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東洋と西洋で「幸せの尺度」が異なるのはなぜ?

2021.01.02

幸せの尺度は洋の東西で異なる

西洋と東洋とでは、幸せの捉え方が異なることを示唆する研究結果が報告された。

米国と日本で開発された2種類の幸福感の評価指標を60カ国以上の人々に適用して、その評価結果を比較検討した結果、明らかになった。研究の詳細は「PLOS ONE」に12月9日掲載された。

論文の筆頭著者である米カリフォルニア大学リバーサイド校のGwendolyn Gardiner氏によると、幸福に関する研究は、西洋の概念に焦点を当てているものが多い。

具体的には、多くの研究が、幸福とは自立した(自己中心的な)環境に関連するものと捉えている。しかし一方の東洋では、幸福は他者との協調や相互依存に関連付けられているという。

「東アジア諸国の世界観では、自己は他者と密接に関連する存在であると説明され、個人の幸福は社会における他者との絆によって規定されると考えられている。東洋の仏教、道教、儒教のイデオロギーでは、あらゆる人や物の相互の結びつきを重視しており、個人の成果よりも周囲との調和やバランスが優先される」とGardiner氏は解説している。

今回の研究は、63カ国の主として大学生、計1万5,368人(平均年齢21.93歳、女性71%)を対象として、二つの評価指標で幸福感を測定した。

評価指標のうち一つは、米国で開発された「主観的幸福感尺度」(Subjective Happiness Scale;SHS)で、もう一つは日本で開発された「協調的幸福感尺度」(Interdependent Happiness Scale;IHS)。IHSは、‘対人関係の調和’や‘周囲との成果の同等性’などの因子をより重視して評価する指標。

検討の結果、SHSは、ベルギー、デンマーク、英国などの西ヨーロッパ諸国で幸福感を評価する場合に、高い信頼性を示すことが分かった。

これらの国々は産業化が進み、人口増加率が低く、気候が寒冷という特徴があり、このような条件が当てはまる国では、概してSHSの信頼性が高い傾向があった。

ところが、この西洋型の評価指標と言えるSHSは、中国、日本、ベトナムなどの東洋諸国で幸福感の評価に用いた場合、その信頼性が高いとは言えず、アフリカ諸国でも同様だった。

一方、IHSは日本や韓国をはじめとするアジア諸国で信頼性が高く、反対に西ヨーロッパ諸国では信頼性が総じて低かった。

注目すべきこととして、米国と日本では、SHSとIHSのいずれの評価指標も、比較的高い信頼性が認められたことだ。Gardiner氏はこの点を、「意外な結果であり、大変興味深い」と語る。

「米国と日本は文化心理学において、異文化間の差異を語る際にしばしば取り上げられる、対極的な2カ国だ。それにもかかわらず今回の研究では、この2カ国から非常に似通った結果が得られた」と同氏は述べている。

その他に、アフリカ諸国や中東諸国を含め、プロテスタントや仏教の影響を受けていない国では、SHS、IHSいずれの評価指標も信頼性が十分でないことも明らかになった。(HealthDay News 2020年12月9日)

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0242718

構成/DIME編集部

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