高音域の抜け感がキモチいい!ジョン・モールトン博士がチューニングしたNoble Audioの完全ワイヤレスイヤホン「FALCON2」
2021.01.13■連載/ゴン川野のPC Audio Lab
完全ワイヤレスの完成形を追求!
Noble AudioはWizardの異名を持つ、ジョン・モールトン博士が生み出したカスタムイヤモニのブランドである。その後、発売したユニバーサルモデルでも人気を博している。モールトン博士がチューニングした完全ワイヤレスイヤホンが「FALCON」だ。その後継機として、aptX Adaptive対応のクアルコム製、最新チップ「QCC3040」を採用したのが「FALCON2」なのだ。
「FALCON2」は好評だったDLCドライバーを引き続き搭載。これは樹脂層にカーボンファイバーの層を重ねた二層構造の振動板により、ワイドレンジ再生を実現したドライバーである。今回は高域の再生限界を伸ばして、再生周波数帯域が20Hz~24kHzになった。
iPhoneとも互換性のあるワイヤレス充電
モバイル機器が増えてくると面倒なのが充電作業。ケーブル端子はUSB-Cに統一されつつあるが、現実問題として新旧の機器があるため複数のケーブルが必要となる。そんな問題を根底から解決するのがワイヤレス充電だ。共通規格はQiで、iPhoneもワイヤレス充電対応のAndroidもQi対応と思って間違いない。FALCON2もQi対応なので、手持ちのワイヤレス充電器の上に、充電ケースを置くだけで充電できる。
もちろん、本機のためのワイヤレス充電器「NEST」を揃えるという方法もある。iPhoneやSamsungの最新モデルの急速充電対応でスマホの充電にも最適だ。
専用アプリでイコライジングもできる
FALCON2にはスマホ専用アプリも用意されている。「Noble Sound Suite」というアプリをインストールすれば、スマホから左右のボタンの設定、10バンドのイコライザー、マスターゲイン設定、ファームウエアの更新、外音取り込み機能のON/OFFがおこなえるのだ。さらに接続中のコーデックや左右の電池容量なども表示される。
これは本機の音質にかかわる話なのだが、FALCON2はFALCONと比較すると、高域のヌケが良くなっている。どこまでも澄み切った高原の青空のように見晴らしのいい音だ。それを邪魔しないように中低域はフラットなため、楽曲によっては低音の量感や中域の厚みが欲しくなることがある。これを解消してくれるのがイコライザー機能だ。aptX対応の高性能なDAPよりも、スマホにこそ必要な機能と言える。
FALCON2は極めて解像度が高いが、モニター的なクールな音色ではなく、ウォームな女性ボーカルを聞かせてくれるし、米津玄師「感電」(44.1kHz/16bit)の前後左右にちりばめられたような音の立体感を表現するのも得意だ。FALCON2は高音質でワイヤレスの利便性も盛り込まれた欲張りな次世代モデルだ。Bluetoothは音が悪いので有線しか聞かないというあなたも、この機会にぜひ試聴していただきたい。
写真・文/ゴン川野