アクション・プラン
菅首相肝いりの携帯料金値下げが本格化
2021年のモバイル業界に影響しそうなのが、総務省が発表した「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」。これまで販売店などでは、手数料をはじめとする初期費用を「頭金」と表記するなど、いったい何にいくら支払っているのかがわかりにくかった。同プランはこうしたわかりにくさを是正するとともに、大手キャリア同士や、格安スマホへの乗り換えをしやすくして競争を促し、携帯電話料金を下げるのが狙いだ。
「わかりやすさ」については、ポータルサイトが用意されるが、それだけで理解が進むとは考えにくい。また「競争の促進」については各社の対応が始まっている。Y! mobileとUQ mobileといったサブブランドは、ともに割安料金を発表。NTTドコモも新料金プランとして「ahamo(アハモ)」を来春から開始する。20GBで月額2980円と、かなり割安だ。
「乗り換えやすさ」ではMNPの手続きが簡素化し、SIMカードを入れ替えずにオンライン手続きで乗り換え可能な「eSIM」の利用も促進される。すでに『iPhone』や『Pixel』などには搭載されている「eSIM」だが、今後はスマホの標準機能となりそう。ただし切り替え時に混乱が生じる可能性は大。政府主導で本当に利用者がよろこぶ改革となるのか注目したい。
各国主要携帯電話事業者の料金プラン平均(データ容量2GB/5GB/20GB) ※出典:ICT総研
通信品質の高さを考えれば、世界と比べて必ずしも高額とはいえない日本の携帯電話料金。トップダウンの値下げ改革の行方が注目される。
格安料金プランを各社が始動
国の「携帯料金値下げ」要請に応えるため、Y!mobileやUQmobileとともに、NTTドコモが大容量かつ割安な新料金プランを新設。NTTドコモでは5Gをコアに使いたい層に向けたプレミアプランの見直しも検討中とのこと。今後の動向に注目だ。
解説ポータルサイトを総務省が新設
国は年内にポータルサイト(画像は情報セキュリティーに関するポータルサイトの例)を開設予定。ただし、サイトだけで理解を促すのは難しく、よりわかりやすい料金プランや説明努力がキャリアに求められることになりそうだ。
格安スマホって何?などポータルサイトで理解促進
eSIM標準搭載でMNPがスムーズに
オンライン手続きで乗り換えが可能な「eSIM」だが、自分で設定などを行なう必要があり、ユーザー側のリテラシーの高さも求められる。5G移行時のSIMカードの切り替えに伴う状況を見る限り、切り替え時の混乱は避けられそうにない。
簡単に乗り換えられる一方、知識も必要に
取材・文/太田百合子
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