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検診延期が影響?新型コロナで3大がん症例の減少幅が拡大

2021.01.04

新型コロナで3大がんの症例減が加速」していることがグローバルヘルスコンサルティング・ジャパンの調査で明らかになった。

全国544の重症患者を受け入れる大病院のうち、6月時点のデータからは全般的に患者減が回復基調にあるものの、急ぎ治療が必要ながん患者の入院減が目立っている。

過去のデータとなるが、非常に興味深い調査結果なので紹介しよう。

新型コロナで3大がんの症例減が加速

胃がん、肺がん、大腸がんの3大がんの減少幅がいずれも前月よりも拡大している。また、8月に入ってから実施したアンケート結果からは、新型コロナ感染拡大の「第2波」の影響を受けて、医療現場の混乱状況が最高水準に達していることも明らかになった。

外来、入院症例の減少幅が回復

調査した急性期病院は、全国に1757ある「DPC対象病院」と呼ばれ、全国の病床の約半数を所有している。今回の調査では、このうち3割以上が対象になっている。

調査ではDPC対象病院の診療行為を記録した「DPCデータ」を活用。これまでに3~5月のデータを分析してきた結果、対前年同月比で月を追うごとに患者の減少幅が拡大する傾向を示してきた。

ところが6月のデータ分析では、外来診療で緊急事態宣言の前の3月のレベルに、入院診療でも4月のレベルに戻りつつある。

図.1 外来症例数の前年同月比

具体的には、5月にマイナス22~24%の病院が最多だった外来の症例数(症例数はすべて延べ患者数)減は、6月にはマイナス2~4%の症例減の病院が最多になっている(調査対象は380病院)。外来ほどの回復は見られなかったが、入院についても5月の入院症例減が全体平均で21.7%だったのに対して、6月は14.0%と明らかな回復基調を示している(同544病院)。

図.2 入院症例数の前年同月比減少率(病院規模別)

がん症例減、検診延期が影響か

 全国的に患者数が多い症例別の状況を見ると、急ぎ治療が必要ながん症例の減少幅が拡大した一方、そのほかの症例はいずれも減少幅が回復していた。

図.3 予定・緊急別の入院症例数の前年同月比(症例数が多い疾病群順)

3大がんで最も症例数が多い肺がんは、対前年同月比8.2%減で減少幅は前月比1.4ポイント拡大。次いで胃がんは同19.6%減で減少幅は同8.0ポイントの拡大、大腸がん(虫垂含む結腸がん)は同9.8%で減少幅は4.1ポイント拡大だった。

一方、緊急性のない「予定入院」で最も患者数が多い白内障等は、同32.0%減で減少幅は同18.8ポイント縮小。次いで患者数が多い狭心症等は、同29.9%減で減少幅は15.6ポイント縮小。

救急車などで搬送される「緊急入院」で最も患者数が多い肺炎は、51.7%減で減少幅は2.5ポイント縮小。前月の減少幅が大きかった下痢や嘔吐などの症状を伴うウイルス性腸炎は、同54.9%で減少幅は17.6ポイントの縮小で、かぜなどの急性気管支炎等も、同86.5%で減少幅は1.5ポイント縮小で、回復あるいは底を打った感がある。

新型コロナの影響による患者数の減少要因は、供給側である病院と需要側の患者の大きく2つあると考えられる。

供給側の理由は、コロナ患者治療に医療資源を集中させるため、受診抑制や病棟閉鎖、白内障など「待てる」予定手術・検査の延期など。需要側の要因は、(1)手洗い、うがい、マスク着用などによる衛生要因(2)外出自粛や休業・休校の要請に伴う罹患減などの環境要因(3)コロナ感染リスクを懸念して不要不急の受診を控える「受診行動の変化」の大きく3つが考えられる。

緊急入院をみると、休校が解除され小児に多いウイルス性腸炎の受診率は少し戻りつつあるものの、肺炎や急性気管支炎は前年同月比の減少率は維持している。

予定入院では、4~5月の緊急事態宣言が解除されたことにより、上記の供給・需要側双方の要因が薄まり、がん以外の予定入院症例の減少幅は6月に回復基調したと考えられる。

一方、がん症例、特に3大がんはこの逆で、減少幅が拡大し続けている。

これについて今回のデータ分析を担当したGHC創業者で国際医療経済学者のアキよしかわ氏は、「手術や検診、検査の延期が影響し、数か月遅れでがん症例数の減少に繋がっている可能性が考えられる。その場合、7月以降もがん症例数の減少幅は継続して拡大すると考えられるため、今後もデータの推移を注視する必要があるでしょう」と指摘している。

構成/ino.

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