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マイナー品種、新製法、無添加、進化するボルドーワインの最新トレンド

2020.12.21

この冬は、ワインも家飲みでまったり行きそうな予感。ちょっとおいしいボルドーでもいかが? 先日、ボルドーワイン委員会から発表されたボルドーワインのトレンドをご紹介。オンライン飲みの肴にどうぞ! 

気候変動で注目される「昔ながらの品種」とは?

はじめに、今年のぶどうの出来は、「豊かな色調とタンニンに加え、アルコールと酸のバランスがすばらしく、期待が高まる仕上がり」と評価されている。同時に、「暖冬の後の春に、遅霜、雹・あられ、大雨で局地的な被害が発生」「夏は酷暑」「ぶどう生育期間は、平年比で約15日早く推移」「(収穫期にあたる)9月後半に秋雨」などなど、気候的にはいろいろあった一年だった。

気候変動の、中でも温暖化の影響は、ボルドーに限った話ではないが、ワイン生産に大きな影響をもたらしている。気候変動に適応するため、ボルドーでは昨年、新たに赤ワイン用に4種、白ワイン用に2種のぶどうをAOC品種として認可している。

その新品種ではないが、今ボルドーの生産者たちが注目している品種がある。プティ・ヴェルド、カルメネール、マルベックなど、あまり有名ではないが、ボルドーでは昔から栽培されてきた品種だ。ただ、いずれも手入れが難しい、収穫量が安定的でないなど、生産者にとっては扱いにくい品種であったことから、徐々に生産地が減っていったという過去がある。そんなひと昔前のマイナー種が、気候変動に適応する上で、あらためて注目されるようになった。

「栽培技術のイノベーションもあって、収穫量が安定してきた」と話すのは、ポイヤック地区にあるシャトー・ベルヴュのゼネラルマネージャー、ヤニック・レーレルさん。特に、プティ・ヴェルドは気候変動によく適合してくれるという。

ドルドーニュ川右岸にあるシャトー・ルクーニュの4代目、マルク・ミラドさんは、カルメネール100%の「シャトー・ルクーニュ・キュヴェ・カルメネール」を自信作として勧める。

「カルメネールはアルコール度が低めになるので、地球温暖化に対応しやすい」と言う。平均気温が高いと、一般にぶどうの糖度が上がり、アルコール度数は高くなり、熟成のコントロールが難しくなる。

複数の品種をブレンドする「アッサンブラージュ」が特徴のボルドーにとって、ぶどう品種が増えることは、そのままワインの多様化につながる。ボルドーといえばメルロ、カベルネ・ソーヴィニヨンの、タンニンのどっしりしたヤツね、というイメージは、もう古いかもしれない。

木の香りの影響を避け、コンクリート製やアンフォラ熟成が人気

変動するのは気候だけでない。人々の嗜好も変化する。昨今のボルドーで目立つのは、より果実味にあふれ、熟成の若い段階から楽しめ、熟成ポテンシャルも十分にあるというワインだ。じっくり木樽で熟成させるだけがボルドーではない。

嗜好の変化に合わせて、製法にも変化が見られる。

たとえば、熟成に使う容器。木樽からワインに抽出される成分の影響を少なくするため、近年は小さな樽より大きな樽、新樽より古樽を重宝するワイナリーが増えている。新樽ほど木の香りがワインに移りやすいからだ。木の影響をシャットアウトするために、木樽からコンクリート製、ステンレス製のタンクに移行するワイナリーも増えている。さらにはアンフォラという素焼きの壺も注目の的だ。

素焼きの壺アンフォラ。CIVB : Favoreat / M. Anglada

前出シャトー・ベルヴュではプティ・ヴェルド100%のワインをアンフォラで熟成させている。アンフォラには微酸化効果があるという。

ボルドーのワイナリーというと、木樽がダーッと並んだ蔵が思い浮かぶ人もいるかもしれないが、いまどきのボルドーのワイナリーにはピカピカのステンレス製、ツルツルのコンクリート製のタンク、かと思えば、素焼きの壺がダーッと並んでいる。もちろん、木樽熟成を同時並行しているワイナリーが多い。こられ多様なワインをブレンドするのがワイナリーの腕の見せどころだ。

ヴィーガンワイン、亜硫酸無添加ワインのレベルアップ

サステナブルなワインづくりは、世界各地のぶどう産地で模索されている。

およそ15年前からサステナブルなワインづくりに取り組んできたボルドーでは、現在、6割以上のぶどう畑が何らかの環境認証を取得し、85%以上の畑が除草剤を使わずにぶどう栽培を行っている。

除草剤を散布しないぶどう畑が8割以上。

環境への配慮だけでなく、動物性食物を口にしないヴィーガンが楽しめるワインも増えている。ぶどうしか使わないワインの、何がヴィーガンにとって問題になるかというと、製造過程の清澄剤に使われる卵白だ。現在、卵白の代わりに大豆、小麦、ジャガイモなど、植物由来の清澄剤を使った生産が進んでいる。

亜硫酸(酸化防止剤)無添加のワインも増えている。ドルドーニュ川左岸にあるワイナリー、ヴィニョーブル・シオザールのオーナー兼ワイン生産者のダヴィッド・シオザールさんは、メルロの単一品種のワイン「IPSUM」を手に、無添加にした理由を、

「品種本来の味を味わってもらうためです。メルロは単一で魅力を発揮できる品種です。ぶどうの果実を囓るような、みずみずしさを味わってほしい」と話す。

亜硫酸無添加ワインは、少しでも雑菌が混入すれば全滅するリスクを伴う。それを避けるためには、畑や蔵はもちろん、タンクにも道具にも厳格な管理が求められる。それほどの手間をかけてでも亜硫酸無添加にする理由には、単に添加物を廃したいというだけでなく、ワインへの飽くなき追求心が働いている。

最後に、ボルドーといえば肩の張ったボトル、シャトーのラベルが代名詞……だったが、こちらも変わってきた。ボルドー型をしていないボトル、ポップなラベルが目を楽しませてくれる。重厚なボルドーもいいが、こんな新世代のボルドーも味わってみてほしい。

ボトルの形もラベルもバリエーションが増えてきたボルドー。左上から、Charivari、Château Lauduc、Hors-Série、Château Mangot、Château Peybonhomme-Les-Tours、J. LEBEGUE

取材・文/佐藤恵菜

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