
2020年はコロナ禍により家計に影響が出たというケースも多いのではないだろうか。新しい年を迎えるに当たって、家計を見直してみるのも一つの方法。例えばデジタル関連の費用であるサブスクなどの定額サービスの見直しや、低料金がぞくぞく発表されているスマホの見直しなど、デジタル断捨離の方法を紹介する。
「断捨離」がコロナ禍でブームに
ヴァリューズが2020年8月、国内の20歳以上の男女10,003人を対象に実施した、withコロナで変化する消費者意識に関する調査によると、新型コロナウイルス感染症の拡大により在宅時間が増えた今、「在宅時間を有意義に使いたい」と考える人は約70%に上り、在宅時間が増えて関心を持ったことについて、1位は「部屋や家の掃除・断捨離」(34.13%)、2位は「自宅でできる運動(筋トレ・ストレッチなど)」(29.53%)、3位は「料理・自炊」(24.24%)という結果となった。
在宅時間が増えて実践したことについても、1位は「部屋や家の掃除・断捨離」(27.99%)となった。
家計の断捨離をするチャンス
コロナ禍を受け、家計に影響が出ているという声が多く聞かれる。
エイチームファナジーが2020年5月、20代から50代の既婚男女437名対象に実施した「新型コロナウイルス感染症の流行前後の家計の意識調査」の結果によれば、新型コロナウイルス感染症の影響で家計に「ゆとりがなくなった」と感じている人は52.5%にも上った。
年末年始の時期に家計を見直すのも一つの方法。「家計の断捨離」といった言葉も広がっているように、無駄な支払いを削減して効率化できればなお良いだろう。
●食費や通信費の見直しを
エイチームファナジーによる同調査では、家計の見直しをするために取り組んでいることの第1位は「変動費の見直し(食費)」(49.6%)となり、次いで「変動費の見直し(食費以外)」(30.8%)、「固定費の見直し(通信費)」(23.3%)となった。食費などの変動費や通信費の見直しは、多くの人にとって着手しやすいのかもしれない。ぜひ見直してみたい。
●デジタル断捨離
外出の自粛生活により、特にデジタルサービスの利用が増えたという人も多いかもしれない。一度デジタルサービスの見直しを行い「デジタル断捨離」をするのも良いだろう。
デジタル断捨離には、どんな方法があるのか。いくつか挙げてみる。
1.WEBサービスIDやSNSアカウントの統一
ECサイトやデジタルコンテンツなどのWEBサービスやSNSなど、多岐に渡って登録している場合、IDとパスワードが複数増え、きちんと管理できていないという状態になりがちだ。
そうした場合に、IDが一種類で済むよう、利用サービスを統一して整理し、さらにお得にサービスを利用するという方法もある。例えば、普段使っていないIDやアカウントは削除するか、1つのIDで様々なサービスが使える統合系サービスに移行する。するとポイントが貯まりやすくなり、よりお得に利用できるケースもある。
例えば、1つのIDで70以上のサービスを利用できる「楽天経済圏」。楽天グループが展開するEコマースやフィンテック、デジタルコンテンツ、通信などのサービスを、楽天会員を中心としたメンバーシップを軸に有機的に結び付け、他にはない独自の「楽天エコシステム(経済圏)」が形成されている。また、楽天のサービスを利用することで「楽天ポイント」を獲得することができ、楽天が提供するサービスだけでなく、提携している街の店やオンラインサービスでの支払いにも利用できる。
こうした経済圏には「ソフトバンク経済圏」もある。楽天同様に様々なサービスを展開しており、1つのIDで様々なサービスを使うことができる。Yahoo!JAPAN IDとPayPay IDの連携により、YahooとPayPayのサービスがシームレスに利用でき、2021年3月にはLINEが統合予定で、さらにその規模が拡大する見込みだ。
2.サブスクなどの「定額サービス」の見直し
定額サービスである「サブスクリプション(通称サブスク)」の利用が、外出自粛生活でより一層増えた人も多いのではないだろうか。月額数百円からと、気軽に利用できるため、色々と登録しがちだが、改めて確認すると使っていないものや登録したことすら忘れていたものもあるかもしれない。うっかり、毎月、使っていないサブスクの費用が引き落とされていたなどのケースも耳にする。時間のある年末年始の時期に、一度見直して、不要なものは登録解除するなどして、断捨離してみるのもいいだろう。
3.「携帯電話料金」の断捨離
家計を圧迫するものとして、近年、言われているのがスマホ代だ。その携帯電話料金は、最近、格安プランが各社から発表されていることもあり、関心が高まっているのではないだろうか。
●「お得な月額料金」のシンプルプランやキャンペーンを活用
先日、NTTドコモが発表した2021年3月スタートの新料金プラン「ahamo」は月額2,980円で20GBの通信量を利用できる魅力的なプランとして記憶に新しい。直近では、ソフトバンクもオンライン専業の新ブランドを2021年3月に立ち上げ、同じく月額2,980円で20GBの通信量を利用できるプランで対抗することが発表された。
また楽天モバイルは、すでに月額2,980円で、データ通信と通話が使い放題のプラン「Rakuten UN-LIMIT V」を提供している。現在、300万名限定で1年間無料となるほか、契約時事務手数料やSIM交換手数料などは一切かからない。
このほかにも、今後、新しいシンプルでお得なプランが登場すると思われる。それらと比較しながら、キャンペーンなども活用してチャンスを逃さないようにしよう。
この年末年始で時間ができたなら、うまく家計やデジタルの断捨離を行って、新年は心機一転、お得にスッキリとした状態で始めよう。
【参考】
NTTドコモ「ahamo」
https://www.ahamobile.jp/
ソフトバンク「20GB+「LINEがギガノーカウント」を月額2,980円で提供」
https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2020/20201222_03/
楽天モバイル「Rakuten UN-LIMIT V」
https://network.mobile.rakuten.co.jp/fee/un-limit/
取材・文/石原亜香利