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2021年の東京の不動産市況は?感染拡大が収まれば力強く回復する見込み

2020.12.31

2020年の東京はマンション堅調、オフィスやや弱含み

今年の春に日本を直撃したコロナショックは冬になっても鎮まることがなく、2020年はコロナ禍が吹き荒れた一年となった。この一年間、東京の不動産市況はどのように推移し、これからどうなるのか。

今回はグローバル・リンク・マネジメントが分析したレポートを見ていきたい。まずは東京都区部のマンション、オフィス市況について。

新築マンション、中古マンション市況とも底堅く推移

新築マンションの新規販売戸数は、2020年2~3月頃から若干減速傾向にあったが、政府の緊急事態宣言を受けて、4月には前年同月比42.1%減、5月には69.9%減と、供給が一気に絞り込まれた。

しかし宣言解除後の6~7月には2割程度減と回復傾向をみせた。感染拡大の第2波が訪れた8月に再び51.0%減となったものの、9月には早くも改善をみせ、10月には51.5%増と大幅な増加になっている。

このように供給面で細かい調整がなされたことで、契約率は3月以降に一度も6割を割り込むことなく推移し、1㎡当り分譲単価も前年同月比でプラスを維持し続ける結果となっている【表1、図1】。

中古マンション市況は、新築マンションよりもさらに早い回復傾向がみられる。中古マンション成約件数は、4月に前年同月比54.4%減、5月に38.9%減と急減したが、7月にはほぼ前年並みに回復し、8月には12.9%増と大きく改善した。

10月には32.7%増と活況を呈している。成約㎡単価も、3~4月を除いておおむね前年同月比でプラスを維持しており、堅調に推移している【表2、図2】。

東京都心5区のオフィスビルはやや弱含み

東京都心5区のオフィスビル平均空室率は、これまで1%台で推移してきたが、5月以降徐々に悪化し、11月には4.33%(前月比0.4ポイント増)まで上昇した。その内訳は、新築ビル2.89%、既存ビル4.38%であり、既存ビルの空室率がより悪化している。

既存ビルに、オフィスの集約や縮小の動きによる解約の影響がより現れたものと思われる。これに伴い、平均賃料も7月に2万3,014円とピークを付けたが、その後、低下をはじめ、11月には2万2,223円(前月比0.94%、211円減)となった【図3】。

それぞれの区ごとにみると、空室率では渋谷区、港区が大きく悪化し、堅調であった千代田区も7月以降やや上昇傾向にある。こうした空室率上昇を受けて、渋谷区では4月から、千代田区、港区でも7月前後から平均賃料が低下傾向に転じている【図4~5】。

このように、新築・中古マンション市況は回復傾向がみられ、堅調に推移しているが、一方、オフィス市況は、夏以降やや弱含みで推移していると言える。

【地価動向の振り返り】東京都区部主要地区は賃貸店舗・オフィス需要軽減が影響

国土交通省が四半期ごと(毎年1月・4月・7月・10月)に公表している「地価LOOKレポート」によると、2020年第3四半期(2020年7月1日~10月1日)の東京都区部主要地区の地価動向は、横ばいが16地区、下落が8地区となった。その内訳は、商業系地区は横ばい9地区、下落8地区、住宅系地区は7地区すべてが横ばいとなっている【図6】。

前回調査(2020年4月1日~7月1日)では、商業系地区の銀座中央、新宿三丁目、歌舞伎町、上野の4地区が下落に転じたが、今回はこれらに加え、丸の内、有楽町・日比谷、渋谷、池袋東口の4地区が下落傾向となったのが特徴と言える。

レポートでは、丸の内地区、有楽町・日比谷では、オフィス賃料は概ね横ばいではあるものの、来街者の減少によって賃貸店舗需要や収益性が低位で推移していることが影響し、また、渋谷では、この地区に集積するIT企業等のテレワーク導入拡大に伴うオフィス需要の減少と、賃貸店舗需要・収益の減少の双方が影響していると分析している。

一方、住宅系地区については、例えば、佃・月島で新築及び中古マンション売買取引は緊急事態宣言解除以降に徐々に回復、豊洲や品川で分譲マンション需要は底堅い、二子玉川で分譲マンション売買取引は回復基調といったように、調査地区7地区(番町、佃・月島、南青山、品川、豊洲、有明、二子玉川)のいずれにおいてもマンション需要や開発需要は引き続き底堅く、地価動向は横ばいで推移している。

【2021年の展望】世界から注目される「東京」、感染拡大が収まれば回復の期待も

TDB景気動向調査(帝国データバンクによる景気DI)によると、東京都の不動産業の景気判断は、4月に22.5と急速に悪化したが、このときを底に徐々に持ち直しをみせ、直近の11月時点で38.4まで回復した。今後の見通しでも3カ月後に39.3、6カ月後に39.6、1年後に40.8と緩やかな改善を予測している【図7】。

また、ジョーンズラングラサール(JLL)の調査によると、2020年1-9月期の東京の商業用不動産投資額が193億ドル(約2兆円)と、世界首位となったことがわかった。

前年同期の4位から躍進しており、欧米各都市よりもコロナ禍による経済的な影響が少ない東京の不動産市場が、海外の機関投資家などから選好されていると分析されている【表3】。

この秋までに持ち直しを見せ、底堅く動いていた東京の不動産市況だが、11月下旬ごろから第3波ともいうべき感染拡大がまた生じてしまった。

仮に緊急事態宣言(ロックダウン)のような状況まで事態が悪化すれば、不動産市況にも一時的にマイナスの影響を与える可能性も。しかしながら、この一年間のデータをみれば、東京の不動産市況、とりわけマンション市況は堅調に推移し、感染拡大が収まる状況になれば力強く回復する、ということが改めて確認された。

世界各国で進められたワクチン開発もようやく目途が立ち、来年前半には日本への供給も期待される。新型コロナウイルス感染の終息を迎えるようになれば、東京の不動産市況も再び活況を取り戻すことができるだろう。

都市政策の専門家 市川 宏雄 所長による分析結果統括 ~都心のオフィス需要は一時的に下がるも、マンション需要は底堅い~

今年の2月からすでに10か月が経とうとする新型コロナ禍のなかで、人々の働き方の変化が起き、居住形態や居住場所への影響が言われてきた。

また、経済の低迷による不動産市況も心配されてきた。人々が住み替えで東京を離れていくのではないか、働く場所が多様化して都心のオフィス需要が下がっていくのではないか、この2点が大きな懸念事項だった。今回、この2つの懸念についてその方向が見えてきた。

住まいについて言えば、確かに郊外に少し移り始めている傾向が見えてきている。ところが、それによって今まで続いてきた住まいの都心回帰の流れが必ずしも変わるのではないということが分かりつつある。

マンションの取引は緊急事態宣言解除後に一時回復し、感染拡大の第2波で8月に半減したものの、9月からは改善をみせ、10月には大幅な増加となっている。新築、中古ともに都心のマンションを中心とした根強い人気がある。

オフィスは経済の低迷が続く中で、需要がやや下がり始めている。夏まではあまり大きな変化がみられなかった空室率は、11月に新築ビルで2.89%、既存ビルで4.38%とやや上昇してきた。しかし、リーマンショック後に10%近くなったことを考えれば、それほど悪くはないという見方もできる。

地価については人気のある住宅地では落ちることなく横ばい、東京への不動産投資が世界で一位になったことなどを考えれば、この先数か月間のコロナによる経済の低迷は予想されるものの、その後の回復の期待ができるのではないかという楽観的な視点につながりそうなのが、今回の分析結果から見えてくる。

構成/ino.

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