
1981年11月11日に発売された、全く新しいカテゴリーの“スリーター”がホンダ「ストリーム」だ。
前輪は1輪、後輪は2輪の3輪で、フロントホイールとリアホイールの連結部に「ナイトハルト機構」を採用し、コーナリングでフロントボディが左右自在にスイングする。
リア駆動軸にはデファレンシャル・クラッチを装備し、内輪と外輪の回転差数が自動的に調整され思い通りのコーナリングを実現する。
2000年に誕生したミニバン「ストリーム」の先輩
ホンダのストリームと聞くと、多くの人はミニバンの「ストリーム」を思い浮かべるかもしれない。
こちらは2000年10月27日に発売されたもので、実はスリーターのストリームの方が先輩になるのだ。
全長1665mmでホイールベースは1210mm。フロントトランクもあった
スリーターのストリームの全長は1665mm。ホイールベースは1210mmで、乾燥重量は74kgだ。大柄に見えるが実は軽量。
エンジンは空冷2サイクル49ccで、最高出力は3.8PS/6500rpmとなる。
フロントには5kgまで積載できるトランクを持ち、足下にはグローブボックスを用意。
3段階に調節できるバックレスト付大型シートも採用され、利便性は高い。
車両価格はいくらだった?
19万8000円。
後に続くスリーターシリーズの第1弾として登場し、「GYRO X」や「ロードフォックス」、「ジャスト」など様々なスリーターが誕生する先駆けとなった、エポックメイキングな1台。
高価格もあり、販売成績的に優れていたとは言い難いが、80年代ホンダの勢いを感じさせる、歴史的な名車といえるのではないだろうか。
文/中馬幹弘