
定年延長2025年問題
2025年までに約800万人の団塊世代が75歳以上に達し、日本は4人に1人が高齢者となる超高齢化社会へ突入する。
そこで政府は、高齢者が活躍できる環境整備を目的とした改正高年齢者雇用安定法を2021年4月に施行する。改正法は事業主の〝努力義務〟にとどまるが、定年を70歳へ引き上げるほか、転職や起業の支援、フリーランスとしての業務委託などを新たに盛り込む。
「これは70歳までの『就労機会確保法』『活躍の場確保法』と呼ぶべきもので、改正法によってセカンドキャリアの選択肢はさらに拡がります」(一般社団法人定年後研究所所長・得丸英司さん)
70歳定年に向け、現在の40〜50代はどんな準備をするべきか。
「現状維持に甘んじることなく、『自分は何をやりたいのか』『何ができるのか』を明確にすることが先決です。これまでの経験を生かして社内転職や副業に挑戦するなど、すでに多くの方がイキイキとしたセカンドキャリアを実践しています。新しいスキルを身に付けるなど、早いうちから〝積極チャレンジ派〟に転じる準備を進めるべきでしょう」(同)
定年後に備えた自分探しは、今すぐにでもスタートさせたい。
今後70歳定年が義務化したとしても、現在と同じポストを維持できるとは限らない。納得いく収入とやりがいを求めるなら、40代から第2の仕事探しやスキル磨きは不可欠だ。
70歳定年歓迎派は約4割にとどまる。65歳以降の働き方の理想は現状維持派が7割を占めたが、健康寿命の延伸もあり、次代の高齢者は積極派が増えそうだ。
取材・文/安藤政弘
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