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結局のところ大手キャリアの5Gサービスはどこまで使えるようになったのか?

2021.01.05

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は2020年に始まった5Gサービスについて振り返ります。

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5Gサービスで注目のキャリアはどこだった?

房野氏:2020年から5Gサービスが始まりました。コロナ禍もあり華々しいスタートとはなりませんでしたが、各キャリアのサービスやエリアにはどういった印象を持ちましたか。

房野氏

石川氏:表向きはデータ通信量が月に100GBまでということになっていますが、キャンペーンで実質使い放題になっていたりと、ドコモは相当頑張っています。ただ、5Gエリアがまだまだ狭くて、ユーザーは4G通信をメインで使っている中、「4Gで使い放題を提供する方が便利では?」とも思ってしまいますね。それでいうと、KDDIとソフトバンクは、4Gの料金プランと5Gの料金プランがほぼ同じ形態になっているので、もう少し変えてみてもいいのかな。特にソフトバンクは動画・SNSが使い放題ですけれど、容量など内容をさらに充実させてくれたらいいかなって思います。

石川氏

石野氏:5Gに乗り換えるモチベーションとぃう意味でいうと、ドコモの評価が1番高くなります。auは先行的に4Gの料金プランを充実させたせいか、「5Gじゃなくて4Gでもよくない?」というイメージがあります。5Gの料金プランはテザリングの容量が少し上がるだけじゃんって印象ですかね。値段も少し上がりますし。という中で、ドコモは4Gだと30GB(キャンペーンで60GBまで)、5Gだと100GB(キャンペーンで無制限)とデータ通信量できっちりと差別化できています。データ通信に上限があるのと、無制限だと使い方が変わってくるのは、自分で使ってみてすぐにわかりますから。

ソフトバンクは5Gに変えるメリットが現状あまりありません。ここはもう少し考えたほうがいいのかもしれません。

石野氏

法林氏:5Gサービスとして頑張っていると思うのは、データ通信量的にはau。最初から使い放題を前提に作っているのはえらいと思います。ドコモはキャンペーンという形でやっているのは評価できるけど、“キャンペーンとして”と線を引いている当たり、ちょっと腰が引けているともいえる。エリア的な話でいうと、個人的にはドコモのほうが評価できるかな。というのは、ドコモは人が多そうな場所で体感できるようになっている。渋谷駅周辺とか、羽田空港とか。比較的ユーザーが体験しやすいところで5Gにつながるようになっているのは、評価できると思います。

法林氏

石川氏:ただ、ドコモはDSS(4Gで用いられる周波数の一部を5Gと共用する技術)を「優良誤認だ」と言ってますが、eLTEでつながっている5G表記も実際のところ、優良誤認って言えるんじゃないかなとは思います。

法林氏:言い出したらきりがないんだけどね。

石野氏:eLTEを使った5Gは、ドコモ、au、ソフトバンクともやってますからね。5Gの回線につながったとピクトが表示されても、スピードテストなどをするとすぐに4Gになってしまうところもありますが、これはeLTE(5Gの利用を想定したデータ通信の規格)が整備されている証拠。5G基地局の準備をしているということなので、4G基地局を5Gに転用しない中では、ドコモもかなり頑張っている印象を受けます。

石川氏:そう考えると、「みんな、なんちゃって5G」といわれてもしょうがないのかもしれません。

石野氏:どっちかというと、eLTEのほうが通信した瞬間に4Gになるっていう悔しさがあるかもしれませんね。

法林氏:5Gの通信速度が1Gbps超えたのは、ドコモだと羽田空港や山王パークタワー(NTTドコモ本社)の受付、auはKDDI本社のガーデンエアタワーの受付で体験したことある。あとリンクフォレストもつながりましたね。やっぱり羽田空港でつながるドコモはすごいかな。人が集まるところなので。

石野氏:渋谷のビックカメラ前あたりでも高い速度が出るらしいですね。

石川氏:あと、楽天モバイルは、東京の二子玉川が強い。

房野氏:楽天モバイルは二子玉川に5Gエリアを点ではなく面で展開できているという意見もありますがどうでしょうか。

法林氏:確かに面で展開できてるのはえらいけど、二子玉川だけじゃんとは思う。1km四方あるかないかの世界ですから。やり方としては面白いとは思うけど。

房野氏:まとめとして、現時点で5Gの通信エリアに優れているキャリアはどこになりますか。

石川氏:ドコモとauでどっこいどっこいじゃないですかね。

法林氏:それぞれに一長一短があるので、決めるのは難しいね。

石野氏:ソフトバンクも使えるところはしっかりと使えるので、そう考えると3社ともあまり変わらないかもしれません。

石川氏:エリアに関していうとあまり変わりませんが、ソフトバンクは5Gに乗り換えるモチベーションがあまり感じられないので、そこが厳しいかもしれません。

石野氏:ドコモは5Gの出力を上げているので、エリア展開はどんどん良くなってきています。ただ、どこまでエリアマップ通りに進捗するか、これが実はわかりにくいところで、出力を上げたり基地局を大きいものにしたからといって、結局使用している周波数は3.7GHzだったり4.5GHzです。ビルの中ではつながりにくかったり、障害物があるとはじかれてしまったりする。4Gのように、エリアマップ通りでうまくいくかは微妙な感じです。

5Gプランで注目はやはり楽天!?

房野氏:5Gプランの料金面はどうでしょうか。

石川氏:それはやっぱり“タダ5G”っていえる楽天モバイルが主役じゃないですかね。でも、ほぼ二子玉川でしか使えないので、4Gの料金プランに対して追加料金をとるのもどうかと思いますけど。

房野氏:楽天モバイルは通信エリア内に入っていれば素晴らしいですよね。

石野氏:使えるエリアがかなり狭い中で、タダであることを力説できる三木谷さんはすごいなと思いますよ(笑)。あれはオンライン配信だからこそできる力業かもしれませんね。一般ユーザーの中には、プラン料金0円が1年で終わってしまえば契約をやめてしまう人がいるかもしれません。ただ、もちろん満足している人もいます。例えば行動範囲があまり広くない人とかですね。とはいっても、タダだから満足しているという見方もできますが。

楽天株式会社 代表取締役会長兼社長最高執行役員 三木谷 浩史氏

石川氏:楽天はユーザー満足度が70%と発表していましたが、タダなのにこれでは、満足度が低いのでは? と思ってしまいます。

石野氏:タダだから甘めに許してくれる人がいれば、有料化を見据えてダメといっている人もいるので、現時点で満足度を出すことに合理性があるかわからないですね。個人的にはタダの間はサブ回線として使えばいいと思いますけど、メイン回線をMNPして楽天モバイルに乗り換えたユーザーで、つながりにくいと嘆いている人にとって、満足度は当然低くなるわけですから。

房野氏:楽天モバイルへの期待感は、まだあると思うので、2021年以降も頑張ってほしいですね。

石野氏:2020年を振り返りって思うのは、楽天モバイルが定期的にいろいろなアクションを起こしてくれたので、記者としては助かったってことですね(笑)。

......続く!

次回は、5Gスマートフォンの中から、特に印象的な端末について話し合う予定です。ご期待ください。

法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

構成/中馬幹弘
文/佐藤文彦

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