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生活者はSDGsとどう向き合って暮らしていくべきか?

2021.01.21

持続可能な開発目標「SDGs」について、考え、どんなアクションを起こすべきか、ひとりひとりが考える必要がある。

今、世界でSDGsはどう捉えられ、どのような動きが起きているか、生活者にとって世界の潮流でもあるSDGsをどう捉えどう関わればよいか。そのヒントを、マーケティングコンサルタントの谷口正和氏へのインタビューから探ってみたい。

2021年1月末に「SDGs全国フォーラム長野2020」開催

2021年1月30日(土)、31日(日)の2日間にわたって、長野県が「SDGs全国フォーラム長野2020」を開催する。人生100年時代の新しいライフスタイルの提案や、SDGs達成に向けた先進事例等の共有・横展開を図る目的だ。

長野県は、総合5か年計画「しあわせ信州創造プラン2.0」にSDGsの理念を反映し、「確かな暮らしが営まれる美しい信州」として、「誰一人取り残さない」「持続可能な地域・社会」の実現を目指すなど、SDGsに率先して取り組んでいる。

同フォーラムでは、「SDGs時代のライフスタイルと持続可能な地域づくり」として、マーケティングコンサルタントで、(株)ジャパンライフデザインシステムズの代表取締役社長・谷口正和氏による基調講演や、専門家によるパネルディスカッション、クロージングトークなどが行われる。また「SDGs推進における地方自治体の役割」として、京都大学こころの未来研究センター教授の広井良典氏による基調講演や専門家によるパネルディスカッションも行われる。

参加は無料で、事前申し込みが必要。オンラインで同時配信する。

今回は、基調講演・パネリスト・クロージングトークにて登壇する谷口氏に、同フォーラムやSDGsについてのインタビューを行った。

―生活者が「SDGs全国フォーラム長野2020」に参加することで、どんな気づきが得られそうか、メリットをお教えください。

【取材協力】

谷口正和氏
マーケティングコンサルタント/(株)ジャパンライフデザインシステムズ 代表取締役社長
京都生まれ。武蔵野美術大学造形学部産業デザイン学科卒業。生命、生活、人生の在り方を問う「ライフデザイン」を企業理念そのものとし、地球と個人の時代を見据えて常に次なる価値観のニューモデルを提示し続ける。コンセプト・プロデュースから経営コンサルテーション、企業戦略立案、地域活性計画まで幅広く活動。
日本デザインコンサルタント協会・副代表理事、日本小売業協会・生活者委員会コーディネーター、日本オリーブ協会・理事、石垣市観光アドバイザー、立命館大学大学院経営管理研究科・教授(2003年4月~2013年3月)/客員教授(~2020年3月)、武蔵野美術大学評議員を務める。

「このたびのフォーラムは、SDGsの未来社会についてさまざまな切り口、スタイルで多角的な意見交換がなされます。それは地球レベルから国、地域、そして個人のレベルとあらゆる階層にまたがるものです。その意味では、これからの社会や生活のあり方のヒントとなることも多いでしょう。長野県は、豊かで多様な自然と歴史文化を背景にした丁寧な暮らしが営まれている、言わば『生活芸術』の国です。だから長野県ならではのSDGsのカタチがあってよいのではないかと思っています。ぜひともこの場に積極的に参加し、そうした気づきを得、そしてまたそれを自らの暮らしの中に落とし込んで考えていただければと思います。世の中を変えるのは大きな力ではなく、一人ひとりの暮らしの中の小さな行動だと思います」

日本のSDGsの状況と未来

―今世界でSDGsが注目されており、さまざまな活動が行われていますが、日本における活動についてどのようにお考えですか。

「SDGsは、項目別に17のゴールが設定されているので、ゴールに向けてビジョンを持つためのヒントは提供していますが、それが戦略的に体系化されているわけではありません。これ自体はどちらかといえば、キャンペーン的な意味合いが強いように思います。

ただ、サステナブル社会の実現に向けて様々なキャンペーンをやり、認識を持って項目に向き合えば、それと連動して変化の速度も上がるのではないでしょうか。そのためには本当の意味で、SDGsがどのような社会創造とつながっているのか、そのコアコンセプトとしてどういう認識があるのか、といったことを突き詰めることが大切になります。『自社の事業目標の一つに入れてます』ということではなく、大局的に言えば、新しい地球社会に生きる市民自らが地球を経営するという姿。この実現のために、地球レベルのネットワークをさらに活性化させていくことが重要だと思います」

生活者はSDGsとどう向き合うべきか

―私たち生活者は、SDGsをどう捉え、どう関わればよいかお考えをお聞かせください。

「社会の価値認識は例えば、『最大化』から『最適化』へ、『成長』から『成熟』へ、『量』から『質』へという具合に変化しており、ものごとはよりレスに、ライトに、スモールに動くという『サイズ革命』の様相をも呈しています。そしてその集約されたものが生活者個人なのです。だからさらなる自己投資や自己学習を通じて個人を強靭化し、自律性高く成長させ、何度でもその社会的役割を果たせるような存在を目指すことが求められるのです。

生活者として考えるならば、まずは日々の暮らしの中で『自己解決領域』を強化するということです。つまり、自らが主体となって小さな生活課題解決に取り組み、実際に行動してみるということです。他者依存、環境依存、自分以外の変化に頼っていてはなかなか進みません。

田舎に移り住んで暮らしていくにしても、日常の中でこの自己解決領域を増やしていかないとうまくいきません。例えば、料理でも洗濯でもとにかく無駄を出さないようにする姿勢。エコロジーに対してのロス、量を追わないということでもよいでしょう。個人の問題として考えても、生産性だけを求め、量的な成長を体質化したままでいると、結局は口先だけで終わってしまいますから。

エコロジストは、どこかのSDGs的世界にいるのではなく、まさに自分自身であるという認識を持つことが大切です。その連鎖が新しい社会の波を生むのです」

新型コロナウイルス感染症とSDGsの関わりについて

―新型コロナウイルス感染症とSDGsの関わりについて、各所で言及されていますが、谷口さんはどのようにお考えですか。

「これまでの社会は、言わば『オーバープロダクト』の流れの中にあり、いまだサステナブルデベロップメントというより、『オーバーデベロップメント』が目立つように思います。例えば、使用目的も明確になっていないままに、5年後に完成予定のビルの設計が決まっているという話もよく聞きます。ただ、このコロナ禍において、もはや都心は人が集まらない場所になってしまい、人々は分散化する方向にあります。SDGsも、すでにあるものを活用するという構造の中でプログラムの実践を考えないと、また新しいものを作るということになってしまいます。

2030年までのSDGsの達成を本気で目指すならば、強いリーダーシップが必要なのは明白です。例えば、カリフォルニア州知事は新車のガソリン車販売を2035年までに中止すると宣言しました。『脱オーバープロダクト』を進めるにも、ルールやマナーを超えて、時には法的拘束力も伴うような思い切ったやり方でコアの流れをつくらないと、周辺に広がっていきません。批判を受けてもリーダーシップを発揮することに果敢に挑戦する人材がどれだけ出てくるのか。コロナ禍は、良くも悪くも世界のリーダーシップのあり様を浮き彫りにしました。そしてこのことがSDGsの達成に及ぼす影響は小さくないと見ています」

SDGsは、企業や組織に所属する一人としてはもちろん、個人としても関心を持ち、積極的に生活の中で実践していく時代になるのかもしれない。この機会に同フォーラムに参加してみることで、何らかの一歩を踏み出せるだろう。

【参考】
「SDGs全国フォーラム長野2020」
https://shinshu-sdgshiroba.com/forum/

取材・文/石原亜香利

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