
この1年、いや、半年ほどで急速に成長した分野がある。それは飲食物の事前注文プラットフォームだ。
代表的なのは、PayPayピックアップ。自分の現在地に近い提携飲食店舗のメニューを、来店前にオーダーできる仕組みだ。これが東京23区のみならず、全国各都市にも急拡大した。
そしてこのPayPayピックアップだが、実はPayPay×各市町村が展開する還元キャンペーンと極めて相性がいい。年末年始の料理を揃えるための手段として、PayPayピックアップを活用するのは賢明な判断と言えるかもしれない。
地域限定ポイント還元も適用!
新型コロナウイルスの猛威は、今なお我々現代人の生活に大きな影を落としている。
大人数での会食はおろか、レストランに行くこと自体もためらってしまう状況になった。そこで注目されているのが、デリバリーサービスとテイクアウトオーダーサービスである。今回の記事では、後者を取り上げたい。
PayPayピックアップは、スマホの位置情報システムと連動する。思い立った時にアプリを立ち上げ、付近にある店のメニューを閲覧して選択、そこから注文する……という流れである。
決済はもちろんPayPay残高を使う。実際にやってみると、非常に単純かつ使い勝手のいいプラットフォーム設計だということがわかる。
ところで、筆者のスマホには店の画像の左上に「最大20%戻ってくる」と表示されているのだが、これは一体何だろうか?
筆者は静岡県静岡市に住むが、その特権……と言うべきか。現在静岡市は、PayPayとのタイアップ還元キャンペーンを行っている。市内の対象店舗にて、買い物総額の20%がポイント還元されるのだ。
無論、PayPayピックアップでもこの20%は適用される。
キャンペーン期間を延長する自治体も
この記事を執筆しているのは2020年12月16日だが、今の時点でキャンペーンを展開しているのはもちろん静岡市だけではない。
東京都内では日野市、町田市、立川市、東村山市などで同様の取り組みを行っている。なお、日野市での還元率は30%。このあたりに自治体の本気度が反映されている。
東京以外の大都市ではどうだろうか。大阪府では、大阪市、柏原市、茨木市がPayPayの還元キャンペーンを実施中だ。
また、兵庫県三木市でのキャンペーンは2020年12月31日までとなっていたが、その日付に横線が引かれ2021年3月31日に訂正されている。同様に沖縄県沖縄市も2021年1月31日の日付に横線訂正され、同年2月28日がキャンペーン最終日とされた。当初予定の期間を延長する自治体も現れているのだ。
地方都市でも定着しつつあるPayPayピックアップ
このPayPayピックアップを使ってみて、特に強く感じていることがある。
それはこのプラットフォームを使いこなしている店と、そうでない店の差が今も小さくないということだ。
東京よりもキャッシュレス決済が生活インフラとして浸透し切っていない地方都市では、事業者側もその仕組みを完全に理解していないことがある。店員がオーダーに一切気づいていなかったというトラブルにも複数回遭遇してしまった。
ただし、この点は時間が解決してくれるに違いないし、現に数か月前よりも各店舗(特に個人経営の店)の店員の「慌て具合」がなくなってきた。
静岡市にこのサービスがやって来た当初は、どこの店も「PayPayを利用する客」というだけで顔色を変えていた。
が、同時に人は様々な状況に適応する。PayPayピックアップを取り入れている店舗のスタッフは、プラットフォームの使い方を今も学んでいるはずだ。
年末年始の食卓に並べるオードブルをPayPayピックアップで。これは決して悪い選択肢ではないと考えるが、いかがだろうか。
【参考】PayPay
取材・文/澤田真一