■連載/文具ソムリエール菅 未里の「誘惑文具」
Q:コロナ第三波で、在宅勤務が続いています。使いやすいペンケースはないですか?
A:在宅勤務や、カフェで仕事をする「ノマド」の場面でペンケースに求められるのは、省スペース性です。自宅の机もカフェのテーブルも、仕事道具を広げにくいからです。
省スペースなペンケースといえば、数年前にブームになった立つタイプですが、実はひとつ弱点がありました。ペンが立って入っているため、垂直に引き出さなければいけないのです。なんだ、そのくらい……と思われるかもしれませんが、お使いの方ならおわかりの通り、これがけっこうやりづらい。私もそこがネックでした。
しかし、今の私は自宅で立つペンケースを使っています。取り出しにくさを解決したペンケースに出会えたからです。それがこれ。レイメイ藤井の「デテクール」です。
見ての通り立つペンケースなのですが、「出てくーる」というだけあってとても取り出しやすいのが特徴です。その秘密は、ペンが斜めに収納されている点にあります。ファスナーを空けると出てくる収納スペースが30°くらいに傾いているんですね。
ペンが斜めになるというだけの話ではあるのですが、ものすごく取り出しやすくなります。どのくらい使いやすいのかと言うと、売れ過ぎて入手しづらいくらいです(2020年12月時点)。やはりみなさん、垂直にペンを取り出すのは苦手だったんですね。
細かい使い勝手も素晴らしい。ペン収納部が二つに分割されていることも取り出しやすさに貢献していますし、消しゴムなどを入れる小物ポケットも付いています。
「ベロン」と空けた蓋も、固定できるマグネットが背面についていますから、邪魔になりません。
あと、指をひっかけてバッグの中から取り出せるループも、地味に便利です。さらに付け加えると、容量も大きい。普通のペンなら18本くらいは入るでしょう。
落ち着いた色が多いので、オフィスでも違和感なく使えますね。静かな大ヒット作と言える「デテクール」、入手しづらいことだけが弱点ですが、見つけたらぜひ手に取ってみてください。
文/菅未里
構成/佐藤喬
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