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70歳定年時代におけるシニア人材の課題TOP3、3位現場のマネジメントが困難、2位パフォーマンスが低い、1位は?

2021.01.29

高齢者が活躍する社会の実現を目指し、今年4月から高年齢者雇用安定法の一部が改正され、企業は70歳までの就業機会確保について努力義務を負うこととなる。

間近に迫る法改正を前に、企業担当者たちはシニア人材についてどのような課題感や対策を持っているのだろうか?

そこで、パーソル総合研究所ではこのほど、企業におけるシニア人材に関する課題感や施策の実態を明らかにし、シニア人材の活躍に資する提言を行うことを目的として、自社の人事戦略・企画、人事管理の動向を把握している者(経営層・経営企画・人事・総務など)800名を対象に、「企業のシニア人材マネジメントの実態調査」を実施した。

シニア人材に課題感を持つ企業の割合

シニア人材について、すでに課題感を持っている企業の割合は49.9%。また今後、5年以内に課題になると回答した企業の割合は75.8%だった。

従業員規模が大きくなるほど課題感が強くなる。業種別にみると、「金融・サービス」「情報通信」「製造・建設」における課題感が高い。

図表1.シニア人材に課題感を持つ企業の割合

シニア人材に対する具体的な課題感

シニア人材に対して具体的にどのような課題感を持っているかをみると、上位は「モチベーションの低さ」「パフォーマンスの低さ」「マネジメントの困難さ」となった。

図表2.シニア人材に対する具体的な課題感

シニア人材に対する施策実施の割合

シニア人材に対して何らかの施策を実施している企業の割合は62.9%。

図表3.シニア人材に対して施策を実施している割合

シニア人材に対する具体的な施策

一定の年齢で一律に責任のある立場から外す、ポストオフ・役職定年制度が38.1%とトップとなった。スキルアップ研修など、地道にシニア人材の活躍につなげられる施策の充実が求められている。

図表4.シニア人材に対する各施策の実施割合

シニア人材の能力開発・キャリア開発は不十分

45歳以降、スキルアップ研修を受講する人の割合は大きく下がっていき、人材開発予算配分をみるとシニア人材は6.3%にとどまる。

シニア人材の能力開発・キャリア開発につながる施策は十分に行われておらず、改善が求められる。

図表5.シニアの年齢別に見た各施策実施の割合

図表6.人材開発予算配分

70歳までの就労機会提供の努力義務への対応

定年後再雇用は「実施している」と「検討している」を併せると86.1%を占め、最も有力な選択肢となっている。

しかし、再雇用後の年収は、全体平均で32.5%の減少がみられ、再雇用前と職務変更がほとんど無い場合であっても27.1%の減少がみられた。

定年制度の廃止は「実施している」と「検討している」を併せても3割台、NPO活動へのサポート(社会貢献活動支援)や起業支援は「実施している」と「検討している」を併せても2割台と低い。

図表7.70歳までの就労機会提供の努力義務への対応

注)「希望者に対する70歳まで就労機会提供の努力義務」に対して、現在、どのように対応を検討していますか?」への回答。

分析コメント……職務を軸とした人材マネジメント(配置・処遇)がシニア課題解決のカギ

現時点で企業の半数がシニア人材に課題感を持っているが、施策実施率トップはポストオフという厳しい現状が明らかとなった。

シニア人材向け施策実施のハードルを尋ねると、1位「経営層からの承認」37.1%、2位「予算の捻出」34.5%となったが、実際、シニア人材に振り分けられている人材開発予算は6.3%と僅かであり、シニア人材の能力開発・キャリア開発をもっと強化すべきだ。

シニア人材が活躍できる組織の特徴としては、①社内の職務ポジションが可視化され、社内のジョブ・マッチング施策が充実し、人員の社内流動性が高いこと、②従業員の専門性を重視し、育成体制が充実していること、③ダイバーシティが重視され、個が尊重されることが挙げられる(会社属性を統制した重回帰分析の結果)。

また、人事制度として、「職務」の市場相場を反映させる等級・処遇制度であるほど、シニア人材の活躍が促されており、職務を軸にした人材マネジメント(配置・処遇)の強化が、シニア課題を解決するための人事施策のカギとなる。

逆に、職能主義的で安定雇用の企業において課題感が強く、伝統的な日本型雇用とシニア活躍の相性の悪さが確認された。

図表8.組織の特徴とシニアの活躍の対応

図表9.人事制度とシニアの活躍の対応

(パーソル総合研究所 上席主任研究員 小林祐児氏)

出典元;株式会社パーソル総合研究所

構成/こじへい

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