるなど、“仕事の鬼”とその名が轟く、矢島和子次長のアシスト役として日々奮闘している。

仕事に対する熱意がハンパない

テレビショッピングの担当は打ち合わせ等、残業が多いと聞き知っていた。

――私で大丈夫かな……。

仕事よりもプライベートを大切にしたい趣向の彼女は着任当初、漠然とした不安を抱いたが。課長が他のスタッフに仕事を振り、彼女が仕事を抱え込まないよう配慮してくれたり。矢島も、“この子は残業もいとわないというタイプではない”と察したのか。仕事量の極端な増加は杞憂に終わったが、次長の仕事に対する”鬼”ぶりは想像を超えていた。

CS放送で放映されるテレビショッピングの番組は生放送だ。

「本当に自分がいいと思わないと、商品の良さを伝えることはできない。心からお勧めしたいという意欲が下がると、言葉に詰まったり、声や顔に出て視聴者に伝わらないのよ」

矢島にはそう言い含められた。

「仕事に対する熱意がすごい。あの情熱はいったいどこから来るんだろうという感じです」

畳みかけるトーク力

島田が舌を巻くのは、まずそのトーク力。例えばヘアカラートリートメントの説明では、一本の髪の毛を海苔巻きに例える。「表面の海苔の部分がキューティクルで、中のご飯の部分はコルテックスといって、ここに髪の色素があります。コルテックスの中のメラニンいう色素がなくなると、髪が白くなるんです」

「白くなった海苔巻きを着色するため、通常の染毛剤は強めの薬剤で、海苔巻きを開いて中のご飯も一緒に着色しますが、それをやると髪へのダメージが伴います。そこでーー」

自社製品は無理やり海苔巻きをこじ開けるようなことはしない。中まで薬剤は入れずに、海苔巻きの海苔だけをコーティングする。だから髪をいたわって色づけすることができる。白髪が染まる上に髪のケアにもなる。身体にも優しい等々。番組のMCとの掛け合いで楽しさを演出しながら、畳みかけるようにトークを繰り出す。

テレビショッピングの枠を買いたいメーカーは多い。リニューアルを続けて、目新しさの強調が売上げにつながる。そこがテレビショッピングの枠を確保する意味でも大きなポイントだ。研究開発のOEMの会社との打ち合わせは島田も同行するが、そんな時も矢島のトークは厳しい。

「こんなに染まりました!」としつこいぐらいの実演

例えば、「今まで3分かかっていたヘアトリートメントの着色の時間を、3分の1に縮めることはできませんか」「それは矢島さん、厳しいですよ」「そこを何とかお願いしたいんです」「成分によっては単価が上がってしまうし」「何とか作ってください」「リニューアルするにしても、期間がかかる、納期にも影響してきます」「そこを何とか!」

ある程度で、OKを出さなければならないのに……、横で島田はそう思うが、矢島は妥協しない。粘り強く交渉を続ける。

「中身だけでなく、矢島次長はパッケージにもこだわります。例えば、白髪や薄毛をカバーする、増毛パウダーのアートミクロンのリニューアルでは、『違います!同じ金色でもキャップの部分は、光沢がないマットに仕上げてくれますか』とか。パウダーの出る穴の配置を改良して、よりパウダーが適量出る工夫や、パウダーの出口の形状を斜めにして、より使い勝手を良くすることを提案したり」

テレビショッピングは番組の中でデモンストレーションをする。人毛の白髪の毛束を用意し、ヘアカラートリートメントを塗り、その場で丁寧にすすぐ。そして毛束の中まで見せ「こんなに染まりました!」と、1時間の番組内で何回も実演する。島田は黒く染まった毛束を洗面器から取り出したり、裏方を担当している。

――失敗談を聞かせてください。

「ビニール手袋をデモンストレーションの時に使うのですが、いつもは多めに用意するのに、その日に限って手袋の量が少なくて。手袋が足りないと、番組の中でのデモンストレーションの回数が少なくなってしまう」

――商品のアピールに支障が出る、仕事に厳しい矢島次長に、強く叱責されましたか?

「面と向かって叱る感じではなかったです。諭されたのは次にどうするかで。チェックリストを使って荷物を確認し、1時間の番組の中でデモンストレーションの回数をイメージすることが大切だと」

人に相談したり、頼めるようにならないと

昨年の夏のことだ。テレビショッピングの他に商品開発の仕事も重なり、島田自身もオーバーワークだった。そんな時、テレビショッピングで商品を購入した人からクレームがあった。髪質によっては染まりにくい場合もある。強い口調の相手に彼女は電話で30分ほど対応した。

矢島の開発へのこだわり、商品への思いをわかっているだけに、相手の口調が胸に刺さり心が折れそうになった。オフィスの隅で思わず涙をこぼして席に戻ると、矢島が彼女に声をかけた。会議室で話を聞いてくれた矢島の前でも泣いた。

「全部自分でやろう、人に迷惑をかけたくないという島田さんの性格はわかる。でも人に相談したり頼めるようにならないと、仕事が回っていかなくなるよ」というようなことを矢島次長には諭された。

外販商品営業部の長は、テレビやネットのCMに笑顔で出演し、自社製品のアートミクロンを宣伝している藤岡毅純部長だ。あらましを知った部長は、

「外販商品営業部はチームだから、決して島田さんを一人にさせない。何かあったらみんなが力になるから」CMとは打って変った真剣な表情で、彼女にそう声をかけたのだった。

仕事よりプライベートを大切にしたい、そんな彼女にピッタリのアットホームな会社なのである。

取材・文/根岸康雄
http://根岸康雄.yokohama


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