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チームづくり、ナレッジ共有、マネジメント、テレワークの課題とされる社内コミュニケーション3つの課題を解決するヒント

2020.12.20

ツールの使い方や環境整備で手間取っていたテレワークも、慣れてきて操作は簡単にできるようになってきた。しかし、社内で雑談が減ることによるアイデア創出やメンタル面の低下など、いまだに社内のコミュニケーションの課題は多い。どうすれば活性化できるか、リクルートマネジメントソリューションズ シニアコンサルタントの松木知徳さんが解説する。

現状、企業が感じている課題とは?

緊急事態宣言が発令された2020年4~6月、テレワークを導入する企業が急増し、オンライン会議ツールの使い方や社内SNSのやりとりに苦戦していた。また家庭では、在宅勤務の環境整備をするのに手間取っていた。現在、職場では、システム対応やオンライン会議、チャットなどの操作にも慣れてきて、家庭でも在宅勤務のリズムにも慣れてきて、両立ができるようになってきた。

このような現状がある中で、企業は今、テレワークにおいて主に何に課題を感じ、何に困っているのか。企業にテレワークも含めたコンサルティングを行う松木さんは、次のように話す。

【取材協力】

松木 知徳(まつき・とものり)さん
リクルートマネジメントソリューションズ シニアコンサルタント 博士(工学)
2007年リクルートマネジメントソリューションズ入社。コンサルタントとして企業の人材開発・組織開発に従事し、数々の表彰を受ける。テクノロジーや科学的な理論をもとにした科学的な営業組織づくりの支援や従業員のモチベーションの要因を研究し、新サービスの開発、メディアでの執筆活動や企業での講演などを多く行っている。日本マーケティング学会、ナレッジマネジメント学会、サービス学会、国際戦略経営研究学会会員

「テレワークの基本的な環境やスキルは整ってきた中で、『コミュニケーション手段の確保』から『コミュニケーションの質の向上』へと課題が移ってきました。テレワークを上手く活用できれば、業務の効率(生産性)を高めることが可能になることが企業側にも理解され、『テレワークを浸透したい』という機運が高まりました。コロナ禍の暫定措置ではなく、『収束後も推進すべき課題』として考えられるようになってきています。私自身のところにも、2020年7月以降に多くの相談が寄せられています。これまで進まなかったテレワークがコロナ禍を契機に大きく変化する可能性を示唆しています」

具体的に発生している主な問題3つ

このコミュニケーションの質の向上に関する課題の中でも、松木さん自身が最近、企業からよく相談される内容は、次の大きく3つに分かれるという。

1.チームづくりの課題

・ディスカッションの際にチームでの盛り上がりが薄い
・事務的な情報共有はできても、率直な意見や要望などが共有しづらい

2.ナレッジ共有の課題

・案件管理はされるが、ノウハウ・TIPSが伝わらない
・ちょっとした相談や協働がしづらくなっている

3.マネジメントの課題

・メンバーのコンディション把握が難しい。例.メンタルヘルスの変化、労働負荷の偏りに気づかない。
・仕事の評価が難しい。例.努力が分かりづらい。コロナ禍の環境影響を勘案した評価が難しい。

3つの問題に対する対策

そこで、これらの3つの問題に対する対策を、解説してもらった。

1.チームづくりの課題への対策

●ミーティングでは「チェックイン」を行う

「ミーティング時には『チェックイン』を行うルールを設けます。チェックインとは、本題に入る前に今の気持ちや最近のトピックなどを共有すること。これにより、話しやすい場の雰囲気をつくり、心理的安全性の担保につながります」

●“結論を出さなくても良い”フリーディスカッションの場を作る

「大人数の会議など、オンラインではアジェンダを決めて効率的に会議を進めることを求めますが、一方で『結論を出さなくても良い』フリーディスカッションの場などを作り、中長期のアジェンダなどで視野を広げるテーマでの会話を行うなど、新しいアイデア創出の機会を意図的につくることも必要です」

●顔出しルール

「オンラインでの打ち合わせでは『顔出しルール』を作るというのも一つの方法。視覚から得られる情報は重要です。オンラインでの環境によって、使いづらいケースもありますが、 『発言者は顔を出す』とか『最初だけは顔出しをする』などの方法をとることで、お互いの距離感が縮まります。ただし、強制にならないようにメンバーの反応を踏まえて検討することが重要です」

2.ナレッジ共有の課題への対策

●プチ勉強会を実施

「勉強会などよりも一段ハードルを下げ、ちょっとした共有やナレッジを持ち寄るなどの機会を持つこと。30分~60分など短時間で行うなどして、運営者の負担をできる限り軽くするのがポイントです。一人で運営をすると負担が大きいため、2人組で掛け合いをしながら実施をするといいです」

●ちょっとした情報をノウハウとして共有

「案件共有やプロジェクト進捗などの組織の中心アジェンダに沿った共有だけでなく、オンライン会議での工夫や社内データベースの効率的な活用方法など、ちょっとした情報を社内SNSなどでノウハウ(TIPS)として共有し、共有した人を賞賛するなどの盛り上げ策を行うことで、全体のスキルレベルが底上げできます」

●ニュース配信を行う

「部門などのニュースをまとめて5分、10分で伝えるといった取り組みを行います。例えば、Teamsなどで参加用のURLを伝えておいて、任意で参加できるようにします」

●座談会を実施する

「テーマを決めて非公式にディスカッションする座談会のような場をつくること。テレワークでは部門を超えた会話の場などが得られにくいため、定期的に部門を超えたメンバーが集う場を、話し合うテーマを変えて実施することで部門間の連携にも役立ち、リフレッシュにもなります」

3.マネジメントの課題への対策

●1on1 ミーティングを実施する

「上司部下の面談を定例で行う『1on1 ミーティング』を行う企業が増えています。部下はテレワークだとちょっとした相談ができず、上司も問題が顕在化するまで対処ができないことが増える傾向にあるため、定期的にミーティングの時間を設定し、そのときに抱えている問題やメンバーのコンディション確認などを行うことで、メンタル不全や過度な労働負荷などを未然に察知することができます。

また多くの企業が期末の評価に直面し、テレワークにおいてメンバーの活動をどのように評価するか悩んでいるマネジャーが多いですが、日常から1on1ミーティングを行うことで、業績などの目に見える評価以外の行動評価などや、目標に対する進捗なども、ある程度、共通認識を持つことができるため、評価にも納得性が生まれます」

テレワーク推進の今だからこそ業務変革のチャンス

松木さんは、現状のテレワーク課題に取り組むことについて、次のように話す。

「テレワークでのコミュニケーション課題は必ずしもテレワークだから生まれた課題ではなく、対面では見えなかった課題が顕在化したと考えることもできます。先述の課題をみるとテレワークでなくても発生していたことに気づきます。

我々はコロナ禍によってオンラインでの対応やテレワークでの業務を余儀なくされましたが、『テレワークを推進し、効率的に行うための創意工夫を行うことが重要』という組織の共通認識を醸成しやすい今だからこそ、仕事の生産性を高める業務変革のチャンスとなるでしょう」

テレワークにおける社内コミュニケーション課題の対策は、企業規模問わず実施できる内容だ。ぜひヒントにして取り入れてみてはいかがだろうか。

取材・文/石原亜香利

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