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バセドウ病の治療で用いるヨウ素の長期間制限は不要、順天堂大学大学院研究報告

2020.12.17

「バセドウ病」の治療で用いるヨウ素の長期間の制限は不要

「バセドウ病」は、代謝をつかさどる甲状腺ホルモンが過剰分泌され、動悸、体重減少、指の震え、暑がり、汗かきなどの症状が出現する病気であり、日本人において甲状腺ホルモンの過剰分泌が原因でかかる病気の中で最も患者数が多い病気だ。

RAITは、薬物療法、手術と並ぶバセドウ病の治療法の1つで、薬物療法や手術が困難な場合に行われる。この治療は、甲状腺ホルモンの原材料であるヨウ素が甲状腺組織に特異的に取り込まれる仕組みを利用した治療法であり、放射性ヨウ素をバセドウ病患者に投与して甲状腺組織を破壊することで、甲状腺ホルモンの分泌を抑える。

放射性ヨウ素をより効率的に吸収するためには体内のヨウ素は欠乏状態にあることが望ましいとされていることから、治療前には、食事由来のヨウ素制限やバセドウ病治療薬として用いるヨウ素(無機ヨウ素)を10~14日間にわたり制限する。

しかし、元来日本人はヨウ素を豊富に摂取する食習慣があるため治療前の摂取制限の有効性は不明であり、また、バセドウ病治療薬の中止は、病状悪化を招くリスクがあった。このようにRAIT前のヨウ素の制限が必要か否かは臨床現場において重要な問題だが、これに関して詳細に検討している研究はなかった。

そこで順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学 内田豊義 准教授、綿田裕孝 教授らの研究グループは、医療法人社団金地病院との共同研究でバセドウ病に対する放射性ヨウ素内用療法 (RAIT:radioactive iodine therapy)  におけるヨウ素制限と治療効果との関連について追跡調査を行った。

研究では、7日間にわたる厳格な食事由来のヨウ素制限をしたにもかかわらず、その治療効果の平均値は日本人の平均ヨウ素摂取量とほぼ同等であることを明らかにした。

このことから、今後、バセドウ病に対するRAIT前のヨウ素制限の必要性そのものに関する検証が必要だと言える。

また、研究で明らかとなった治療効果を決定する因子は甲状腺の大きさであり、約4割強の患者は1年間で改善に導くことができていないことから、今後、甲状腺の大きい患者に対応する方策を模索し、検証することで、より確実な治療効果を得られる治療方法へと高めていきたいと考えている。

なお、研究結果は、元来ヨウ素充足国である日本にのみ適応した方法ではなく、ヨウ素摂取量が適正化された諸外国においても適応できる治療方法であり、汎用化されることを期待されている。

論文タイトル: “ Influence of Short-term Dietary and Therapeutic Iodine Restriction on the Therapeutic Effects of Radioactive Iodine Therapy in Patients with Graves’ Disease ”

構成/ino.

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