
2020年は新型コロナウイルス感染症対策による外出自粛の影響から、例年よりも、室内で楽しめるボードゲームなどの商品や、身体を動かして遊べるスポーツ玩具の売上が伸びている。
ハピネットの調査によると、巣ごもり需要でスポーツ玩具約2倍、ボードゲーム約1.6倍、デジタル玩具約1.5倍~「鬼滅の刃」関連商品は市場拡大し売上約14倍となっている。
2020年の玩具・ゲームにおける販売動向
コロナによる巣ごもり需要で、売上がスポーツ玩具約2倍、ボードゲーム約1.6倍、デジタル玩具約1.5倍
2020年4月から6月の前年同期売上比較で増加が顕著だったのは、スポーツ玩具、ボードゲーム、デジタル玩具など。特にスポーツ玩具商材は前年同期比90%増の約2倍の売上となった。
具体的には、ラングスジャパンの「リップスティック」シリーズなどのスポーツ玩具が前年同期と比べ約90%増、バンダイの「ドンジャラ」などのボードゲームが約65%増、バンダイの「きめつたまごっち」、セガトイズの「すみっコぐらしパソコン」「すみっコぐらしパソコンプラス」などのデジタル玩具が約55%増となった。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により巣ごもり需要が高まったことや、遠出しづらかったことなどにより自宅周辺で過ごす子どもたちが増え、自宅前や近所の公園で体を動かすためのスポーツ玩具に人気が集まったことが影響したと予想される。
「鬼滅の刃」関連の当社玩具事業における取り扱い商品点数は4月の約30点から10倍となる約300点に増加、売上は約14倍に増加
劇場版作品が大ヒットし、社会現象となっている人気コミック「鬼滅の刃」の関連商品の販売動向が売上、商品点数ともに4月から大きく伸びている。本誌連載終了の5月以降も売上が伸び続け、さらに10月の劇場版公開に伴い様々なメーカーから商品販売が進んだことから”鬼滅ブーム”が激化したことが考えられる。
また、2020年上半期に発売された関連商品では、コンビニエンスストアなどで販売しているハズレなしのくじで、フィギュアなどキャラクター商品が当たる「一番くじ」の「鬼滅の刃」シリーズが非常に高い人気を誇っている。
売上は、今年4月と、劇場版公開のあった10月で比較すると半年で約14倍に増加しており、今後もブームが続くと予想される。
コロナによる巣ごもり需要でビデオゲーム商材の売上が約1.5倍に増加
2020年4月から9月のビデオゲーム部門の売上伸び率は前年同期比約57%増となった。これは、新型コロナウイルス感染拡大対策のため外出自粛が呼び掛けられた3月に発売され、日本国内のみならず世界的に大ヒットし世界累計販売本数が2,600万本を突破したNintendo Switch用ゲーム「あつまれ どうぶつの森」や、自宅にいながら本格的なエクササイズを行える「リングフィットアドベンチャー」が好調だったことが大きく影響している。
今後も、新型コロナウイルス感染症対策の影響で巣ごもり需要が続くと予想され、ソニー・インタラクティブエンタテインメントより11月に発売された、約7年ぶりの新作ハードであるPlayStation5も好調に売上が拡大しており、今後の新作ソフトの発売に注目が集まっている。
今年のクリスマス・年末年始需要の予測および人気商品について
2020年度の販売のピークは12月の3週目から4週目と予想される。近年はECサイトを経由して早めにプレゼントを購入する層と、クリスマス直前やクリスマス後にプレゼントを購入する層との二極化の傾向が高まっている。今年は特に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、ECサイトでの販売数が増加するトレンドが色濃くなると考えられる。
クリスマス・年末年始の注目商品は「鬼滅の刃」関連と、巣ごもり需要に応える「ボードゲーム」「スポーツ玩具」「ホビー商材」
今年のクリスマス・年末年始は、新型コロナウイルスの第3波の影響から、年末年始を自宅で過ごす人が多いことが予想できる。そのため、4月の緊急事態宣言下で巣ごもり需要の高まりとともに売上が好調だったスポーツ玩具・ボードゲーム・デジタル玩具・ゲーム商材などが引き続き好調に推移すると共に、一大ブームとなっている「鬼滅の刃」関連商品のさらなる売上拡大も予想される。
加えて、年末年始休暇期間は、プライベートでのまとまった時間を自宅で過ごすこととなるため、家庭や趣味にかけられる時間が増加し、引き続き巣ごもり需要が高まると考えられ、ラジコン・プラモデルなどのホビー商材へのニーズも高まると予測される。
販売動向調査概要
調査期間:2020年4月~2020年10月および比較対象として前年同期
調査方法:当社販売データを基に作成
構成/ino.