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新型コロナにも負けずに業績を上げている企業に学ぶ経営の本質

2021.01.02

 コロナウィルス感染拡大の影響が深刻な状態です。第1波、2波ほど消費は落ち込まないだろうという観測もあるようですが、例年の年末に比べるとその影響は楽観できるものではないでしょう。私は、約150社の中小企業に対して組織、人材のコンサルティングを行っていますが、感染状況が現状より悪化したとしても、その結果を維持、あるいはさらに伸ばすことに自信を見せる社長もいます。一方、対応に遅れた企業では、未だ効果的な具体策を打てずに低迷を続けています。

 実際、クライアントの動向とその業績を注視していると、第1波に素早く対応できた企業は、業績の落ち込みは一時的で業績は伸び続けているのです。では、第1波、第2波を乗り切った中小企業は、どうやって業績回復を実現したのでしょうか。ここで、2社の事例をご紹介しましょう。

業績が落ちても組織の士気が上がっていた理由

 一つ目の企業が業績向上を果たした要因は、「会社と全社員が未来を共有していた」ことでした。この会社では、8年前から事業計画を作成し、10年先までの数値目標を全社員に示すとともに、ここに到達したときの会社の姿を「ビジョン」として明確化していました。もちろん、現状より高いステージを目指していく必要性があるわけですから、実現に向けた社員に求める人材像を明確にし、その成長も「評価制度」を通じて支援し続けていました。

 こうした中、コロナが襲いかかります。一部モチベーションが低下した社員もいて、4〜6月は業績も前年を下回りました。ところが、組織全体の士気はむしろ上がっていました。それは、10年先に「地域いちばんの優良企業、業界をリードする企業」というビジョンを掲げ、全社員がこれに向かって成長し続けるという意識が浸透していたからです。

 目の前の不況ではなく、未来の理想の組織に照準を定めていた結果、足元の一時的な業績の落ち込みがあったとしても必ず克服して成長軌道に乗らなければならない。「業界をリードする企業」だから業界の中ではいちばんに回復を果たさなければならないし、「地域いちばんの優良企業」として、地域でもお手本として目指される会社とならなければならないという自覚を全社員が持ち続けることができたのです。

 目先のことだけしか見えない、考えられないときこそ、遠い未来を見つめ、今なにをやらなければならないかを考える。どんなときでも必要な視点です。

目標を上回る業績アップのカギは「PDCA」

 2社目は、PDCAを全社員で回していくことが定着していたことで、難局を乗り切って成長しています。この会社は、「アクションプラン」という会社の戦略を推進していく計画に3年前から取り組んでいました。こちらもコロナ後、一時的に業績が落ち込んだものの、現在は前年どころか目標も上回って、まさにピンチをチャンスに変えることができた事例といえるでしょう。

 この状態を実現したのが「アクションプラン会議」です。アクションプラン会議とは、毎月社長、幹部、リーダーが参加して3時間かけて実施します。先に挙げたように、ここで戦略の推進を行うわけですが、その手順をご紹介します。

 まず、期初に戦略を推進するための実行計画であるアクションプランを立案し、成果指標を明確にしたうえで年間計画を作成します。アクションプランは20項目前後です。各アクションプランを幹部、リーダーが責任者となって担当し、計画にもとづいて実行します。
 この進捗状況や課題を「アクションプラン会議」で毎月報告、共有しながら、成果指標の達成に取り組んでいくのです。いわば、会社の目標達成のためのアクションプランのPDCAを、「アクションプラン会議」を通じて回していくのです。もちろん、各担当責任者はその実行プロセスで、自分の部下に役割を割り振り、部下全員がそのPDCAを回しているかを常にモニターし、必要に応じて指導、アドバイスを行います。

 このPDCAが回っていたため、コロナの影響が懸念された3月の「アクションプラン会議」から戦略の方向転換やアクションプランの見直し、追加に全リーダーで取り組み、4月の「アクションプラン会議」ではコロナ対策を十分に織り込んだアクションプランが動き始めていたのです。これが奏功し、5〜6月にはすでに新たなアクションプランの効果が見え始め、8月には目標達成、9月からは目標も上回る結果を出すことができました。

 どんなビジネスパーソンでも、日常求められる業務の進め方の基本中の基本、「PDCA」。しかし、全社員がこれを実行している体制が整っている会社は少ないといえるのではないでしょうか。日ごろの一つひとつの改善の積み重ねと継続がもたらした大きな成果といえるでしょう。

 コロナ対策というと、テレワークやリモート営業、支援金などの目に見える対策に真っ先に取り組みがちです。こうした対策の必要性を否定するわけではありませんが、私がクライアントの実態からお伝えできる事実は、継続的な人材の育成や企業が発展するための原則にもとづいた経営が根付いている会社は、不況をもとともせずに成長していくことができるということです。

 こうした会社は、コロナ後、さらに発展していくことは間違いないでしょう。

文/山元浩二

やまもと・こうじ。1966年、福岡県飯塚市生まれ。人事評価制度運用支援コンサルタント。成果主義、結果主義的な人事制度に異論を唱え、10年間を費やし、1000社以上の人事制度を研究。会社のビジョンを実現する人材育成を可能にした「ビジョン実現型人事評価制度」を日本で初めて開発、独自の運用理論を確立した。導入先では9割を超える社員が評価について納得しているという結果も出ており、経営者と社員双方の満足度が極めて高いコンサルティングを実現。その圧倒的な運用実績が評判を呼び、人材育成や組織づくりに失敗した企業からのオファーが殺到している。業界平均3倍超の生産性を誇る自社組織は、創業以来、13期連続増収を果たし、全国的にもめずらしい人事評価制度専門コンサルタントとしてオンリーワンの地位を築いている。https://jinjiseido.com/company/yamamoto.php

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