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Withコロナでサラリーマンの二拠点化が普及する!?タイニーハウスがもたらす新しい住まいの在り方

2021.01.14

2020年4月に発足した一般社団法人LIVING TECH協会。「人々の暮らしを、テクノロジーで豊かにする。」の実現を目指して住宅関連事業者やメーカー、流通・小売りに携わる企業が集い、ユーザーに心地良いスマートホームを段階的に進めていこうとしています。

2020年10月29日にはカンファレンス「LIVING TECH Conference 2020」を開催。全13セッションの中から、セッション4の内容を3回にわたって紹介します。

左から、ウエスギセイタさん(YADOKARI株式会社共同代表取締役)、東克紀さん(YKK AP株式会社 事業開発部 部長)、窪田国司さん(株式会社コトユニット代表取締役 主席ライフスタイルデザイナー)、上野純平さん(BCG Digital Ventures シニア プロダクトマネージャー)


※Session 4 前編※「夢が現実に! 普通のサラリーマンが脱サラせずに自由な二拠点居住ができる時代へ。」

リモートワークにより二極化する住宅ニーズ

上野(モデレーター):今回は二拠点生活についてのセッションで、住宅建築の時代変遷や事例紹介で「HACOBASEプロジェクト」のお話をし、実現に向けた課題をユーザー視点と事業者視点で話していただきます。

セッションの概要に関しては、デュアルライフ・二拠点生活というのが、今までは定年後のセカンドライフだったり、自由な働き方ができる限られた人のものと思われていましたが、コロナ禍で働き方が変わりました。それによってポジティブな面でいくとリモートワークが普及し始めて、大企業が出社を減らすなど働き方がいろいろ大きく変わっているところがあって、一般のサラリーマンが仕事を辞めずに二拠点居住が実現できる環境になってきています。

こういう環境になっている中で、今回はタイニーハウス(*1)や民泊・古民家などのプロの方々に来ていただいて、YKK APの「HACOBASEプロジェクト」をベースにしつつ、これからの働き方や住まい方について語っていただこうと思っています。

*1 2000年頃からアメリカで注目を集め始めた省スペース低コストの住宅。明確な定義はないが、ワンルームぐらいのサイズ感で一般住宅よりも大幅に低コストなのが特徴。

キーワードとしては、「普通のサラリーマン×二拠点生活」です。働き方、タイニーハウス、コミュニティハブ、そして地域と人のつながりというところで話していきます。それでは東さんからお願いします。

:はい。YKK APの東です。今回の「HACOBASE」という小屋を作ったんですけど、今は会社の中軸の事業も含めて、いろんな開発を行なっています。

ウエスギ:YADOKARIのウエスギです。僕らは、可動産やタイニーハウスなど動く空間を活用して、遊休地の再生や施設のプロデュースを行っている会社です。

窪田:私は、住宅会社、ハウスメーカー、ディベロッパーのプロデュースをやらせていただいてきました。その目線からだんだん建物のミニマル化をやっていき、いよいよ20坪台とか10坪台の家が出てくるという形になって、それであればホテルやいろんなものに繋げて使えるんじゃないかということで、今は総合的に住宅事業からの多角的事業というのをプロデュースさせていただいています。

ご存知の通り、みなさんがコロナウイルスという新しい脅威のもと、初めての年をいま動いているような状態です。約半年たって何が日本で起きていったのか? 住宅業界やタイニーハウス関係でどういうことが起きたのかを簡単に紹介させていただき、10月以降の日本の動きというのをご説明したいと思います。

(2020年10月当時)今の東京で起きていることになりますが、東京を中心に住むか、もしくは都心から半径約1時間半の間でプチ移住をして生きていくかの二分化が進んできております。時系列では、都市部と地方都市と地方という三つの経済動向がバラバラで動いています。東京もご存知の通り「withコロナ」に入り、普通の生活にいま戻りつつある状態です。

地方都市も最初はズレていたんですが、東京都と切っても離れないところに都市がありますので「withコロナ」に追い付くような形で、現在は都市部の二拠点居住やタイニーハウスを建てたいという方の受け皿をやれるようになってきています。ところが地方は、やっと「withコロナ」に入ったばかりで、「そんなことを言われても対応できない」というようなことが起きている、三つの経済圏が日本の中で起きてきているというのが今の現状です。

住宅業界から見ると、今まで注文住宅と言われるところとライフスタイル住宅と言われるところが中心だったけれど、そのお客さんたちで高級志向に移る人が何割かいて、逆にローコスト化に走る方が何割かいます。もっと言うと、ローコストではないけど「小さな家でいいじゃないか」というふうに新しく考える方々が相当出てきています。

先ほど言ったように、東京はもう「withコロナ」で半年が過ぎています。マルチハウス・マイリゾートと言われる小屋型の家を第二の避難所などで持てばどうだろうか? そんなことが叫ばれるようになっています。それに対する市場のアイデンティティが、いま出てきたところです。

上野:大きく分けると市場が高額とミニマルに分かれてきている話を窪田さんにしていただきました。そして、ミニマルと言えばやはりウエスギさんということで、ウエスギさんに住宅変遷の状況説明をお願いいたします。

ウエスギ:窪田さんが詳しく国内マーケットのトレンドを含めて押さえてくださったと思いますが、僕らは、自然災害や金融危機があった先進国のいわゆるミレニアル世代と言われるこれからカルチャーを作っていく世代が新しい暮らし方をたくさん始めていて、その辺がこれからビジネスチャンスのひとつの種になるんじゃないかなと思うので、事例をベースに紹介をさせていただきます。

スウェーデンでは、ミニハウスと言って140万円で大人ふたりのDIYで建てられる住宅があります。こういったものをサテライトとして、二地域居住をしたりする文化があります。デンマークでは、母屋とは別に自然豊かな郊外の土地でバーベキューをしたり農園をみんなでシェアして、たまにコミュニティで集まったりとか、それってすごく豊かだよねっていう。こういうことを年収が普通の中流層の人たちが普通にやっていて、サマーハウスとしてこういったライフスタイルを楽しんでいます。こういったものに多分日本人でも共感する方が多いんじゃないですかね。

こんな事例もあります。リーマンショックで世界的な金融危機があったとき、アメリカで家を持つこと自体がかなりの負債になってしまうと。そういったときにタイヤ付きのホームセンターにある部材だけを使って建てられるタイニーハウスのムーブメントが2008年以降に起きました。

こういった時から今回の「withコロナ」でもそうなんですけど、「私達の豊かさや幸せは何だっけ?」みたいなことを考えるファクターとして、小さな暮らしがフィーチャーされてたりします。その流れでインターネットの恩恵もあって場所に縛られない働き方が今回のコロナで加速したところもあるんですけれど、それがアメリカとかだとファッション化していて、中古のスクールバスの中を改造して旅をしながら暮らすような家族が現れたりしています。

メジャーリーグの現役の投手には、家が車のバンだけという、そういう象徴的なミレニアル世代が現れてきています。インスタグラムなどSNSで#バンライフ(#VAN LIFE)で検索していただくと、もう数百万の投稿が出てきます。車のバンを改造して働くオフィスにしたり、町の人たちと繋がるようなハブにする。そういったものがひとつの現象として起きています。そんなところも知っていただくと面白いんじゃないかなと思います。

そんな中で国内の企業も小さな小屋を母屋とは別に持つというライフスタイルを提案し始めています。アウトドアメーカーさん、ハウスメーカーさん、いろんなところで増えてきました。こんなところから「withコロナ」もあって、どんな時代になっていくのか、僕らも楽しみにしているような状況です。

上野:だいたい予算的には1000万円いかないぐらいですか?

ウエスギ:そうですね。安いものだと400~500万円ぐらいから。高いものでも1000万円ちょっとぐらいで、こういったものが買える時代になってきてるかなと思います。

上野:住宅は、人生で一番高い買い物と思われている中で、それがだいぶ下がっていますね。

ウエスギ:母屋に5000~6000万円ぐらいかけるのであれば、母屋を4000万円ぐらいに抑えて、その余った分でこういったライフスタイルを楽しむような小屋を買うみたいな。そういうこともすごく充実してくるんじゃないかなと思っています。

上野:なるほど。今回集まっていただいた3人に関しては、そのようなミニマルの住宅を作られているというところですが、主導で動いている「HACOBASEプロジェクト」について、東さんからご説明をお願いします。

:このプロジェクトは、窪田さんとウエスギさんと一緒に話しながら進めて、僕もあまり市場がよくわかってなかったんですけど、こういう市場があるということに気付きまして。今回の二拠点居住は普通のサラリーマンがやっているじゃないですか。まさにそれは僕自身をイメージしていると思います。今回は「HACOBASE」というものを作ったんですけど、YKK APはあくまでも建築のパーツ屋なので、これをキット化して現地で組み立てるとか、そういう形ですね。

弊社はエクステリアでサンルーフとかを作っているんですけど、それの延長線上で今の市場に合わせたものっていうのを今回のプロジェクトで彼らと話しながら進めてきました。小屋スタイルの中でもタイヤタイプとか屋根の形状がいろいろ変えられたりとかありまして、窓も選んだりできます。ユニットもそれぞれで、必要がない人はそれによっていろいろ価格が変わってくるというような仕組みになっております。

ポイントは可動産と不動産があるということなんですけど、タイヤタイプの方は、法規制も道路交通法も加味した中身になっていますので、普通に一般道路を走れるような仕様にはしています。中身のプランによって、それぞれ名前を変えて作っています。

まずはベッドも付いているタイプです。もうひとつは「HACOBASE4」。これは3坪タイプです。ちょっとやりすぎないぐらいで、手を洗う場所を用意したのが「HACOBASE4」になります。コーヒー小屋というか畑の中にポツンと置いて、そこでちょっとコーヒーを飲むぐらいの程度の休憩場所というような感じです。

「HACOBASE4」は、タイヤタイプと固定式。「HACOBASE3」は固定式だけということで、価格的にも高いものから安いものまで選べるような仕組みにしております。仕様ですが、弊社は窓屋なので、窓にはじつは3枚ガラスの樹脂窓を使っています。

コンテナは夏が暑くて冬が寒いですが、その辺を自分の家よりも快適にしたいという想いがあったものですから、ちょっと過剰って言えば過剰なのかもしれないですけど、せっかく郊外に行って体を休めようと思ったら、そこで寝る場所と住む場所も快適に過ごせたらいいなということで、そこにはすごくこだわりました。耐震性もそこそこ強いので、普通の住宅よりも小さいのはありますけど、強いし自分の家よりも快適というような、そんなコンセプトで作りました。

中編へ続く。

supported by YKK AP

取材・文/久村竜二
「HACOBASE」写真/北本祐子

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