withコロナの生活で外食のスタイルも変わる中、2020年、女性に人気だったのがホテルの華やかな「アフタヌーンティー」だ。今やブランドとのコラボは当たり前、午前中からオーダーできたり、1人10万円という豪華版も登場するほど盛り上がっている。
今年の後半にホテルの取材を重ねるうちに、その「アフタヌーンティー」をビジネス利用する人たちが多いという話も耳にするようになった。確かに、高級なラウンジ空間で居心地はよく、適度なディスタンスも保たれ、仕事の話もしやすい。ランチやディナーは憚れるが、お茶+αならば商談に使いやすい。
そうはいっても、きらびやかなスイーツが3段トレイに乗せられて運ばれてくる豪華な「アフタヌーンティー」は、ちょっと気恥ずかしい……。そういった向きにぴったりな、ビジネスにも使え、ボリュームもたっぷりなアフタヌーンティーを2つご紹介する。
vol.1スパイス香るインディアンアフタヌーンティー
東京・数寄屋橋交差点からほど近いビルの11階、テラス席もある眺めのいいバーラウンジ「THE GREY ROOM | グレイルーム」。解放感ある空間で密を避けた打ち合わせにぴったりのラウンジである。この使い勝手がいい場所で、ぜひ味わってもらいたいのが、インドテイストの新感覚アフタヌーンティーだ。
『THE GREY ROOM アフタヌーンティー』1名、5200円(シャンパン1杯付きは6800円)。
同店は、新感覚モダンインディアンキュイジーヌで食通を魅了するレストラン「SPAICE LAB TOKYO(スパイスラボトーキョー)」の系列店。そのため、3段トレイで運ばれてはくるが(笑)、アフタヌーンティーの内容はかなりユニーク。
1段目はインドテイストのスイーツ、2段目にスコーンやタルト、3段目にはスパイスの効いたセイボリーが盛られている。メニューを見ると、1段目からインドのフェスティバルでよく食べられるシロップ漬けのケーキ「ケヴァル」や「ひよこ豆のラドゥー」など、インドの郷土菓子からインスパイアされた味がずらり。
2段目にある「スコーン」は、ほおずきのジャムとクロテッドクリーム、りんごのハチミツが添えられ、山椒や生姜風味の「ボンボンショコラ」など、これまたスパイス香る新感覚で楽しめる。
3段目は「ムング豆の煮込み〝ダル・モラダバディ」、「仔羊と5種のスパイスのサモサ」、「バターチキンを包んだ〝バオ″」など、食事にもなるしょっぱい系。
1~3段目を行き来しながら、思っていた以上に楽しく味わえる。ボリュームもかなりのものだから、遅めのランチにしても十分すぎるほど。
合わせるドリンクも、まずはインドテイストで。アッサムやカシミールなど、インド産の紅茶とスパイスをブレンドしたオリジナルのティーセレクションからスタートしたい。さらに、テイストだけでなく、育成された標高別にリストオンされたインディアンコーヒーも3種、こちらも味わって欲しい。また、昼下がりに「ちょっと飲みたい」と思ったら、シャンパン付きをオーダーするのもいいが、インディアンスパイスを効かせたオリジナルカクテルもおすすめだ。
ドライスパイスジン、スーズ、ハウスビターズ、トニックウォーターで作る「ムンバイトニック」。1800円。
(DATA)
「THE GREY ROOM | グレイルーム」
東京都中央区銀座6-4-3 GICROS GINZA GEMS 11F
TEL:03-6274-6023
無休
営業時間:アフタヌーンティー 14:00~16:00、バー16:00~24:00(L.O.23:30)
※アフタヌーンティーは要予約。状況に応じて営業時間は変更あり。
https://thegreyroomtokyo.com/
※価格はサービス料込、税別。
vol.2 アフタヌーンティーは紳士の嗜み⁉「「dunhill BAR(ダンヒル バー)」
銀座・中央通りに面した「ダンヒル銀座本店」内の2~3階にある「dunhill BAR」。2階はバーカウンター、その上の3階は落ち着いたラウンジ空間となっている。ラウンジは席間も広く、最近では、密を避けた打ち合わせの場所としての需要もあって、ドリンクや軽食を楽しみながらPCやタブレットに向かう男性の姿も多い。小腹が減る午後から夕刻にかけての打ち合わせに、ボリュームたっぷりのオリジナルアフタヌーンティーセットをオーダーするのがスマートだ。
「アフタヌーンティー」8000円(2名分、ドリンク1杯付き)。
アフタヌーンティーのフードというと、2~3段になった華やかなプレートが運ばれてくるのをイメージするが、こちらでは大皿で提供されるので、周囲に対しての気恥ずかしさがないのもいい。
フードメニューを手掛けるのは、「銀座 六雁」の総料理長、秋山能久さん。〈鯖ときゅうりのサンドイッチ〉〈ふき味噌・奥出雲和牛のローストビーフのサンドイッチ〉など、厚さ3㎝以上もあるサンドイッチが3種。ボリュームもたっぷりで、物足りなさは微塵もない。フードだけでなく器も秋山氏がプロデュースしている。
スイーツは〈ゆずスコーン〉にクロテッドクリームとゆずジャム、〈最中とあんずジャム〉〈レモンタルトケーキ〉ほか、和の素材を使ったほんのり甘酸っぱいラインアップ。甘すぎず、ちょいとつまめるサイズもちょうどいい。
そして商談やミーティングはもちろん、デートでパートナーとシェアして味わうのにも向いている。その時は、少し遅めの時間に予約して、オリジナルカクテルやスパークリングワインと一緒にアペリティフとして楽しむのがいいだろう。
DATA
「dunhill BAR」
東京都中央区銀座2-6-7 2、3階
TEL:03-6263-2158
営業時間:11:00~23:30(日曜・祝日は~20:00)
※アフタヌーンティーの提供時間は14:00~18:00(LO17:00)。席は2時間制。
不定休
※価格は税込み、サービス料なし。
URL:https://www.dunhill.com/experience/jp/dunhill-bar-ginza/
この2店舗はどちらも銀座エリアにありながら、「THE GREY ROOM | グレイルーム」はビルの11階、「dunhill BAR」はブランドショップの内階段を3階まで上がるという、ふらりと入りにくい場所にあるのが密を避ける。仕事や商談が進むという「アフタヌーンティー」で成約率アップ間違いなし⁉
取材・文/はまだふくこ