
10%の企業が新型コロナウイルスの影響で給与カット
2020年は多くの企業にとって困難な年であり、新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した企業にとっては、支出を制限することが非常に重要な課題となった。
エンワールド・ジャパンの調査を読むと興味深いことに、外資系企業よりも日系企業のほうが給与や賞与の減額をしなかった企業の割合が多かったが、減額を行った日本企業は、外資系企業よりも減額幅が大きかったという結果が出ている。
1.10%の企業が新型コロナウイルスの影響で給与カットを実施。最も多いのは10%以下の削減(図1、図2)
「新型コロナウイルスの影響で、従業員の給与カットを行いましたか。」と伺ったところ、「行っていない」が最多で87%(外資系企業:84%、日系企業:91%)となり、給与カットを行った企業は全体の10%。(同:11%、7%)給与カットを実施した会社にどれぐらいカットしたか聞くと、全体で最も多いのは「1~10%」(同:59%、40%)。日系企業では「1~10%」「11~20%」が同率で40%だった。給与の変化に関する具体的なコメントも紹介しよう。
【図1】新型コロナウイルス流行の影響で、従業員の給与のカットを行いましたか。
【図2】「給与カットを行った」と回答した企業に伺います。どれぐらいカットしましたか。
給与の変化に関するフリーコメント
・全世界レベルでの昇給停止(外資系企業/製造業・工業・自動車)
・年次昇給のフリーズ(外資系企業/法務・コンプライアンス)
・給与カットを実施したが、その後業績が予想以上に回復したので払い戻した (外資系企業/医療・製薬・ライフサイエンス)
・新型コロナウイルスによる心理的不安を軽減・除去するために、給与の上積みを検討中 (日系企業/製造業・工業・自動車)
2. 11%の企業が新型コロナウイルスの影響で賞与カットを実施。最も多いのは30%以下の削減(図3、図4)
「新型コロナウイルスの影響で、従業員の賞与(ボーナス)カットを行いましたか。」と聞いたところ、「行っていない」が最多で72%(外資系企業:71%、日系企業:74%)。賞与カットを行った企業は全体の11%(同:11%、11%)となり、賞与カットを行った企業では役職に関わらず全社員を対象に実施した企業の割合が高いことが分かる。
「これから行う予定」も6%(同:6%、5%)見られました。賞与カットを実施した会社にどれぐらいカットしたか聞くと、もっとも多いのは「11~30%」(同:19%、20%)。具体的なコメントも紹介する。
【図3】新型コロナウイルス流行の影響で、従業員の賞与(ボーナス)のカットを行いましたか。
【図4】「賞与(ボーナス)のカットを行った」と回答した企業に伺います。どれぐらいカットしましたか。
賞与(ボーナス)に関するフリーコメント
・グローバル全体での会社業績が予想を上回る結果となったので臨時の一時金を支給
(外資系企業/医療・製薬・ライフサイエンス)
・特定の評価の社員を除く社員全員の賞与をカット(外資系企業/IT・通信)
・今期の業績次第(日系企業/IT・通信)
調査概要
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:269社
調査実施期間:2020年11月4日~11月10日
回答者所属企業:外資系企業社員 64%、日系企業 36%
構成/ino.
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