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キリンビールが2021年の事業戦略を発表、大ヒット中の「糖質ゼロ」も追い風に「一番搾り」本体をリニューアル

2021.01.18

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

2026年の酒税改正後を見据え、強固なブランド体系を構築

キリンビールが2021年の事業方針を発表し、布施孝之社長は2020年の酒税改正第一弾や、新型コロナウイルスの感染拡大などの大きな環境変化に、CSV(Creating Shared Value=社会と共有できる価値の創造)マインドで適応できる“正しい戦略”を継続すると語った。

「2020年10月の酒税改正以降のカテゴリーの変化は読みづらい状況ではあるが、一番搾り本体と糖質ゼロの成長を見ると、狭義のビールにお客様の関心が高まっていると捉えている。一方で値上げになった新ジャンルは、コロナ禍の中での節約志向の高まりから、当初想定していた減少幅まで行かず、堅調に推移している。いずれにせよ、2026年までの三段階の酒税改正で(2026年にビール類の税率は一本化)、弱いブランドは淘汰されていくだろう。主力ブランドをしっかり育成し、定番、高付加価値、健康志向の各カテゴリーで2027年以降も愛される、強固なブランド体系を構築する」(布施社長)

〇一番搾りブランド

フラッグシップブランド「一番搾り」では、昨年の酒税改正後の10月に「一番搾り 糖質ゼロ」を発売。糖質ゼロの好調さも加わり、一番搾りブランドの缶商品は前年比約5割増を実現した。

「糖質ゼロは発売以降、堅調に推移。購入意向を見ると、おいしさがしっかりと消費者の購買意欲につながっている。おいしさと機能を両立させながら、一番搾りブランドの3分の1のウエイトを持つ第2の柱として育成させたい」(布施社長)

2021年は一番搾り本体が2年ぶりのリニューアルを実施。基本の一番搾り製法はそのままに、仕込み、発酵条件の最適化を図りながら、麦のうまみ、より澄んだ味わいを実現する、飲みやすく飲み飽きない理想のビールに近づける。

〇本麒麟

昨年、発売3年目の「本麒麟」はリニューアルを経て、2020年販売数量は前年比3割増と大幅に伸長し、新ジャンルが値上がりとなった酒税改正後も上昇トレンドとなっている。

4年目の2021年3月にはリニューアルを実施し、大麦増量による麦由来のコク、飲みごたえを高めて、良質な苦みが特徴のドイツ産ヘルスブルッカーホップの増量により、コクをアップさせる。

「キリンビールは麦系の新ジャンルの柱をなかなか立てずにいて、この柱が立てば景色が変わると社内で話していた。2021年はさらに本麒麟を成長させて新ジャンルの定番商品として、メガブランドに育てたいと考えている」(布施社長)

〇高付加価値ビール

コロナ禍では使うお金は抑えたいという節約志向が強い反面、在宅時間が長くなるにつれ、家時間を充実させたいと高付加価値商品へのニーズも増加している。家でもうまいビール類が飲みたいという動きが加速化し、2020年はECサイトでの販売で、自社ブランドのクラフト缶が2桁増という今までと違うトレンドが生まれた。2021年はクラフトビール、ホームタップの展開基盤を整えることで高付加価値のビールを提供する。

〇業務用マーケット

昨年11月からテスト展開していた小規模の飲食店向けの「タッピー」は一番搾りとキリンのサワーを3ℓペットで提供するタップサービス。

「15ℓや20ℓの生樽に比べて、少量のため回転が速いので鮮度が良いというメリットもある。ペットボトルなので軽量で交換も楽。ビールを通すホースが従来よりも短いため、液ロスが少なく、ディスペンサーの洗浄の手間も大幅に軽減。輸送の際も積載効率が高くなり物流コストも削減できる。『おいしい』『かんたん』『オトク』をキーワードに、2021年の全国展開を目指す」(布施社長)

〇キリン グリーンズフリー

コロナ禍における健康意識の高まりを背景に、糖質オフ・ゼロ系ビール類、ノンアルコールビール飲料の需要が今年はさらに高まるとみている。2020年に発売したノンアルコール・ビールテイスト飲料「キリン グリーンズフリー」は、「おいしいノンアル」として注目された。

ノンアルビールジャンルにユーザーが共通して求めているのは「おいしさ」。「ビールとは違う人工的な味がする」「もっとおいしいノンアルビールが欲しい」といったユーザーの不満をクリアできる「おいしさ」を目指して、グリーンズフリーは2021年に大幅リニューアルを行う。

麦やホップを主原料につくると麦汁由来の独特の香気が目立つため、麦・ホップなどのビール原材料を使わなかったり、香料・甘味料を使用したりするのが一般的なノンアルビールの作り方だが、グリーンズフリーのリニューアルでは、素材の良さを丁寧に引き出す日本初の新製法を採用した。

ビールと同じ麦芽・大麦とみずみずしい香りの希少ホップ「ネルソンソーヴィン」を新たに一部使用し、爽快な味わいと、雑味なくすっきりとした後味を実現。香料、添加物は一切使用しない自然由来のおいしさが特長になっている。

【AJの読み】コロナ禍で家飲み需要が拡大する中、ビール類も二極化

昨年10月の酒税改正で、狭義のビール、いわゆる本当のビールは値下がりし、新ジャンルのビール類は値上がりした。とはいえコロナ禍で先行き不透明な中、少しでも節約したいと、予想以上に新ジャンルが落ちていないことが「本麒麟」の例からもうかがえる。

一方で、家で飲むからこそおいしいものを選びたいと、クラフトビールのような高付加価値のビールも伸びている。ECサイトを利用する機会が増えたことで、スーパーやコンビニでは売っていない銘柄を試してみて、おいしさにハマりリピート購入するパターンも多いのではないだろうか。

年明けに緊急事態宣言が再び発出され、外出自粛が続く中で家飲み需要もさらに拡大しそうだが、家飲みビール類でも「何を飲むか」が二極化しているようだ。

文/阿部純子

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