
株や投資に興味のある方なら『SQ』というワードを耳にしたことがあるかもしれない。
SQとはSpecial Quotationの略。株価指数の先物取引やオプション取引などを、決済期日で決済するための「特別清算指数」のことを指す。
本稿では、三井住友DSアセットマネジメントによる「『SQ』は日本株の転換点となるか?」と題したマーケットレポートを以下にて紹介していきたい。
『SQ』時には多様なポジションを決済
12月11日に株価指数先物とオプション取引の『SQ』を迎えた。投資家は『SQ』に向けて多様なポジションの決済等の対応を迫られた。
『SQ』前後に何らかの要因で株価が変動した場合にポジションを一気に解消する動きが出て、株価の変動率が大きくなることや相場の転換点となることがある。
ショートポジションは高水準
テクニカル指標は、日経平均株価の200日移動平均乖離率が12月7日現在で19.36%上方乖離し、強い過熱感を示した。一方、需給関連指標をみると、ネット裁定残高はピークの▲8.85億株からは縮小しているが、12月3日時点で▲3.63億株あり、ショートポジションは高水準にあると想定される。
日経平均株価を東証株価指数(TOPIX)で割ったNT倍率は4月以降急拡大して11月30日には15.0倍を上回り、日経平均株価の構成比率は上位15銘柄で50%を上回るなど、異例な状況にある。
【今後の展開】『SQ』前後が転換点か?
3月『SQ』後の19日に日経平均株価は年初来安値の16,552.83円を付けた。
その後はその際積みあがったショートポジションの買戻しがけん引して株価は上昇、同時にNT倍率も拡大する展開が続いた。
ただ今回の『SQ』を迎えるにあたって、これまでの『SQ』時に比べテクニカルやNT倍率などに強い過熱感がみられた。
『SQ』前後にショートポジションの買戻しにより株価が上昇し、ネット裁定残の売り超が解消された場合、テクニカル面の強い過熱感などから上昇相場やNT倍率の拡大は調整を迎える可能性がある。
出典元:三井住友DSアセットマネジメント株式会社
構成/こじへい
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