人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

コロナ禍で延期や中止が相次いだM&A、活発化が予想される2021年はどんな変化が起こるのか?

2020.12.22

コロナ禍により、国内企業のM&A事情に変化が起きている。

M&A総合研究所による2020年のM&Aの最新動向と2021年の予測レポートによれば、コロナでM&A実施の中止や延期が相次ぎ、2021年はM&Aが活発化すると予想されている。

そこで今回は、コロナ禍によるM&Aの実際の相談内容の変化や2021年にM&Aが活発化することによる影響を探る。

コロナ禍でM&Aディールの延期や中止が多数

M&A総合研究所が2020円11月に全国のM&A(買収及び売却)を検討したことがある、もしくは今後検討している経営者150名に対して、「M&Aに関する最新の意識調査」を実施した。

その結果によると、2020年にM&A(買収)を検討していた買い手側のうち半数(50.0%)が延期もしくは中止を選択したと回答した。

また2020年内に企業や事業の売却を検討していた売り手側の約8割(77.7%)が成約に向け進めていたディールが延期、もしくは中止になった、また検討したが話が具体的に進まなかったと回答した。

また、売り手側の経営者83名に対して「2021年内に条件が合えば自社もしくは事業の売却をしたいと考えていますか。」と尋ねたところ、38.5%が「はい」と回答。

その売却の目的を尋ねたところ、「不採算事業の精算」が40.6%%最も高く、次いで、「後継者不足による事業承継」が28.1%、「新規事業に向けた資金調達」が同じく28.1%となった。

この結果について、M&A総合研究所は2020年に延期や中止となったM&Aディールが多かった反動や、新型コロナによる業績悪化からの回復が芳しくないなどの理由から2021年内には売却を希望する経営者が増加していると考えられるため、2021年内のディールの増加が見込まれると予想する。

●Web経由の相談はさらに加速する見込み

コロナ禍の影響からか、M&A仲介業者への相談方法にも特徴が表れている。実際に相談した経営者のうち、44.7%が税理士や会計士を通じて相談し、26.3%が経営者が自らWebを通じて直接仲介会社に相談していた。税理士や会計士に相談する従来的な方法が、依然として最もポピュラーだが、約3割がWebを通じて直接M&A仲介業者に相談。営業マンや銀行員に相談するケースよりも高い割合を占めていた。第三者の提案を待たず、自ら能動的にM&Aに取り組む経営者も多いようだ。

M&Aについての相談を受けているM&A総合研究所の担当者は、次のように話す。

「昨今、我々もWeb経由でのお問い合わせが増加しています。要因として、まずは『後継者不在の解決手法・成長戦略等々において、M&Aの件数が世間で増加していることから、M&Aという選択肢を取ることが一般化している』という背景が挙げられます。以前はM&Aというと“身売り”などという悪いイメージがあったため、Webで検索をして見ず知らずの会社の担当者に相談するなどの手段は取りにくかったものかと存じます。

現在M&A件数が増加しており、経営者仲間や知り合いでもM&Aを実行した方がお客様の周囲でも増えてきていることから、身近に感じ、Web経由で相談をすることのハードルが下がっていったものと想定しています。また、経営者の方々のITリテラシーの向上も要因のひとつと考えており、Web経由でのご相談はさらに加速すると想定しています」

コロナ前・拡大後の相談内容の変化

M&A総合研究所に寄せられた相談内容は、コロナ前、コロナ拡大後で何か変化があったのだろうか。同所の担当者に話を聞いた。

●譲渡側からの相談

「コロナ前は『後継者不在』や『人材不足』などによる、社内的なリソースが不足している事に起因したご相談が多くありました。

コロナ拡大後は、コロナによる対外的な影響を受けているお客様からの相談数が増加しました。具体的な内容としては、業況が厳しくなった『飲食・アパレル・美容院』など店舗を持つBtoCのビジネスや、旅行・観光業関連などから、譲渡の相談をしたい旨のご連絡をいただくことが多くなりました。また、コロナの影響を直接受けていない業界のお客様からでも、今回のコロナにおいて、今後の先行き不安を感じられ、譲渡を検討されてご相談をいただくケースなどもありました」

●譲受側からの相談

「コロナ前は一定の資金力のあるお客様から、既存事業の展開や新規事業の立ち上げにて、財務内容の良好な企業の譲受を希望されるケースが多く散見されました。

コロナ拡大後は、こういったお客様に限らず、相談数自体が大きく増加しております。このコロナ禍の状況を逆にチャンスと捉えられており、業況が厳しく値下がりしている案件があると踏んで、多少業績が悪くとも割安に企業買収を進められると想定されているお客様や、コロナ収束のタイミングにて大きな成長を狙われており、今のうちから投資をしておきたい、と検討されているお客様などから、お声がけをいただける機会が増えました」

来年のM&A活発化でビジネス界にはどんな変化が起きる?

2021年はM&Aが活発化すると予想されているが、活発化することにより、ビジネス界、もしくはビジネスパーソンの周辺はどのような変化が起きるだろうか。

「今までは、『後継者不在による事業承継型』のM&Aが多く、事業の継続の目的がメインではあったのですが、現在は戦略的にM&Aを取り入れていただいている企業も増えてきています。経営戦略として、譲受側が自社にないリソース、例えば営業エリアの展開、商流の川下や川上への進出、人材の確保等々を拡充するために買収をすることは想定できるかと思いますが、自社をより大きな会社に譲渡し、強い資本と一緒に事業展開をしていく手段も一般化してきています。例えば、人材採用力や営業力などを一緒になった大手企業から享受することにより、自社だけでは成し得ない高い業績を達成するための成長戦略として、などです。このように、譲受側だけではなく、譲渡側もM&Aを経営戦略として検討することが増えてきている事実は認識をしておくべきだと考えます」

今後、コロナ禍によりますますビジネスに大きな変化が起きるとみられる。2021年にM&Aが活発化することで、自分の周辺には大きな変化が起きる可能性も高いだろう。

【取材協力】
M&A総合研究所
独自のAI技術を用いて事業承継問題の解決に取り組むM&A×AIのリーディングカンパニー。テクノロジーによるコスト削減で完全成功報酬制の料金体系を実現。M&A Techにより未来のM&A市場を創造する。
https://masouken.com/

取材・文/石原亜香利

新型コロナウイルス対策、在宅ライフを改善するヒントはこちら

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2020年12月16日 発売

DIME最新号の特別付録は「コンパクト撮影スタジオ」!特集は「ヒット商品総まとめ」&「2021年トレンドキーワード」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。