小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

入社3年目の本音「ファンに納得してもらうために商品、宣伝、映像の見せ方を工夫を重ねています」円谷プロダクション・麻生智義さん

2021.01.20

1966年に誕生したウルトラマン。「シュワッチ」で変身、スペシウム光線とか、私もポーズを取りたくなる。最近ではNetflixで全世界配信されたアニメ『ULTRAMAN』などアニメ展開にも力を入れている。今回は円谷プロのアニメ制作現場にいるスタッフのお話である。

株式会社 円谷プロダクション マーケティング本部IP推進部 麻生智義さん(29)。円谷プロでは3年目だが、アニメ制作に携わって7年になる。麻生さんが主に携わっているのは、『SSSS.GRIDMAN(グリッドマン)』、ウルトラ怪獣をモチーフにした幼児向けの『かいじゅうステップ ワンダバダ』だ。

円谷プロのファミリー向け作品の歴史

「僕はウルトラマンティガ、ダイナ、ガイア世代で、平成ライダー、スーパー戦隊ものも好きでした。最初は着ぐるみの実写のウルトラマンや戦隊ヒーロー、ライダーをやりたかったのですが、作る側を目指して大学で脚本を勉強しました」

円谷プロの親会社のフィールズに入社。入社当時、会社はアニメや映像に参入するタイミングだった。彼はアニメの制作進行の仕事に携わる。

「半径3m以内の人を幸せにできないで作品のプロデュースや映像を成功させることはできないよ」という当時の上司の言葉が、心に残っている。アニメ制作には多くのクリエーターや会社が関わる。スタッフには飲み物を出し、打ち合わせの時は資料を用意して。そんな人への気配りは、プロモ―ションビデオのターゲットはこういう人たちだと、配慮する考えを養うことに繋がったと感じている。

フィールズではアニメ『SSSS.GRIDMAN(以下・グリッドマン)』を担当したが3年前、会社がアニメから撤退を決めた時、「関わっているアニメ作品を続けたい。グループ内の円谷プロに行かせてください」と、麻生は志願して、アニメや映像の業務を引き継ぐ円谷プロに転籍した。

「うちの会社は60年近くファミリー向けの作品を作っています。今のアニメのウルトラマンが好きな若い人から、60年代半ばの『ウルトラQ』から追いかける年配のファンもいます」

『SSSS.GRIDMAN』
Ⓒ円谷プロ Ⓒ2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会

多くに人が関わるアニメ制作

いろんなファンがいる中で、誤解なく伝えていくにはどうしたらいいのか。例えば、NHKで放映されるキッズ向け5分番組、『かいじゅうステップ ワンダバダ』のピグちゃんのキャラクターグッズ。ファミリー向けのこれは、円谷プロの作品を愛する多くのファンに受け入れられても、女の子のキャラクターグッズとなるといささか異なる。

グリッドマンのプロデューサーに名を連ねる麻生は、商品プロデュースも担当する。失敗と感じたのは現在、新シリーズを制作中の「グリッドマン」に登場する、女の子のキャラクターグッズに対する“この商品は大人向けでちょっと、どうなの⁉”というクレームだった。

「うちの作品を大事に思ってくれているからこそのお叱りですが、もうちょっと違う表現があったのかもしれないと。趣向の異なる多くのファンの方々に、納得してもらえる商品の表現の仕方、宣伝の仕方や映像の見せ方を常に工夫しなくてはと、改めて意識した出来事でした」

彼がそう語る背景には、アニメ制作にはいろんなスタッフが関わっている現実もある。監督、脚本家、声優、アニメーター、アニメ制作会社、音楽やビデオパッケージの制作会社、グッズの制作・販売の会社等。これらアニメに関わっている人たちに、迷惑をかけたくないという思いがプロデューサーの麻生にはある。

スタッフに迷惑をかけた苦い思い出はウルトラマンにもある。彼はアニメ『ULTRAMAN(以下・ウルトラマン)』で、宣伝を担当している。テレビ放映されたウルトラマンの新シリーズの声優の告知の時だった。最終回を見終わった、視聴者がもっとも盛り上がる23時半のタイミングで、その告知をツイッターのニュース投稿にアップする段取りになっていた。ところが深夜に配信するはずが、昼間にその告示が流れてしまった。時間を間違えた彼の単純なミスだった。

「記事は削除しましたが、凡ミスだからと言って、許されることじゃない。その告知に向けて準備をしていたいろんなスタッフに、迷惑をかけてしまった。原作者やチームの皆さんに謝りました」

アニメ『ULTRAMAN』
©TSUBURAYA PRODUCTIONS ©Eiichi Shimizu,Tomohiro Shimoguchi ©ULTRAMAN製作委員会

ウルトラマンとグリッドマンの“エール交換”

ウルトラマンもグリッドマンも、実写からアニメになった作品だが、麻生に言わせると二つのキャラクターのファンは微妙に違うという。ウルトラマンはアクション、SF感、スタイリッシュさを好む人が多く、グリッドマンはドラマの内容や、キャラクターにファンが付いているという印象がある。

だが、どちらも円谷プロのアニメーション作品だ。東映が制作する戦隊ヒーローものは、シリーズが代わる時に次の戦隊ヒーローと前の戦隊ヒーローが握手をして、「あとはお前に任せたぞ!」みたいな演出があり、ファンはそのシーンを楽しみにしている。ウルトラマンとグリッドマンは制作スタッフが違うが、そんな演出はできないだろうか。

グリッドマンの制作プロデューサーに名を連ねる麻生は、「グリッドマンの最終回にウルトラマンと、バトンタッチのようなことをしたい」という企画を提案した。

ウルトラマンとグリッドマンのイラストを描いてもらい、声優さんに声を当ててもらって、アニメのグリッドマンの放映の最終回に、オリジナルのプロモーションビデオの放映が実現した。麻生智義プロデューサーが考えた脚本の一部はこんな具合だ――

「思い出してくれ、キミの使命を」「オレの…使命…」「私たちはその使命を果たさなければならない」「(中略)闘わなくちゃいけないんだ」「あなたがグリッドマンであるように」「キミはウルトラマンなのだから

このプロモーションビデオが放映されると、ファンから大きな反響があった。

「円谷プロのファンに、喜んでもらえる自信はありました。僕自身が大ファンですから」彼自身がディープな円谷プロ作品のファンだから、ファン心理はよくわかると言いたげである。

後編は円谷プロのディープなファン、麻生さんならではの企画と、制作現場での熱いエピソードを紹介する。 

取材・文/根岸康雄
http://根岸康雄.yokohama

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2021年10月14日(木) 発売

DIME最新号の特別付録は「4WAYポータブルランタン」! 特集は「行列店に学ぶヒットの法則」、「iPhone 13」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。