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集中力がアップする!?新聞を使って子どもと遊べる「しんぶんちゲーム」とは?

2020.12.30

日本新聞協会の「しんぶんち(新聞知)ゲーム」は、紙の新聞の記事を使って、自分の発想と表現で面白さを競い合うゲームだ。

昨今の紙の新聞離れの中、子どもの創造性や表現力などを伸ばすのに注目を集めている。

そこで今回は、この「しんぶんちゲーム」の脳波実験結果や、しんぶんちゲームを開発した鳥取大学の大谷直史准教授の見解、大人にとっての効果を紹介する。

「しんぶんちゲーム」とは?

しんぶんちゲームとは、日本新聞協会が鳥取大学の大谷直史准教授のもとで作られたゲームだ。

大きく分けて3種、新聞の記事を使って、自分だけの発想と表現でおもしろさを競う「コミュニケーションゲーム」、新聞の記事の中から、すばやくかつ的確に言葉や写真を探し出す速さを競う「スピードゲーム」、新聞紙を使って身体を動かしながら、知恵と工夫の上手さを競う「アクションゲーム」がある。

●「コミュニケーションゲーム」

チェンジ「お母さん」:一語を「お母さん」に変えるとおもしろい見出しを探す。
モシモ「宿題」:学校の宿題を忘れたときに使える言い訳を、見出しまたは記事から探す。

●「スピードゲーム」

アニマル:写真に写っている動物をたくさん探す。
ファー:見出しや記事の中から一番遠いと感じる言葉を探す。

●「アクションゲーム」

プレーン:新聞紙1枚を使って紙飛行機を作り、遠くまで飛ばす。
ロング:新聞紙1枚を途中で切れないようにどんどん長く破っていく。

しんぶんちゲームで遊ぶと脳波はどうなるか?実験結果

日本新聞協会は、このしんぶんちゲームを遊んでいるときの効果について、子どもたちの脳波を測定する実験で検証。

脳波測定実験から、「しんぶんちゲーム」を遊んでいる子どもたちの集中力は開始前と比べ、最大20%高まり、興味の幅も最大30%拡張したことが分かった。

また、ゲーム時の子どもたちの脳の活性・非活性と、感情の動きを安静状態と比較した結果では、ゲームをすることで、脳が活性化し、かつ、ポジティブに感じていることがわかった。

これを受け、大谷准教授は「子どもたちは自分の得意な力を使ってゲームを楽しむ一方、一緒に遊ぶ友人とのコミュニケーションの中で、苦手な分野にも楽しみながら取り組んでいる。これが興味関心の幅を広げているのではないか」と考察した。

また「子どもたちにとって新聞は一見、むずかしく感じるかもしれないが、ゲームを通じてストレスなく活字に触れるきっかけになる」と知育教材としての期待を寄せた。

しんぶんちゲームは大人も楽しめる!

集中力アップ、ポジティブになると聞いて、興味が惹かれたビジネスパーソンもいるのではないだろうか?

そこで大谷准教授に、しんぶんちゲームは大人がやっても楽しめるのかを聞いてみた。

【取材協力】
大谷直史さん
鳥取大学准教授
鳥取大学准教授鳥取大学 教育支援・国際交流推進機構教員養成センター教員養成部門

「むしろ大人のほうが楽しいのではないかと思っていますが、『ファー』『チェンジ「お母さん」』『ロング』あたりが、これまでやってきた中でうけているようです。

すべてのゲームに言えることですが、このゲームは、情報を得る手段として使っている新聞紙を、いつもとは違った角度で関わろうとするものです。その角度がちょうどよいときに、おもしろいと感じるのだろうと思います」

ファー:見出しや記事の中から一番遠いと感じる言葉を探す。
チェンジ「お母さん」:一語を「お母さん」に変えるとおもしろい見出しを探す。
ロング:新聞紙1枚を途中で切れないようにどんどん長く破っていく。

大谷准教授は、大人におすすめの『ファー』『チェンジ「お母さん」』『ロング』について解説する。

「ファーでは、最初はみんな地名を答えます。たいていはアメリカや月あたりまでは行きます。そこからさらに『天国』であるとか『ウィンブルドン』『幸せ』など、遠さの意味が異なる言葉が出てくれば、単に遠い場所を探す競争から一転して発想力の勝負に変わります。この切り替わりがおもしろいところです。

この点、チェンジ『お母さん』は、発想力なしでもただ言葉を当てはめていけば、言葉のほうから意味がズレていくので、簡単に言葉の多義性と戯(たわむ)れることができます。このズレていくこと自体が『遊び』なのです。ある程度の不謹慎な発言も、ゲームだからということで許容度もあるでしょう。合理性が追及される社会のなかで、不真面目になってみることが必要だと考えています。

ロングなどの工作系は、比較的、技術力の勝負になりがちですが、相手が新聞紙なので、そううまくはいきません。身体を使って紙としての新聞と関わることは電子媒体ではできません。いつもは手にするだけのものを破ってみる、無駄に使ってみることが、有用性に取りつかれた大人には必要だと思っています」

大人の仕事にも良い影響はある?

ところで、子どもに対する脳波測定実験では、集中力が最大20%、興味の幅が最大30%拡張したとのことだが、大人ではどうなのだろうか。

もし集中力が高まるとすれば、仕事への良い影響も期待したくなる。

「大人を対象としては予備実験しか行っていませんが、おおむね子どもと同じ結果かと考えています。とりわけ興味や活性度が高くなる印象があります。ただおそらく、直接的に仕事の役には立ちません。というよりもたってもらっては困ると言うか、ゲームは本来、無駄な遠回りであるからです。

もちろん一緒にゲームした仲間の関係がよくなるとか、気分転換ができて仕事に集中できるといった副次的な効果が発生するとは思いますが、それ自体は目指されるものではありません。意識するとうまくいかないためです。ただ、仕事によっては、発想の転換という手法が役に立つことはあるかもしれません。

これは子どもでも同じことで、文章力を身に付けたいのであれば勉強したほうが効率はよいでしょう。ただし、現在言われている主体性や協調性など非認知的能力については効果があるだろうと思います。どちらかといえば、『生活を充実するために』『世界を楽しく生きるために』という方向で考えていただいたほうがよいように思います。その結果として仕事も頑張るというのがよいでしょう」

このしんぶんちゲーム、2020年10月には、これまで21種類だったところに、9種類のゲームが追加され、30種類となった。「しんぶんの“ワッ!”」キャンペーン特設サイトで、無料ダウンロードできるので、ぜひ遊んでみよう。

年末年始に自宅で何かアナログな遊びを子どもと一緒にしたいというときに、ぴったりの遊びともいえる。

【参考】
新聞科学研究所「しんぶんの”ワッ!”」
https://np-labo.com/shinbun_wa/

取材・文/石原亜香利

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