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雇用統計とともに重視される米国の個人消費に関する3つの指標

2021.01.04

日本時間の夜中に発表されるアメリカの指標は、朝から始まる日本市場にも大きく影響を与えます。

長期金利の指標

ニューヨーク債券市場で取引されている10年物国債利回りは、長期金利の指標となっています。

国が発行している債券は、国が潰れない限り満期時に元本が償還されるため、安全資産とみられています。そのため、新型コロナウィルスの感染拡大など景気に悪影響を与えるような事象が起こると、安全資産とされる国債が買われます。

国債は多くの人が買うと債券価格が上がり、その分金利が下がります。

例えば、額面100の満期2年の割引債券(ゼロクーポン)が98のときは、満期まで得られる利益は満期に返ってくる100と購入時の98の差額2であるため2÷98÷2年×100=1.02%で利回りが約1%となります。一方、債券価格が98ではなく99に値上がりしている場合は、差額が1で1÷99÷2年=0.505%と約0.5%に利回りが下がります。このように、債券価格と利回りはシーソーのような関係で、どちらかが上がればどちらかが下がります。

本来、景気が良く株が上がっているときは投資家がリスクを積極的にとっていき、安全資産である債券価格は下がり利回りが上がり長期金利が上がります。

しかし、最近は株高が続いているのに、債券価格も値上がりし金利が低下しています。

これは、新型コロナウィルス感染症の拡大の影響により雇用が失われるのを防ぐため、米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備理事会)は企業や個人が長期の資金を借りるときに基準金利となる長期金利を下げるため、米国債の買い入れを行う金融緩和を続けているからです。その低金利が続く中低金利で借り入れできることから、リスクをとる資金は株式市場に流れ込み米国市場は史上最高値を更新している状況です。この低金利は続くものと考えられ、元来の株高になれば債券価額が下がり長期金利が上がるという常識は通じなくなっています。

FRBの金融政策で参考にされる雇用統計

米国の雇用統計は、毎月発表される雇用に関する統計で、全部で10項目あります。

発表は毎月第1金曜日のNY時間8:30(日本時間の22:30サマータイム21:30)で、数字にサプライズがあればその発表後に大きく為替や米国株式市場が動くことがあります。

事前にある程度予想が立てられているため、大きな悪化(好転)でも予想値通りであればその前にすでに株価や為替に反映されています。予想以上の悪化(好転)だったときは大きく相場が動きます。

① 非農業部門就業者数
自営業者、農業従事者を除く約40万社、従業員数4700万人を対象とし、米国の約3分の1の雇用情勢が分かる指標
② 失業率
失業者を労働力人口で割ったもので、約6万世帯が調査対象となっています。
③ 建設業就業者数
④ 製造業就業者数
⑤ 小売業就業者数
⑥ 金融機関就業者数
⑦ 週労働時間
⑧ 平均時給
⑨ 労働参加率
⑩ 不完全雇用率(U6)

特に、①②の非農業部門就業者数と失業率の注目度が高く、FRBの金融政策の目的が雇用を守ることもあるため、この数字が金融政策の参考にされています。

また、米国はどんな理由でも通告なしに従業員を解雇できる(随意雇用原則at-will-employment doctrine)ことから、日本と較べて解雇が多く雇用の数字変動が大きく動きます。

不完全雇用率(U6)はそれほど重要視されてはいませんが、フルタイム雇用を希望している労働者がパートタイムを余儀なくされている率で、景気が悪化していく過程で増加するため景気動向を見ることができます。

GDPに占める個人消費の比率は日本が54%に対して、米国は66.5%と世界でも突出してGDPにおける個人消費の比率が高くなっています。そのため、個人消費に影響を与える雇用の指標は大変重要視されます。

(参考)消費者庁
第1部 第1章 第6節 (1)家計消費、物価の動向 | 消費者庁 (caa.go.jp)

したがって、雇用統計とともに重要視されているのが米国の個人消費に関する統計です。

個人消費をうらなう指標

■個人消費の先行きが分かる!「消費者信頼感指数」

米民間調査機関が消費者にアンケート調査をし、その結果として消費者マインドを指数化しており、消費者の購買意欲がわかります。前回の結果より数値が上がれば消費の拡大が期待でき、逆であれば消費後退が予想されます。

■FRBが参考にする「個人消費支出(PCE)」

毎月月末に米商務省が前月分の個人消費について発表する指標で、個人が物やサービスにどれだけ支出したかを示します。この指標は価格変動が大きい食品、エネルギーを含むため、これらを除いたPCEコアデフレータは、FRBがインフレ率(物価上昇率)を見極めながら金融政策を決定するときに参考にされます。そのため、PCEが上昇すれば政策金利の利上げなどが予想されます。逆に悪ければ低金利が続くことになります。

■個人消費につながる「住宅着工件数」

米商務省がひと月に新築された戸数を発表します。季節毎にばらつきがあるため、年率換算されて発表されます。住宅を新築すると、家具・家電などの耐久消費財の購入が行われことから、個人消費にも影響を与えます。また、大きな資金、借入を伴うため、景気動向、金利動向に左右されやすいのも特徴です。

番外編「サイバーマンデーオンライン支出」

サイバーマンデーオンライン支出は、インターネット通販がセールイベントを開催するサイバーマンデー(11月の第4木曜日後の月曜日)のオンラインでの支出を示します。

新型コロナウィルス感染症の影響もあり、最近ではインターネット通販が増えています。

かつては、個人消費の勢いをみるのに感謝祭の翌日(11月の第4木曜日の翌日)である「ブラックフライデー」が参考にされていました。ブラックフライデーは最近日本でも見られるようになってきましたが、売れ残り一掃セールが行われ小売店が1年で最も売上を上げる日となっており、小売店に行列等ができるのが恒例でした。

しかし、インターネット通販の増加、さらに新型コロナウィルス感染症の影響により小売店で購入する消費者が減少していることから、個人消費の勢いをみるための数字として新たに注目されています。

新型コロナウィルス感染症の世界的感染が再び拡大しています。2020年はFRBによるゼロ金利導入、米国債買い入れ、政府による現金給付があり、米個人消費最初に感染拡大した3月4月よりは持ち直しました。その上金融緩和により株式市場に資金が流れ株高となりました。この株高は景気動向というよりもFRBの金融政策によるものいえるかもしれません。今後の株式市場を見る上でFRBが金利を上げるのか?さらなる国債買い入れを行うのか?動向が重要となっており、FRBが参考にしている指標はFRBの動向を見る上で重要となるでしょう。

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文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。

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