
日本漢字能力検定協会が年末恒例の「今年の漢字」を発表した。2020年の世相を表す漢字一字とその理由を全国から募集した結果、1位に輝いたのは「密」だった。
■2020年「今年の漢字」トップ20
1位「密」……28,401票(13.65%)
2位「禍」……13,655票(6.56%)
3位「病」……10,369票(4.98%)
4位「新」……9,882票(4.75%)
5位「変」……7,037票(3.38%)
6位「家」……6,865票(3.30%)
7位「滅」……5,200票(2.50%)
8位「菌」……5,062票(2.43%)
9位「鬼」……4,840票(2.33%)
10位「疫」……4,082票(1.96%)
11位「粛」……3,513票(1.69%)
12位「染」……3,186票(1.53%)
13位「耐」……2,913票(1.40%)
14位「感」……2,368票(1.14%)
15位「命」……2,179票(1.05%)
16位「離」……2,171票(1.04%)
17位「災」……1,896票(0.91%)
18位「苦」……1,773票(0.85%)
19位「休」……1,762票(0.85%)
20位「悲」……1,338 票(0.64%)
今年は世界中が新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けた一年。「3密」という言葉が提唱され、生活・行動様式が「密」にならないよう国民が意識し続けた。また、政治判断が「密」室で行われたことや芸能界での「密」会報道などでも使われた年でもあった。
「密」を選んだ理由としては、次のような意見が寄せられた。
●今年はコロナ禍の影響で「密」を避ける呼びかけが目立った。そのために孤独や孤立する人が増えた気がする。いい意味での選定ではないが、これから先はいい意味で使うためにも今年の漢字として応募した。(沖縄県/82歳)
●感染防止策として避けるべき「3密」から。小池百合子都知事が近づく報道陣に対して手で制しながら「密です!」と言ったのは大きく印象づき、我々が身近で言う時も使うようになったのではないでしょうか。学術会議問題等、政治の秘密裏に行われる事象も多かった。 (岐阜県/55歳)
●コロナ禍の中、人々がこれまでいかに密接だったのかを明らかにした。身体的な「密」は今や下がりつつあるが、精神的な繋がり・「密」がより重要となってきており、技術がそれを支えてくれる事を期待しています。(栃木県/37歳)
●3密を日常生活で常に意識した一年だったから。オンライン等を使って、対面でなくても友人や職場の同僚等とコミュニケーションがとれることも知った反面、3密として避けるべき会食等が親密な人間関係の構築・維持にいかに重要かも改めて実感した。(神奈川県/29歳)
●今年は新型コロナウイルスが世界で大流行し、日本でも国や県などで対策が求められ、特に「密」閉、「密」集、「密」接の3「密」や東京都知事の「『密』です」がはやり、いろんな所で対策され、学校でも呼びかけられたから。 (長野県/15歳)
ランキング上位には「密」のほか、2位にコロナ禍の「禍」、3位に疫病の「病」が入るなど、コロナを想起させるワードが並ぶ。さらに、「鬼滅の刃」の大ヒットもあって、7位には「滅」、9位には「鬼」がランクインしているのも印象的だ。
出典元:公益財団法人 日本漢字能力検定協会
構成/こじへい
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