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体外受精などの生殖補助医療で卵巣がんの発症リスクは上昇しない、オランダがん研究所発表

2020.12.22

生殖補助医療で卵巣がんリスクは上昇しない

体外受精(IVF)などの生殖補助医療(ART)により、女性の卵巣がん発症リスクが高まることはないようだとする研究結果が、オランダがん研究所のFlora van Leeuwen氏らにより報告された。

研究結果の詳細は、「Journal of the National Cancer Institute(JNCI)」に11月17日掲載された。

ARTによる治療を受けた女性では、がんや卵巣境界悪性腫瘍(良性と悪性の中間の悪性度)の発症リスクに曝される可能性のあることは、過去の研究で示唆されている。

リスクの原因としては、排卵の誘発に必要な女性ホルモンレベルの上昇や、採卵時の卵巣組織への穿刺により生じる炎症などが考えられている。

Van Leeuwen氏らの今回の研究は、オランダで1983〜2000年の間にARTで排卵誘発剤の投与を受けた女性3万625人(ART群)と、ARTを受けなかった不妊女性9,988人(非ART群)を対象としたもの。同氏らは、ART群における卵巣がんの発症リスクを、非ART群および一般女性と比較した。

追跡期間中央値24年の間に、158件の浸潤がんと100件の卵巣境界悪性腫瘍が発生した。解析の結果、ART群は非ART群に比べて、卵巣がんの発症リスクが上昇するわけではないことが明らかになった(標準化罹患比1.15)。

しかし、一般女性との比較では、ART群の方が卵巣がんの発症リスクが高かった(標準化罹患比1.43)。

この点についてvan Leeuwen氏らは、「これは主に、最終的に出産を経験しなかった女性の割合が、ART群の方が一般女性よりも高かったからである。出産未経験が卵巣がんの強力なリスク因子であることは、これまでに明らかにされている」と説明している。

また、ART群内での卵巣がんのリスクは、ARTにより出産に至った治療サイクル数が多いほど、低下することも判明した。

一方、卵巣境界悪性腫瘍の発症リスクについては、一般女性や非ART群に比べて、ART群でほぼ2倍になることが明らかになった。

しかし、リスク上昇と、ARTによる治療サイクル数の多さや追跡期間の長さとの間に関連は認められなかった。

この結果についてvan Leeuwen氏らは、ART群における卵巣境界悪性腫瘍のリスク上昇は、ARTではなく、患者固有の原因に起因する可能性があることを示唆するものとの見方を示している。

Van Leeuwen氏は、「われわれの研究により、女性がARTによる治療で卵巣刺激を受けても、長期的に見て、卵巣がんの発症リスクが高まることはないという、心強い結果が得られた」と述べている。

ただし、この研究では、追跡期間が長めだった女性でも、追跡終了時の年齢中央値は56歳と若かった。

Van Leeuwen氏は、「卵巣に腫瘍が発生しやすくなるのは60歳を超えてからだ」として、この点を研究の限界として挙げる。そして、今後も対象者の追跡を続けていく必要性について触れた上で、「その追跡結果を得て初めて、ARTと卵巣境界悪性腫瘍の発症リスクとの関係が明確になり、60歳以降の卵巣腫瘍のリスクについて意見を述べることができる」と述べている。(HealthDay News 2020年11月19日)

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://academic.oup.com/jnci/advance-article/doi/10.1093/jnci/djaa163/5981708?searchresult=1

構成/DIME編集部

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