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話し方講師が解説!「あがり症」は〝クマの正体を暴く〟ことで克服できる

2021.01.24

人前でしゃべることが怖い。失敗したらどうしよう……。特に大勢の人の前でしゃべるときに、あがりがひどい。ビジネスシーンにおいて、スピーチやプレゼン、セミナーなどの機会ではこうしたあがり症がネックになることもある。

世の中にはたくさんの克服法がいわれているが、今回は、話し方講師の木村圭さんに、あがり症を治す方法として、「クマの正体を暴いて」治すという、ちょっと変わった方法を伝授してもらった。

“クマの正体を暴いて”あがり症を治すとは

木村さんは、クマの正体を暴いてあがり症を治す方法を、講座などで伝えている。果たしてクマの正体を暴くとは―?

【取材協力】

木村 圭さん
話し方講師/スピーチライター。生徒一人ひとりの悩みに合わせた完全オーダーメイド制レッスンにより、GoogleレビューでALL5つ星、日本最大級のまなびのマーケット「ストアカ」で全国の話し方教室ランキング1位にランクイン。想いを言葉にするスピーチライターとしても活躍中。商工会議所やロータリークラブ会長の挨拶、市議会議員立候補者の選挙演説等のスピーチ作成実績あり。
https://kojintoshite.com

「あがり症というのは、病気ではなく、過度な緊張状態になることで誰でもなるものです。その主な原因は、恐怖や不安を感じることで、ノルアドレナリンが分泌され、血圧や心拍数があがるためといわれます。

例えば、目の前に“野生のクマ”が表れたら誰でも恐怖や不安を感じ緊張して、手足が冷たくなったり、息が荒くなったりします。これはその恐怖や不安からどう逃げるか、解決策を導くため脳に血液や酸素を集中して送っているためです。つまり緊張というのは、生物の自己防衛機能ということができます。

ところで、目の前に現れたクマが実は“着ぐるみのクマ”であったとわかったらどうでしょうか。おそらくほとんどの人が『なんだ……』と脱力して緊張が解けるのではないでしょうか。あがり症も自己防衛機能である緊張が極度に表出したものと考えるならば、恐怖や不安の対象となっているものが何なのか、正体を暴くことで改善することができると考えられます。目の前にいるのが野生のクマ、つまり“本当に恐怖や不安の対象とするもの”ではなく、着ぐるみのクマだとわかれば緊張が不要になります。そのプロセスを実際のあがるシーンに応用したのが『クマの正体を暴いてあがり症を治す方法』です」

クマの正体を暴く3ステップ

では、早速、このクマの正体を暴くステップを見ていこう。木村さんは、3つのステップを踏むのを提案する。

1.自分にとってのクマを見つける

「最初に、自分にとってのクマが何なのかを見つけるため、条件を整理します。条件を整理するというのは、あがってしまう状況を環境や相手、背景などに細かく分けて考えることです。例えば『人前であがってしまう』という場合は、相手が誰であってもあがってしまうのか、それとも社内の人が相手なら大丈夫だけど、社外の人ならダメなのか。あるいは、社内外どちらも大丈夫だけど、それがコンペ形式だとダメなのか。このように自分があがってしまう条件を細かく整理していきます。条件を細かく整理していくことによって、自分にとってのクマが何なのかが見つかります」

2.恐怖の対象を明らかにする

「自分にとってのクマがわかったら、なぜそのクマが恐怖に感じるのかを考えましょう。例えば、社内の人向けにプレゼンするのは大丈夫だけど、その中に自分の上司がいたときだけあがってしまうという場合、恐怖の対象となっているのは、人前で話すことや、プレゼンをすることではなく、上司ということになります。

そこから、なぜ上司が恐怖の対象なのかを掘り下げていくと、『今回のプレゼンが直接自分の評価に結びつくから』のような理由が出てくると思います。そこからさらに『なぜ評価に結びつくことが恐怖に感じるのか?』と掘り下げていくと『悪い評価をされてしまうかもしれないから』というような理由がまた出てくると思います。

このように恐怖の対象が何なのか、繰り返し掘り下げていき、これ以上、出てこない状態にまですると、真の恐怖の対象が明らかになります」

3.本当にクマなのかを考える

「恐怖の対象を明らかにしたら、最後はそれが本当にクマなのかを考えます。あがり症のように極度な緊張が出てしまうのは、目の前の出来事を恐怖として捉えているからです。でもあなたの目の前の出来事は本当に恐怖として捉えるべきものなのでしょうか。

例えば、2で恐怖の対象が『上司に悪い評価をされてしまうかもしれない』と分かった場合、確かに悪い評価をされるのは嫌だし恐怖だと思います。しかし『悪い評価をされるかもしれない』というのは、単なる推測でしかありません。逆を言えば『良い評価をされるかもしれない』可能性もあるわけです。絶対に悪い評価をされるのであれば、それは恐怖の対象、つまり野生のクマともいえます。しかし、『絶対に悪い評価をされる』かどうかなんてやってみなければわかりませんよね。つまり2で明らかにした恐怖の対象は、本来なら恐れる必要のないことだということがわかります」

「このように、1.自分にとってのクマを見つける、2.恐怖の対象を明らかにする、3.本当にクマなのかを考えるをひと通り行うことで、野生のクマだと思っていた恐怖の対象も、実は着ぐるみのクマだったんだということに気づけるはずです」

あがり症が治った事例

この方法を使い、あがり症が実際に治った事例があるという。どのようなプロセスを踏んだのか、参考にしよう。

「公務員のAさん(女性)は、子どもの頃から人前で話すのが苦手で、手足が震えたり、話している途中で頭の中が真っ白になったりしていました。つい最近も、お仕事の関連で、学生が行うプレゼン大会のゲストとして呼ばれましたが、そこで感想を述べる際に、自分でも何を言いたいのかわからなくなってしまうくらい緊張してしまったそうです。

彼女のクマが何なのか掘り下げていったところ、どうやら子どもの頃から声が大きく、ハキハキと喋ることから周囲からは『できる人』と思われていたようです。

そこでさらに掘り下げて聞いていったところ、『周囲が私をできる人だと期待しているのに、その期待に応えられないかもしれない』ということが恐怖の対象になっていることがわかりました。

そこから、『周囲の期待というのは自分でコントロールできるものではない、コントロールできないことを気にして恐れても仕方ない』と考えるようになりました。また、期待に応えられないかもしれないという恐怖は、準備の足りなさを裏付けているに過ぎないため、応えられないかもしれないと考えるのではなく、『応えられるよう準備を万端にしていこう』とポジティブに考えられるようになりました。

その結果、その後も同じようなイベントに出席する機会があったそうですが、あがらず自分の考えをしっかりまとめて話すことができるようになったとのことです」

考案したきっかけ

このクマの正体を暴いてあがり症を治す方法は、木村さん自身、どのようなきっかけで考案したのか。

「これまで160名以上の受講生にレッスンをしているのですが、あがり症で悩む人はその半分くらいいます。当初は専門的な言葉を使い、心理学面からのアプローチを試みていました。しかしあがり症というのは病気ではなく、どう解釈しているかがすべてです。そのため、自ら偏った解釈に気づき、納得感をもって受け入れてもらえるかが重要なのですが、専門的な説明だとそもそも話に付いていけない人も多くいました。

そんなある日、テレビを見ていたら芸人さんがリアルな動物に扮して動物園の檻に入り、ターゲットを騙すというどっきりカメラのような番組がやっていました。ターゲットは最初檻の中の動物を本物の動物だと思って見ているのですが、時間が経つにつれて、本物の動物ならありえないコミカルな動きをしだします。その動きをみて、ターゲットも徐々に『え、これ本物?(笑)』というようなリアクションに変わります。つまりここで、ターゲットの解釈が『動物』から『これは動物じゃない。人かも…?』に変わったわけです。このテレビ番組を見たことで、あがり症も同じように説明できるのではないかと考えました。

それから、以前のような専門的な言葉で説明するのはやめて、『あがってしまうのは、あなたにとってのクマが目の前いるからなんです。でもそのクマの正体を暴けばあがり症は改善できますよ』と説明するようになりました。それからは『話がむずかしくて理解できない』ということがなくなり、クマという例え話を用いることで、受講生も納得感を得やすくなりました」

自分のクマの正体は何か。それを探ることは、自分にとって非常に有益な体験となりそうだ。あがり症の程度はひとさまざまだが、ぜひ実践してみよう。

取材・文/石原亜香利

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