社内オンライン会議の冒頭2分はビデオをオンに
オンライン会議の際、Webカメラのビデオ映像をオンにするかオフにするのかは、様々な議論があります。354社を調べたところ、ビデオ映像をオンにすることを推奨していない企業が何と67%もありました。映像をネットワークに流すことで社内のネットワーク帯域を圧迫させてしまうため、情報システム部門などが使用制限を出していることが、理由のひとつとして挙げられます。
ZoomやTeamsなどの主要なオンライン会議サービスで、どれぐらいのネットワーク帯域が必要になるかを調べたところ、HDビデオの映像を流す場合は参加者側に1Mbps(下り)帯域が必要なことがわかりました。ただし、ビデオ映像をオンにする人が多いと、その人数に応じて正比例で負荷がかかるわけではありません。複数人でビデオをオンにする場合は、1Mbps程度のネットワーク帯域があれば大丈夫でしょう。
テレワークでは腹を割って話す〝心理的安全性〟を確保することが何よりも必要です。オンライン会議の冒頭2分間だけでもビデオをオンにして雑談を交わしたほうが、テレワークの孤立感は減り、一体感を持って議論を活発に行なえるのです。その結果、過剰な気遣いも減り、無駄な作業もしなくなります。冒頭2分だけビデオをオンにするのであれば、ネットワークへの負荷も限定的なので、実践してみてはいかがでしょうか。
顧客の対応はビデオをオンが基本
コロナ禍の影響もあり、企業の意思決定者のうち、15%がオンライン営業を受け入れると回答しています。オンライン営業に関する行動実験を18社で行なったところ、ビデオをオフにするケースとビデオをオンにするケースでは顧客の満足度に40%以上の開きがあることがわかりました。
特に新規の営業は、ビデオをオンにしたほうが信頼性や親近感が高まり、その後の会話が弾むことがわかっています。そのため、顧客対応の場合はビデオをオンにするのを前提に準備すべきです。
Webカメラは目線の高さに設置
オンライン会議では、様々な専門機器を使って、高解像度なビデオカメラや一眼レフの映像を流すことも可能です。しかし、高価な機器を用意しても、それで必ずしも相手のハートを射抜ける保証はなく、案件の成約率が高められるわけではありません。高価なものを用意することよりも、配置に工夫することこそが重要なのです。
多くのビジネスパーソンは、ノートPCに内蔵されたカメラを使うことが多いはずです。しかし、ノートPCの内蔵カメラは、利用者の目線よりも下に配置されているため、下から覗き込むような映像になってしまいます。
そのため、実際よりも暗い表情になったり、怖い表情になったり、時には懐中電灯で下から顔を照らしたようなおぞましい映像になることもあります。ちなみに、18社にアンケートを取ったところ、オンライン会議のビデオ映像が実際よりも悪く映ると答えた人は74%もいました。
この問題を解決するためには、カメラを目線の位置に持ってくるようにしましょう。
例えば、PCスタンドや段ボールなどを使って、ノートPCのカメラをオンライン会議の時だけ目線の位置まで上げてみます。こうすることで、オンライン会議の参加者と目線が合いやすくなり、より明るい表情でコミュニケーションを図れるようになるでしょう。
映像の明るさ不足はスマホのライトでカバー
前述のような目線を合わせる工夫を凝らしても、光量が足らず、暗い表情に映ってしまうこともあります。そんな時には、スマホを活用しましょう。懐中電灯アプリを起動し、顔に当たるようにスマホを設置します。これだけでも、印象が大きく変わるはずです。映像のプロが使うような大型ライトを用意する必要はありません。
『人は見た目が9割』(新潮社)というビジネス書がベストセラーになったように、表情の映り方はとても重要です。オンライン会議での自身の見た目をちょっとした工夫で改善してみてください。
ノートPCをスタンドに載せれば、目線が合いやすくなる。
オンライン会議でスマホの懐中電灯アプリを活用している例。別途、スタンドを用意すれば、スマホをしっかりと固定できる。
[脱パワポ][音声入力][クラウド編集]
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越川慎司/全員がテレワークで週休3日のクロスリバーで代表を務める。約700名のほぼ全員がリモートワークのキャスターの事業責任者も兼任。自著11冊、最新著書は『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。