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新型コロナウィルスのワクチンで注目を集める米製薬大手ファイザーはどんな企業か?

2020.12.19

いち早く新型コロナウィルス感染症の予防効果のあるコロナワクチンが米国と英国で緊急承認された米ファイザー。どんな企業なのでしょうか?

米製薬大手ファイザーのコロナワクチン

ファーザー(Pfizer Inc)(ティッカーシンボル:PFE)は、医薬品、ワクチンの開発・製造を行うアメリカの会社です。

最近では、新型コロナウィルス感染症の予防効果のあるコロナワクチンが米国・英国で緊急承認され注目されています。

ファイザーは、ビオンテックと共同でワクチン開発をし、2020年11月18日に治験第3段階である後期臨床試験のデータを公表しました。これを受けて、12月3日に英国政府が緊急使用を承認、同月9日にカナダ、同月11日に米国でファイザー製のワクチンが承認されました。

実際には、同月8日に英国でファイザー製のワクチン接種が始まり、米国では同月14日に開始されました。ヨーロッパでも同月29日までに使用許可の審査が終わる予定となっています。

一方、日本でもファイザー製のワクチンを2021年6月までに6,000万人分で合意しており、厚生労働省で安全が確認されれば接種可能となります。

ただ、ファイザー製のワクチンは摂氏マイナス20~70度で保管する必要があり、厚生労働省は保冷庫の準備を進めていますが、設備のない病院では接種が難しくなりそうです。

次に有力視されているコロナワクチンは米モデルナで、現在(2020年12月14日時点)米国に緊急使用許可申請中です。その次に英アストラゼネカのワクチンが英に使用許可を申請中です。ファイザー、モデルナはともに摂氏マイナス20~70度で保管する必要がありますが、アストラゼネカのワクチンは通常の冷蔵庫で保管できるため、設備のない小さな病院などでも接種できそうです。

日本は、モデルナと2,000万人分、アストラゼネカと6,000万人のワクチン確保で合意しており、日本国民全員が無料で接種できる予定となっています。

しかしながら、ファイザーのワクチンは、最終治験で予防効果が95%に達し高い効果を示しましたが、効果の持続期間は1~2週間程度が確認されているだけとなっています。

また、通常ワクチン開発にかかる期間は10年程度かかるところを大幅に短縮しているため、様々な人が接種することで予想外の副作用が起こる可能性もあります。

新型コロナ感染症の拡大を抑えるためには多くの人がワクチン接種を受ける必要がありますが、ワクチンは治療薬と異なり新型コロナウィルス感染症にかかっていない健康な人が受けるため、ワクチンの副作用が心配で実際に接種しない人が多い可能性もあります。

ファイザーとは?配当利回りの高い優良企業

2020年米国著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイが、米製薬大手4社のファイザー、アッヴィ、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ、メルクの株式を新たに取得しました。

バフェット氏は、短期的な運用ではなく、コカ・コーラのように長期で利益を上げ続ける企業に投資し、その運用手法は個人でも参考にできます。そんなバフェット氏が取得したファイザーとはどんな企業でしょうか?

ファイザーは、1株利益が2015年から1.12ドル→1.18ドル(2016年)→1.99ドル(2017年)→1.76ドル(2018年)→2.86ドル(2019年)と安定的に利益を伸ばしています。

配当金においても、1株あたりの配当金1.12ドル(2015年)→1.2ドル(2016年)→1.28ドル(2017年)→1.36ドル(2018年)→1.44ドル(2019年)と順調に増えています。

配当利回りは3.73%と高く、配当利回りが高く、安定的に利益を伸ばしていることから長期投資に最適な優良企業です。

世界的に見てもファイザーは優良企業で、医療用医薬品売上高で世界2位、時価総額は世界で39位(トヨタ自動車は49位)となっています。

ファイザーは主に医療用医薬品の開発、製造を行っています。

医療用医薬品とは、病院などで医師が処方する医薬品で、特に新薬(先発薬)は、開発後に特許を取得すると特許期間は独占販売することができるため、高い収益率を得ることができます。

ただ、開発には臨床試験が必要で薬の効果や安全性を3~7年かけて確認し、実際に薬品として承認されることができる新薬ができる確率は極めて低く、その承認を得るまでにも莫大な研究開発費を必要とします。

具体的には、新薬の開発費は数千億円までのぼる可能性がありますが、それに対してジェネリック(後発医薬品)なら発売まで開発費が約1億円程度で済みます。その代わりジェネリック(後発医薬品)は特許権による独占権がないため、同業他社との価格競争にさらされ、利益率は低くなります。

そのため、製薬会社は大きな開発費を確保するために規模を大きくしており、ファイザーは2015年にホスオイーラ、2016年にメディべーションを買収しています。

日本の武田薬品においても、製薬大手のシャイアーの大型買収を借入金とシャイアー株主への新株発行でまかない、さらに利益率の低い大衆薬品アリナミンなどの事業を売却するなど、医療用医薬品事業に経営資源を集中させています。

ファイザーも同様、新薬などの中核分野の買収には意欲的な一方、特許期間満了後の医薬品であるジェネリック(後発医薬品)を扱うアップジョン(Upjhon Inc.)を切り離し、マイラン(Mylan Inc.)と後発薬品事業で統合、新会社のViatris Inc.として、非中核分野を切り離しています。

事業分離をスピンオフという方法で分離することが多い米国企業

ファイザーは後発医薬品事業を展開しているアップジョンを分離させました。

このときに、スピンオフという手法を使っています。この手法は日本では見られず、2018年までは実績ゼロ、2019年にコシダカホールディングスが初めてスピンオフを行いました。

スピンオフとは、子会社の株式を株主に渡すことで、会社を分離させます。事業分離させるとその分売上高が下がり、株式の価値は下がりますが、事業分離させる子会社の株式を親会社の株式を持つ株主に渡すことで、株主は子会社の株式も保有することができるため、既存株主に不利益を与えません。

スピンオフによる事業分離は、親会社が中核事業に集中することができ、かつ分離しても既存株主における企業価値を下げることがありません。また、スピンオフされた子会社は、親会社であった企業に縛られることなく、親会社の競合他社とも取引することが可能となり、取引先を拡大させることができます。

一方、デメリットとしてスピンオフが行われると、スピンオフを行った会社の株式は一般口座に払出されてしまいます。そして、新しく交付される株式は1株に満たない場合はドルなどの外貨で、1株単位のものは子会社の株式となりますがこれもまた一般口座に入ることがほとんどです。

一般口座は、自分で取得価格を把握し、売却時に利益が出れば確定申告が必要になります。

スピンオフによる一般口座への払出しが行われると、取得単価がゼロ円となるため、すぐ売却しない場合は自分で取得単価を把握しておきましょう。証券会社の取引履歴などで取得単価は分かります。

事業再編が続く製薬大手

新薬開発には大きな研究開発費がかかり、新たな新薬を生む可能性と莫大な研究開発費を確保するために、ファイザーを含め製薬会社の買収は続きそうです。
その一方で、新薬に関係ない非中核分野を企業本体から売却、分離させる動きもあります。

日本の製薬会社である武田薬品は過去、利益を安定的に上げ、無借金で配当金が高いのが特徴でした。

一方、現在では武田薬品は買収により借入金の増加、新株割当てによる保有株の実質的な株式価値の減少があり、株価が過去のような株価ではありません。武田薬品は配当金を下げておらず、配当金が下がることはないかもしれませんが、保有している製薬会社の株が買収の手法によっては株価が下がったり、突然一般口座に入るということがあり、昔のような安定した株というイメージは払拭した方が良いでしょう。

ワクチン開発で先頭をきったファイザーですが、現在主力として乳がん治療薬、リウマチ治療薬、血栓治療薬などで特許を持つ新薬があります。今後、新薬の開発競争激化、特許期間満了などの懸念がありますが、新薬への事業集中、規模拡大により、定期的な新薬開発を行い利益を伸ばすことが期待できそうです。

文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。

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